縦に速く、攻守の切り替えも重視する日本のスタイルは、所属するドルトムントのそれに類似。チュニジア戦でトップ下に入った香川は、途中出場ながら2得点に絡む活躍を見せた。写真:菅原達郎(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

 3月シリーズ第2戦となるウズベキスタン戦は、香川真司にとって「完全復活」に向けた重要な一戦となる。3月30日の前日練習では、12対12のゲーム形式の練習に加わり、スタメン出場が濃厚と見られるビブス組の2列目でプレー。指揮官から「どんどんボールを受けてリズムを作れ」と指示を受け、途中出場で2得点に絡む活躍を見せたチュニジア戦に続き、トップ下で出場する背番号10の姿が見られそうだ。
 
【日本代表|PHOTOギャラリー】日本 2-0 チュニジア
 
「トップ下に求められるのは、少ないタッチでボールを回していきながら、裏に抜ける動き。そういった意味では、自分の特長は出しやすいと思うし、やりがいもある」
 
 そう語る香川の表情からは、トップ下へのこだわりとプライドが窺えた。ハリルホジッチ監督が目指す、縦に速く、攻守の切り替えも重視するスタイルは、所属するドルトムントのそれと共通する部分がある。
 
 前日練習では、ボランチに青山敏弘、柴崎岳とより攻撃的な選手が入ったが、「(ふたりは)ボールを前に出せる選手。ゴールに向かった状態で、スピードに乗ってボールを受けられれば、より自分の形を作りやすい。ボランチやサイドハーフの選手との距離感を意識してポジションを取っていきたい」とイメージを膨らませる。
 
 対するウズベキスタンはフィジカルを活かし、前からプレスをかけてくることが想定されるが、その環境は、縦への意識が根付き始めた日本代表の力を測るための良き“試験”となりそうだ。
 
「連係の質、フィニッシュの精度には改善の余地はあるけど、攻撃陣には技術のある選手が多いので手応えを感じている。プレスをかけられたなかで、自分たちがどこまでできるか。上手く3枚、4枚で意思疎通して攻撃の連動性を出せれば、形は作れると思う」
 
「勝利」の意味を重く受け止め、人一倍の危機感を抱く香川は、チュニジア戦の出来にはまったく満足していない。むしろ、自信を取り戻し、高めていくためには「ピッチで結果を出し続けるしかない」と何度も繰り返してきた。練習で軽快にミドルシュートを決めたことを問われても、「試合で入らないと意味がないですから」と表情を引き締める。渇望するゴールを決め、「次の試合で取って、またその次の試合と良い流れを作っていく」(香川)きっかけを掴んだ時にこそ、香川に笑顔が戻るはずだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)