古賀茂明氏(撮影:野原誠治)

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27日放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)で、古舘伊知郎氏と古賀茂明氏が随所で口論を展開した。

冒頭に司会の古舘氏らの挨拶がはじまり「今日のゲストコメンテーターをご紹介いたします。元経産官僚の古賀茂明さんにお越しいただきました」と、古賀氏を紹介した。

第一ラウンド 古賀氏が「報ステ」降板の経緯を暴露し古舘氏と口論に 睨み合う場面も


番組が進行すると、中東・イエメンの宗教対立や、菅官房長官の安保法制に伴う訪米を取り上げつつ、古舘氏は古賀氏に解説を求めた。しかし、今回で番組降板となる古賀氏と司会の古舘氏は、随所で報道やマスコミのあり方を巡って口論となった。一方、古賀氏は、日本のあり方についての持論も展開した。

古舘:ここで古賀さんにぜひ、伺いたいのはアメリカのことなんですけど。アメリカっていうのはたとえば、この件でサウジアラビアの後ろ盾っていうのは当然、あったとしても、一方でヨーロッパを中心とする、イランの核協議に関して、イランに歩み寄ってる感も、このところあったり。それから、自称『イスラム国』ティクリート空爆なんていうアメリカの流れに関しては、イランと連携をしつつあるという、今までは考えられない流れがありつつも、いざこうなると、サウジの後ろ盾ですか? やっぱり。

古賀:そうですね。ちょっと、そのお話する前に、あの私、今日が最後ということでですね、テレビ朝日の早河(洋)会長とか、古舘プロジェクトの佐藤(孝)会長のご意向でですね、私はこれがもう最後ということなんですが。これまで非常に多くの方から激励を受けまして。一方で、菅官房長官をはじめですね、官邸の皆さんにはものすごいバッシングを受けてきましたけれども。まあ、それを上回る皆さんの応援のおかげでですね、非常に楽しくやらせていただいたということで、心からお礼を申し上げたいなというふうに思います。本当にありがとうございました。(頭を下げる)

古館:古賀さん、あの、ちょっと待って下さい。

古賀:で、あと1時間…。

古舘(話し続ける古賀氏を遮り)ちょっと待って下さい! 古賀さん!

古賀:はい、はい。

古舘今のお話は、私としては承服できません。

古賀:はい。

古舘:あのー、古賀さんは金曜日に時折、出てくださって。大変、私も勉強させていただいてる流れのなかで。番組が4月から様相が変わっていくなかでも、古賀さんに機会があれば、企画が合うなら出ていただきたいと相変わらず思ってますし。

古賀:それは本当にありがたいことです。もし、本当であれば、本当にありがたいことだと思います。

古舘:古賀さんがこれで、すべて、何かテレビ側から降ろされたっていうことは、ちょっと古賀さん、それは違うと思いますよ?(古賀氏の顔を覗き込む)

古賀:いや、でも。私に古館さん、言われましたよね。私がこういうふうになるっていうことについて「自分は何もできなかった。本当に申し訳ない」と(頭を下げるポーズ)。

古舘:はい。もちろんそれは、この前お話したのは楽屋で。古賀さんにいろいろ教えていただいてるなかで、古賀さんの思うような意向にそって、流れができてないんであるとしたら、大変申し訳ないって、私は思ってる、今でも。

古賀:(首を横に振りつつ)私は全部録音させていただきましたので、もし、そういうふうに言われるんだったら、全部出させていただきますけれども(古舘氏を睨みつける)

古舘いや、こちらもそれは出させていただくっていうことになっちゃいます、古賀さん。

古賀:いや、いいですよ?

