『パリジェンヌの薬箱』神津まり江 朝日新聞出版

写真拡大

「フィトテラピー」という言葉をご存知でしょうか。

 フィトテラピーとは、「植物のもつ様々な力、薬理効果を利用して私たちに備わっている治癒力を高め、体の不調や皮膚のトラブルを予防・解消する伝承医療」のこと。パリの女性たちの間には、このフィトテラピーが根付いており、クリニックに頼る前に、まずは自分で自身の体の不調を防ぎ、ケアすることが自然に行われているのだそうです。

 たとえば、「風邪を引きそうになったらタイムのティザンヌ(煎じ茶)を、眠れない夜にはバレリアンのタンチュメール(チンキ剤)を飲んで、生理痛にはマジョラムとラベンターのエッセンシャルオイルを垂らしたオイルで下腹部をマッサージ」といったように、パリの女性たちにとって生活と共にある身近な存在・フィトテラピー。その起源は古く、約4000年前、古代エジプトの薬草療法がはじまりだともいわれています。そして近年、「ストレスや不規則なライフスタイルが原因の不定愁訴、そこから派生する婦人科系疾患の予防効果」があるとして見直され、再び注目を集めているのです。

 本書『パリジェンヌの薬箱』では、パリジェンヌたちが、実際どのようなフィトテラピーを日常生活に取り入れているのか、その使い方を具体的に紹介していきます。

 このフィトテラピーのアプローチ法には、「飲む」「塗る」「香る」の3つがあるといいます。

 最もポピュラーなのは、「飲む」ことによって、植物の有効成分を効果的な取り込む方法。なかでもティザンヌと呼ばれる、植物を乾燥させて刻んだものを、カップ1杯につきティースプーン1杯の目安で、湯に煎じて飲む方法がポピュラーなのだそう。

 たとえば、ジャーマンカモミールは、頭痛や生理痛、寝付きの悪い時に、タイムは風邪の予防に、ストレス由来の胃腸症状にはメリッサというように、それぞれの症状に応じて適するティザンヌを煎じて飲むのだそうです。飲む方法にはティザンヌだけでなく、タンチュメールと呼ばれる、植物の成分を抽出したものをコップ1杯の水に数滴混ぜる方法や、錠剤もあるとのこと。

 また本書には、こうした品を日本で手に入れることのできるショップも紹介されているので、自分に合ったフィト製品を探しに訪れてみてはいかがでしょうか。