酒井高徳「初心」の背番号24でアピールだ

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 ブラジルW杯でつけていた背番号3でもなく、アジア杯の21番でもなく、ロンドン五輪の12番でもない。代表キャップはすでに22。そろそろ中堅の位置につけているDF酒井高徳(シュツットガルト)が今回つけている背番号24には、隠された意味があった。それは「初心に戻る」ということだった。

「今回は人数が多い(31人)ので、スタッフから『何番がいい?』とみんなが聞かれていた」。酒井高がそう言うとおり、例えば宇佐美貴史の30番も本人の希望に添ってのものだ。そんな中、公式戦のベンチメンバー枠23より大きい24番を新人ではない酒井高がつけていることには、特別な意味があった。

「僕の場合は、希望しようとした番号が他の選手とかぶっていた。それならと、アルビレックス新潟でプロになったときにもらった24番にしようと思った」

 24番には強い思い入れがある。新潟ユース時代の監督である片淵浩一郎氏が現役時代につけていた番号。ユース時代に2種登録で29番をつけて天皇杯に出るなど将来を嘱望されていた酒井高は、「恩師が新潟で昔つけていた番号ということで、プロになるとき、生え抜きの僕が受け継いだ。24番には愛着があったので、今回はその番号にしようと思った」と説明した。

 過去の番号を守ろうという意識にこだわることはなかったという。

「アジア杯は21番だったけど、もともと3番で来ていたのに21番になった。その時点でプライドがなくなっていた。いい機会だから、初心に戻ろうと思った」

 26日に報道陣に公開された練習では左SBに入っていたが、チュニジア戦でDF酒井宏樹が右太腿を負傷し、DF内田篤人は依然として右膝に不安を抱えている状態。酒井高は「左右両方でできるというところは自分の強みでもあり、有利なところでもある。どちらでもできるというアピールは大事だと思うので、良い準備をしておこうと思う」と、ウズベキスタン戦で右SBとして出ることも視野に入れている。

 攻守の注意点についても言及した。守備では、「まだ監督の理想型を全部伝えられたわけではないが、後ろは常に相手より数的優位で守るようにと言われている。上がるタイミングや、片方が上がったときのカバリング、ジショニングを気をつけてやりたい」。一方、攻撃面については「2センターのところでボランチが残って後ろが3枚になって、なおかつ相手が2枚なら両サイドバックは上がってもいいと言われている。場合によって前に行けるときは行きたい」とイメージしている。

「監督が指摘したように、日本はどうしても遅攻が得意。今まではそれがスタイルという形でやってきたので、鋭いカウンター、効率の良いカウンターというのに慣れるのには時間がかかるのかなと思う。この1週間で何かを変えるとしたら意識。今はそのコンセプトが頭に入った状態でどれだけできるか。ミスしてうまくいかなくてもみんなが同じ方向を向いていけるか。その絵を描けるように、少しでも良い場面を出せるようにプレーしたい」

 よどみなく笑顔で抱負を述べた。

(取材・文 矢内由美子)