ベトナム戦では不完全燃焼に終わった久保。それだけにマレーシア戦での活躍には期待がかかる。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 期待に応えられたとは言い難かった――。

【U-22日本代表|PHOTOギャラリー】日本 2-0 ベトナム

 4-2-3-1の1トップでスタメン出場した第2戦のベトナム戦で、久保裕也は持てる能力をフルに発揮することはできなかった。自身のプレーを「あまり動けていなかったし、シュートも打ってない。ゴール前であまりプレーができなかった」と振り返る。
 
 ベトナム戦では、中盤に下がって組み立てに参加する姿が目立った。その意図は「自分でリズムを作りたかったし、ボールに触りたかった」から。人数を割いて守りを固める相手に対し、最前線にいても思うようにプレーに関与できずにいた。狭い裏のスペースを狙うにしても、周囲との連係面がまだ不十分である以上、「一発で、というのはタイミングがしっかり合わないと抜け出せない」。だから「2列目から追い越すのがいいかなと思って、下がったりしていました」。
 
 中盤に下りて打開を試みるだけでなく、サイドに流れる動きも見せた。中央は相手がしっかりと締めてくる。少しでもスペースのある場所を探して、サイドに開いてチャンスをうかがった。しかし、イメージどおりに崩せず、「真ん中にいても良かったかな、と思う時もありました」と、正直な気持ちを静かに語る。
 
 トライ&エラー。
 
 チームを機能させるために、自分はなにをすべきか、そのなかで個としてどう輝くか。
 
 久保は今、懸命に模索しているのだろう。手倉森ジャパンでの活動日数は、国内組に比べて極端に少ない。普段は欧州でプレーする以上、それは仕方のないことでもある。だからこそ、いろんなことを試してみる。
 
 所属クラブでは現在、トップ下を任されており、1トップは久しぶりだった。「ずっと前に張っていてもいいのかな、とも思って、サイドに張ってみたり、引いたりしてみましたけど、あんまり……相手も出てこなかった」。
 
 結果的にそれが成功しなかったとしても、トライしなければ確認できないこともある。エラーは貴重な経験になるし、そうした過程を経て、次になにをすべきかが見えてくる。その意味では、ベトナム戦は意義のあるゲームだった。
 
「どう動いたらいいのかなとは考えながらやっていたので。引くことで、受ける場所もいくつかありましたし。そういう部分は悪くなかったと思います」
 
 最後のマレーシア戦では、トップ下での起用が予想される。手倉森誠監督も久保のポテンシャルに期待を寄せている。1次予選突破が懸かるゲームのなか、チームを高みに上げる働きを求められる久保の活躍に期待したい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)