古舘:だから、ちょっとじゃあ、それは置いて。

古賀:はい。

古舘:これは私は違うと思ってますが。じゃあ、イエメンのお話、アメリカの問題、聞かせていただけますか。

古賀:それで、非常に複雑な状況にあるんですけれども。今になって大騒ぎしてますけど。これは火薬庫みたいなもので、ずっと前からそうだったんですね。フーシ派っていうのは、今(VTRに)出てた通りイランの支援を受けているので、イエメンがフーシ派に支配されちゃったら困ると。で、サウジが困るとアメリカも困ると。その前提はですね、アメリカから見ると、サウジが正義なんですね。サウジアラビアっていうのを普通に見ると、まったく民主的な国ではなくて。人権侵害っていうのは国際的にもですね、問題だし。ヨーロッパでも非常に大きな問題になってるわけですけれども。これがもしシリアだったら、アメリカはすごい勢いで非難するでしょう。でも、サウジアラビアだったら非難しないんです。なぜかっていうと、あの石油利権をしっかり守ってくれるのがサウジアラビアだからなんですね。ていうことは、アメリカの正義イコール、サウジアラビアの正義。で、サウジはアメリカの味方だし、アメリカはサウジの味方だというふうに、日本人は単純に思ってる。で、アメリカの正義は日本の正義だっていうのが、安倍(晋三首相)さんたちの考えかたですよね。じゃあ「サウジを応援するのが正義なんだ」っていうふうに、短絡的に行っちゃう可能性があるんですけれども。これはもう、今言ったように、正義っていうのは非常にダブルスタンダードになっているので、正義っていうのは分かんないんですよ。そういう前提で、一歩引いてですね「日本は何をすべきか」ということを、考えていかなくちゃいけないなと。決して短絡的に「アメリカとサウジは一体なんだから、日本も一体でサウジを応援しなくちゃいけない」というような単純な考えかたは採っていただきたくない。今のところは慎重な対応になっていると思いますけれども。ぜひ、そういうふうにしていただきたいというふうに思います。

古舘:かなり引いて、複雑に入り組んだ情勢を冷静に見なきゃいけないということですね。はい。それでは次にまいります。

第2ラウンド 古賀氏が自作の「I am not ABE」フリップを掲げ再び口論に


古舘氏の進行でコマーシャルを挟むと、番組はチュニジア博物館襲撃事件の犯行グループを制圧するようすを報じた。さらに次に、自民党の高村副総裁がアメリカのアシュトン・カーター国防長官に、国会を延長してでも安保法制を通すと明言したニュースを報じた。議論が続く集団的自衛権の行使は、安保法制の成立で可能になる。

古舘:今日、今お届けしている古賀さん、国会の流れも含めて、国会の全体でもいいんですけど、どんなふうにご覧になりますか?

古賀:そうですね。今、日本の外交とか安全保障って、根本から変わろうとしてますよね。そういう中で、中身がまだよくわからない。法案も出てきてませんし、国民とか国会でちゃんとした議論が行なわれていないという状況で、どんどん、アメリカとの間では先に進めてしまおうと。アメリカに安倍さんが行って約束しちゃおうかというような動きっていうのは、よく考えてみたらとんでもないことだと思うんですね。ところが、なぜか国会でも大きな騒ぎになっていないし。あるいは、マスコミもですね、それが『大変だ!』っていうことになっていないっていうのは本当、どういうことなんだろうなというのを、非常に私、おかしいなというふうに思っているんです。で、一方で、国会って別に戦争をするとかしないとか、それだけをやってるわけじゃなくてですね。今度の国会っていうのは、安倍さんは「改革断行国会」っていうふうに名前を付けたんですね。『改革するぞ』と。ハッキリ言って、今のところ、大きな岩盤規制にメスを入れますみたいな話は出てきてないわけですね。農業で言えば農協改革。最初は非常に大きなことを言ってましたけど。結局、統一地方選で協力を得るためには、地域農協、メス入れられないね、ということで竜頭蛇尾になっちゃいましたし。それから医療改革を見ててもですね、チマチマしたことはやるんですけれども、大きな変更はできないと。電力改革に至っては、自然エネルギーを抑制して原発推進に移行って、ほとんど原子力村の言いなりじゃないかなというふうに見えるんです。一方で安倍さん、何もやってないのかっていうと、そうじゃなくて一生懸命やってることもあるんですね。それはですね、安倍さんがおそらく、目指してる国、社会っていうのがあると思うんですけど。

ここで古賀氏は、フリップを取りだした。フリップには「目指すべき社会は 1.原発輸出大国 2.武器輸出大国 3.ギャンブル大国」と記されている。

古賀:ひとつが「原発輸出大国」ですね。今、世界中に行って、原発を売り歩いてます。成果もかなり出てきてる。それから『武器輸出大国』これも去年の4月にですね「武器輸出三原則」をなくしてですね、武器の輸出をどんどんしようと。これも、驚くほど進展してきています。「こんなに進むのかな」ってやや、驚きなんですけども。そして「ギャンブル大国」これは何かというと、カジノ法案ですね。前国会で反対が強くて廃案になったんですけれども、依然として自民党を中心にですね、これを進めようと。で、こういうの見たときにパッと思いついたのは、私、施政方針演説でですね、安倍さんが「“列強”を目指してたね、あの明治時代の。あの日本人、素晴らしいね」というふうに礼賛をしました。“列強”という言葉を使ったんで、本当に私は驚きましたけど。安倍さんの側近と話をしたときに「あれは完全なミスだった」と、お認めになってましたけれども。この安倍さんが言う「美しい国」っていうのは、どういうことなのかなっていうふうに一方で思うんですが。私はこういうことは狙っちゃいけないないうふうに思ってるんですね。じゃあ、どういうことを目指していったらいいのかと。これはもちろん、私の考えかたですけれども。

