『仮面ライダーぴあ vol.2』付録ピンナップ<br />『スーパーヒーロー大戦 GP 仮面ライダー3号』<br />©2015「スーパヒーロー大戦 GP」製作委員会 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映AG・東映ビデオ・東映

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先日、人気特撮ヒーロー番組『仮面ライダー』の公式写真集『仮面ライダーぴあ vol.2』が発売されました。

【写真】歴代ライダー撮りおろし写真をもっと見る!

この本には、シリーズ第1作の『仮面ライダー』から現在好評放送中の『仮面ライダードライブ』に至るまで、各作品に登場する主役ライダーたちの勇姿を収録。各ライダーの写真は、全て見開きにて掲載されており、そのビジュアルを大きなサイズでタップリと楽しめます。

更に、付録として付いてくるポストカードも、撮りおろしの写真が使われており、1粒で2度美味しい内容に。仮面ライダーファンとしては、ヒーローたちのカッコ良いルックスと同時に、各作品の特色や世界観を落とし込んだ背景美術にも注目していただきたいです!

また、劇場版最新作『ヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』の公開に合わせてのリリースということで、仮面ライダー3号を演じられる"ミッチー"こと及川光博さんのインタビューをはじめとする作品情報なども掲載されており、映画鑑賞前のガイドブックとしても手に取っていただきたい1冊です。

写真集には、Vシネマ(という言葉、平成世代の若いライダーファンに通じますかね?)や劇場版の作品も含めて30人以上のライダーが登場しているのですが、主役級のライダーだけで、これだけのボリュームになるわけですから、平成ライダーシリーズのお約束であるサブのライダーまで含めたら、一体、どれだけの数になってしまうのか。

こうして歴代のライダーたちの姿を観ていると、"仮面ライダー"という超長寿シリーズ、スーパーロングランな特撮ヒーロー番組によるヒストリーの偉大さを強く感じます。

ところで、この『仮面ライダーぴあ vol.2』を読んでいて、私の中で強く印象に残ったのが各ライダーのデザインに使用されているモチーフの数々です。時系列順に改めて観返してみると、非常にバラエティーに富んだモチーフが使われていて、それらを追っていくだけでも楽しむことができます。

■"昭和ライダー"に使用されていたモチーフは……?

そもそも、一番最初の"仮面ライダー"である仮面ライダー1号。そして、その最強のパートナーである仮面ライダー2号は、バッタの改造人間でした。

ヒーローなのにバッタ……。

今更ではありますが、主役のデザインにバッタを盛り込む石ノ森章太郎先生のセンスは本当に凄いな、と痛感させられますよね。ついでに言うと、その仮面ライダーの原点的な作品である『スカルマン』なんて髑髏がモチーフです。

『がんばれ!! ロボコン』のように飛び抜けてポップな作品もありますが、ちょっとダークな雰囲気であったり、シリアスで悲愴なムードを身にまとっているのが石ノ森作品におけるヒーロー像の根幹なんだと私は思います。

さて、そんなバッタの改造人間である『仮面ライダー』は続編の『仮面ライダーV3』『仮面ライダーX』……とシリーズを重ねていきます。そこで、ライダーたちのデザインの下敷きとなったのは、ハチやイナゴやカブトムシなどなど。

爬虫類モチーフの仮面ライダーアマゾン、『仮面ライダーBLACK RX』で主人公の特殊形態として登場する機械の身体のロボライダーといった変わり種もいましたが、所謂"昭和ライダー"は、基本的に初代のデザインを踏襲し、昆虫をそのモチーフとしていました。

■"平成ライダー"シリーズの始動。そして、『仮面ライダー龍騎』

『仮面ライダーBLACK RX』から10年以上の時を経て、2000年に放送を開始し、現在までに続くシリーズのスタートラインとなった『仮面ライダークウガ』以降のライダー……"平成ライダー"になると、そのモチーフは大きく広がりを見せることになります。

そんな平成ライダーシリーズにおける作品の中でも、そのモチーフを活かしたおもしろさ、デザインのセンスが特に印象深いのが『仮面ライダー龍騎』です。劇中には、多数のライダーが登場するのですが、それぞれ個性豊かなビジュアルには本当に驚かされました。

"ミラーモンスター"と呼ばれる使い魔的なポジションの怪物を従えた『龍騎』のライダーたちのデザインには、様々な生物の形態や生態が反映されており、見た目が非常に特徴的。そして、そこでチョイスされている生物も実にユニークなのです。

主人公の龍騎が子どもに人気のある龍なのは納得できるとしても、他のライダーはバッファローにサイ、カニやエイ、更にはヘビと、かなりトリッキーなコンセプトのライダーもいます。

