あなたのその発言もセクハラかも?

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「変わりたい? 変わらなきゃ」を合い言葉に、この春から公開された「ルミネ」の新CM。作中では男性上司から社内のカワイイ系女子と比較され「お前は需要が違うから」と、主人公がバッサリ言い捨てられるシーンがあります。

 傷つく心をバネに、主人公がオシャレや恋に目覚めるという自力シンデレラストーリーだったようですが、男性上司からの見た目批判がネットで女性差別ではと大炎上しました。

 現在CMは削除され、公式HPでは謝罪コメントが掲載されています。確かに上司から服装のことをとやかく言われる筋合いはないのですが、意外とあの程度のセクハラはよくあること……という声も聞こえてきます。

 本日はそんな声をご紹介しつつ、女性躍進を進めるニッポンにこびりついた男女の闇に迫ってみたいと思います。

あからさまなエロ発言は怒りよりもキモい程度のダメージ

 最初はドラマでもありがちな「ガチ下ネタ」。A子の上司は元々エロ発言が酷いとウワサのセクハラ上司でした。

 挨拶がわりに「最近彼氏とやってる?」と聞かれるのは日常茶飯事。くだらなすぎて無視していたら、免疫アリと判断されセクハラはエスカレート。最後は軽いおさわりまで入っていたというから驚きます。

 ちなみにその上司は違う部署でもきわどいセクハラを働き、今では外回り専門の部署に飛ばされてしまったんだとか。外回りならセクハラできないですが、クビにならないのが不思議です。

 これ以外にも「いいカラダしてるよね〜」やCMでもあった「肌荒れしてるぞ!」というような、直接的セクハラはどの女性からも聞こえてきました。

 しかし意外とこれらセクハラ発言には、怒りより「キモい!」という呆れがあると言います。どちらにせよプラスには働いていない馬鹿発言。セクハラは挨拶代わりって、いつの時代なんでしょうか。

“女だから”という発言はやっぱり腹が立つ

 続いては事務職として働くB子の話。会社の営業の男性に「事務職でしょ? 女の子って楽そうでいいね〜」というムカつき発言をもらったといいます。

 一見セクハラ!? と思う発言ですが、あえて「女の子」という主語をつけるあたりに悪意を感じます。男性からしたら忙しくてイライラが言葉に出ただけかもしれませんが、いっぱいいっぱいなときにこそ、無意識で思っている女性軽視の温度感は出ているのかもしれません。

お前はいい女なんだから……とホメれば何でも言っていいの?

 最後は客先で恥をかかされたC子の話。彼氏と2年同棲して別れたばかりだったC子は、凹んだ気持ちを隠しながら取引先との会食に臨んでいたという。

 そんな彼女の状況をウワサで聞いた上司が「なんか辛いことあったんだって〜?」とわざわざ取引先の目の前で破局を暴露。酒のネタにされ、気丈に振る舞う彼女の傷口にカラシをグリグリと塗りつけたという。

 営業妨害もはなはだしいが、最後に締めくくった言葉が「お前はいい女だけどキツいんだよ〜」となぜか説教モードの上司。

 ルミネCMとは異なる発言ですが、客先で言うのはアウトだし、最後に「いい女」と持ち上げさえすれば何でも言っていいと思っている傲慢さがうかがえます。

 ちなみに後日怒りが収まらず人事に相談したところ、身に覚えがないとシラを切ったといいます。飲みの席での失礼発言、男性陣は振り返ってみましょう。

 CMでは「(女としての)需要」というキーワードが問題になっていましたが、そもそも男の需要とは逆に何なのでしょうか。

 ちょっとツツけば出てくるセクハラ発言報告は、ニッポンの男女差別の闇がまだまだ深いことを示しているのかもしれません。

(文/おおしまりえ)