攻撃面で柴崎に大きな不安要素は見当たらない。課題は守備にあり、前線の動き出しに連動して、インターセプトを狙うプレーを増やしたい。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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「結果を出すのが一番の目標で、内容も高められれば最高のスタートになると思う。しっかりと内容、結果ともに良いものにして、それからワールドカップ予選に向けて調整していきたい」

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 そう語る柴崎岳からは、彼なりの手応えが感じ取れた。言葉数が少なかったために、柴崎の心情は推測するしかないが、おそらく監督が求めるプレーを把握しているからこそ、表情にも自信が表われていたのだろう。
 
 先日のチュニジア戦、ハリルホジッチ監督が最も強調していたのが「縦への意識」だった。ボールを奪ったら、最前線への縦パスが最優先。それが難しければサイドを変えて、素早くスペースを突く。こうしたプレーを常に意識し、クラブで実践しているのが柴崎だ。
 
 もともと、展開力には定評があり、コンダクターとしての実力は周知のとおり。さらに最近は球足の長いラストパスを意識している節があり、実際にJリーグやACLでも最前線を狙った長距離のパスが増えた。つまり、柴崎は普段着のプレーができれば、指揮官の要求に応えられるというわけだ。
 
 こと攻撃面に関しては、大きな不安要素は見当たらない。新体制でのデビュー戦でも一定以上のパフォーマンスを期待できるはずだ。
 
 一方で、気になるのは、「球際の激しさ」(ハリルホジッチ監督)が求められる守備面だろう。
 
 Jリーグでも当たり負けする場面がしばしば散見されるように、柴崎がフィジカルコンタクトに課題を残しているのは確かだ。本人もこの点については改善点のひとつだと認めている。先日のチュニジア戦で安定したパフォーマンスを見せた山口蛍のように、局面で身体を当てて奪い切るようなプレーを期待するのは酷だ。
 
 とはいえ、単純に身体を当てることだけが、「球際の激しさ」ではない。柴崎はフィジカルコンタクトに課題を残すものの、それを補えるだけのポジショニングセンスや読みの鋭さを備えている。現代表のように前線からアグレッシブなプレスで追い込み、中盤で網にかけるやり方は、後ろでブロックを敷くよりも能力が出しやすいはずだ。
 
「僕なりの守備の仕方というか、選手によって守備の表現も変わってくる。僕なりのアグレシブさも含めて、しっかりボールを奪い切るところは意識してやっていきたい」
 
 本人もそう語るように、前線の動き出しに連動して、積極的にインターセプトを狙うようなプレーが表現できれば、守備面での計算も立つ。むしろ、そうした自身の特長を押し出すことこそ、柴崎が代表での地位を固めていく道になるのかもしれない。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)