ヘビなんて、最初の『仮面ライダー』におけるコブラ男(石ノ森先生の漫画版にも登場!)を筆頭に、敵役である怪人における定番のモチーフだったわけで、それがライダーになるという驚き。そして、そのライダーたちも決して"ヒーロー"足りうる善人ばかりではなく、中には極悪人や犯罪者もいるというショッキングな設定の『龍騎』の存在は衝撃的でした。

そして、この『龍騎』辺りから平成ライダーシリーズは、そのデザイン性をより豊かに、そして、フリーキーでビザールな感性と表現をも飲み込む自由度を獲得していくことになります。

■個性豊かなビジュアルの平成ライダーたち! 中でもインパクト大のライダーといえば…

『仮面ライダー龍騎』に続く『仮面ライダー555』では、メカニカルなデザインによるライダーが登場。そして、その次の『仮面ライダー剣』では、カブトムシやクワガタといった子どもたちの大好きな、そして、ライダーの原点である昆虫モチーフを用いながらも、そこにトランプのデザインを組み込むという凝ったひと工夫が施されていました。

そして、そんな『仮面ライダー剣』の後に現れた仮面ライダーに我々は度肝を抜かされることになります。そのライダーの名前は『仮面ライダー響鬼』。

■驚きの「鬼」と「楽器」の融合!?

『仮面ライダー響鬼』が、そのモチーフに選んだのは何と鬼と楽器! 西洋の甲冑を思わせるフォルムだったクウガやアギト、龍騎やブレイドとは一転して、一気に和風のデザインに。しかも、太鼓を叩いて敵を倒す仮面ライダー。それが響鬼。

その思い切ったビジュアルを初めて児童向けテレビ雑誌の表紙で目にした時の絶大なインパクトは今でも忘れられません。

響鬼は、鬼を下敷きにしている為に、顔も装飾も妖怪のようで、カラーリングも子どもたちがアプローチしやすい色合いではありません。ヒーローなのに、決して"ポップ"ではないそのデザイン。

それまではネクストブレーカー的な若手のイケメン俳優が務めていたメインのライダー枠を細川茂樹さんが担当するという大胆なキャスティングもビックリな作品でした。

中盤で路線変更が行われ、ファンの間でも様々な意見がある『仮面ライダー響鬼』ですが、デザイン面でもストーリー面でも新しい要素と価値観を盛り込んだとびきりの意欲作だったのだと私は思います。

■様々なモチーフを用いて、広がりをみせるライダーワールド!

『響鬼』の反動からか、次作の『仮面ライダーカブト』は、昆虫モチーフへと立ち戻り、メカニカルな要素を盛り込みながらも明快に『仮面ライダー』へと路線回帰を果たしますが、平成ライダーは次々に魅力的なモチーフをその体内に取り込んでいくのです。

後に、複数の映画シリーズが作られ、平成ライダーシリーズでも屈指の人気作となった『仮面ライダー電王』では桃太郎と電車をモチーフにし、日本昔ばなしと鉄道のミックスを行い、『仮面ライダーキバ』では、吸血鬼をメインに狼男や半魚人といった西洋妖怪、モンスターをコンセプトに。

ひとつのモチーフに限定するだけではなく、『仮面ライダーオーズ/000』では不思議なメダルの力を使い、昆虫、鳥類、哺乳類、海洋生物、更には恐竜まで、ありとあらゆる生物を身体の各パーツに割り振り、その特性を組み合わせて怪物と戦うキメラ的なライダーを登場させました(余談ですが、後のシリーズではキメラをモチーフにした『仮面ライダービースト』なんてライダーも登場します)。

他にもロケットと宇宙服をモチーフにし、アストロスイッチを使って宇宙へと飛び出した『仮面ライダーフォーゼ』、魔法使いと宝石をキービジュアルに持ち、指輪の力でそのフォームを次々に変化させていく『仮面ライダーウィザード』……といった実に個性豊かなライダーたちが、"仮面ライダー"という大英雄譚にその名を刻んでいるのです。

また、斬新なデザインの『仮面ライダー響鬼』の後には、ベーシックな昆虫モチーフの『仮面ライダーカブト』が始まり、それが終わると、再度思い切ったコンセプトの『仮面ライダー電王』がスタート。或いは、メカニックでSFな『仮面ライダーフォーゼ』の次は『仮面ライダーウィザード』に繋がり……といった具合に、各シリーズ毎にライダーのデザインや物語のコンセプトに振り子のような大きな幅が感じられるのも興味深いところです。

■最新作のテーマはライダーなのに自動車! 『仮面ライダードライブ』の魅力とは?

そうした各種モチーフをキャラクター造型に取り入れるおもしろさ、楽しさはシリーズ最新作であり、今回の映画の主役となる『仮面ライダードライブ』でも健在です。

特状課の警察官、泊進之介が変身する仮面ライダードライブは、その名の通り自動車をモチーフにしたライダー。"シフトカー"と呼ばれるミニカー型のメカニックを使用し、スポーツカーや重機、F1といった各種車両をベースにした形態へと変身。それらの能力を駆使して、社会の平和を脅かすアンドロイド"ロイミュード"や犯罪者たちと対峙します。

仮面"ライダー"なのにバイクに乗らず、車に搭乗する仮面ライダードライブ。ドライブの前にも、車を使用していた仮面ライダーブラックRXや電車に乗る電王といった"バイク以外のメカを使用するライダー"の先輩もいることにはいましたが、完全にバイクをオミットした『ドライブ』は随分と思い切ったコンセプトのライダーです。

正確には、それはもう"仮面ドライバー"と呼ぶ方が正しい気もするのですが、そういった斬新なアイデアを盛り込めるところが平成ライダーシリーズの大きな強み。ライダーなのに車に乗ってしまうのも、決して逸脱ではなく、クリエイターによる意欲的な冒険であり、子どもたちを楽しませる為のサービスなのです。

ちなみに、本作の"2号ライダー"である仮面ライダーマッハは、ドライブの自動車に対し、バイクをモチーフにした正統派(?)のライダー。『仮面ライダードライブ』は、こうした自動車やバイクをデザインやギミックに取り入れるのがとても上手く、劇中に出てくる武器や装備を見ているだけでも楽しめます。

私は、車のドアをモチーフにした銃、その名も"ドア銃"が大のお気に入りです。ドアの開け閉めによって弾丸を装填するという銃なのですが、半ドア状態だと弾が出ず、相手にボコボコにされてしまいます。遊び心と素材を使う上手さが見事に昇華されたアイデアですよね。

■子どもたちの為に、製作者が考え出す創意工夫こそが
『仮面ライダー』の大きな魅力!

『仮面ライダーぴあ vol.2』で歴代のヒーローたちの勇姿を観ながら、モチーフで振り返る仮面ライダー。本当に様々なアイデアがライダーの造型には活かされています。

新番組が始まる前情報を耳にする度に、私たち"大きなお友だち"はこう思うんです。「今度の仮面ライダーは、フルーツと鎧と鍵がモチーフになってるらしいぞ! そりゃ、一体、どんなライダーなんだ??」。いくつになっても仮面ライダーの奇想天外で自由なビジュアルと世界観には、いつも驚かされます。もう、子どものようにドキドキさせられるのです。

固定観念があって、子どものような柔軟な発想力がない大人の自分ですら、これだけ楽しいわけですから、子どもたちにとっては『仮面ライダー』が永遠のヒーローであり続けていることにも強く納得させられる次第。

そして、『仮面ライダー』のメイン視聴者である子どもたちを楽しませようと、毎回趣向を凝らした新ライダーをクリエイトする制作者の皆様の熱意と想像力に強い敬意を感じます。

カッコ良いヒーロー。強大な悪を打ち倒すヒーロー。辛いことや苦しいこと、悲しいことがあっても、決して屈せず、最後は勝利を掴みとってみせるヒーロー。そんなヒロイックな要素に加えて、作品に関わる人々の創意工夫と熱量も『仮面ライダー』というシリーズの大きな魅力!

これは、ライダーと同じく"ニチアサ"枠である『戦隊ヒーロー』や『プリキュア』にも同じことが言えるのですが、長年シリーズを追い掛けてファンを続けている人間としては、毎回のモチーフやコンセプトの変遷を観ること、それを作った人々の想いにイマジネーションを働かせることは大きな楽しみとなっています。

生物も機械もファンタジーも、果ては妖怪やモンスターなどイーヴルなものでさえも、そのビジュアルコンセプトに取り込んでしまえるヒーロー、それが『仮面ライダー』。皆様にも、機会があれば是非この本を手にとって、子どもたちの夢とクリエイターの冒険心がタップリ詰まったライダーたちの姿を観ていただきたいと思います!

『仮面ライダーぴあ vol.2』
ぴあ株式会社 発売中 1080円

2011年3月に刊行された、歴代仮面ライダーの撮り下ろし写真集『仮面ライダーぴあ』の続編が登場。
4年ぶりの新作は、仮面ライダー1号から仮面ライダードライブまでの歴代ライダーに加え、3月21日に公開される新作ムービー『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』に登場する仮面ライダー3号、そして4号も登場する。 
また、仮面ライダー1号、2号、3号のスリーショットや、ドライブ&3号の絡みのショットも掲載。
【付録】ポストカード32枚+仮面ライダー3号ピンナップポスター付き!