古賀氏は、フリップをめくって持論を展開し続けた。

古賀:多くの日本人と共通しているんじゃないかなと思うんですが、「原発輸出大国」じゃなくて「自然エネルギー大国」だと。あるいは「武器輸出大国」じゃなくて「平和大国」だと。「ギャンブル大国」なんかやめて「文化大国」だという、こういう国を目指してほしいなあというふうに思うんですよ。そうすると、安倍さんが目指しているような国と、そうじゃないという人たちのですね、間に相当ギャップがあるんじゃないかなということで、私はもう一度申し上げたいのはやっぱり「安倍さんとは、我々は考えかたが違うよ」と。それが「I am not ABE」ということで。前も申し上げたんですけれども、それはものすごい批判を受けました。今日もですね、さっき、ああいうやりとりがありましたけれども。やっぱり、われわれは「批判されたから言っちゃいけない」と、いうふうになっちゃいけないので。そういう意味ではですね、テレビ朝日では作っていただくのは非常に申し訳ないと思って、自分で作ってきました。「I am not ABE」というのをですね。(手元から「I am not ABEと印刷した紙を取り出す)



古賀:これはたんなる安倍批判じゃないんですよ。要するに日本人が、どういう生きかたをしようかということを考えるうえでの、ひとつの考えかたを申し上げたと。それはもちろん、批判をしていただいてもいいですし、そういうことをみんなで議論していただきたいなというふうに思ってましたんで。これはもちろん、官邸のほうからまたいろんな批判が来るかもしれませんけれども。あまり僕、陰で言わないでほしいなと思っているので。ぜひ、直接ですね、菅官房長官でもご覧になってると思いますから、どんどん文句を言って来ていただきたいなというふうに思います

古舘:あのう、古賀さんのいろんなこういう、お考えっていうのは共鳴する部分も多々、あるんですが。一方で、ハッキリ申し上げておきたいなという一点はですね、マスコミの至らなさ、不甲斐なさももちろん、認めるところはありますが。たとえば、私が担当させていただいてる、この番組で言えば、この前も数日前に、川内原発に関する、地震動に対する、あの不安の指摘…

古賀:素晴らしい。

古舘:あるいは、3.11の4年目の際には、核のゴミが、まったく行き場がない問題点。

古賀:そうですよね。

古舘:それからあと、沖縄の辺野古の問題ですね。こういうところも、北部一帯でのああいうアメリカの海兵隊の思惑があるであろうと。

古賀:それは私、昨日ね、ツイートしたんですよ…。

古舘:(遮って)こういうこともやらせていただいてんですよ。

古賀:こんな立派なビデオね、作ってますよと。あそこのサイトに行って「特集」っていうところをクリックしてくださいと。並んでますよと。あれをぜひ見てくださいって言ったんですね。すごく反響もありました。あれを作ってた(報道ステーションの)プロデューサーが、今度、更迭されるというのも事実です。

古舘更迭ではないと思いますよ?

古賀:(笑みを浮かべ)いやいや。

古舘:私、人事のこと分かりませんが、人事異動、更迭…これやめましょう? 古賀さん。

古賀:それやめましょう、それやめましょう。

古舘:これ、見てるかた、よくわからなくなってくるから。

古賀:いや、だから僕はそんなこと言いたくないので。これを(新たなフリップを取り出す)。今、安倍政権の中でですね、どんな動きが進んでいるのかなと。

古舘:ごめんなさい。ちょっとごめんなさい、時間が…ちょっと。

古賀:だから、そういうこと言わないで欲しかったんですよね、もう。

古舘:いやだから、ちょっとこれはもう…。

古賀:ただ、言わせていただければ、最後に。これをですね、ぜひ(マハトマ・ガンジーの言葉を記したフリップを取り出す)。これは古館さんにお贈りしたいんですけど。マハトマ・ガンジーの言葉です。「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」と。つまり、圧力とか自粛に慣れていってですね「ひとりでやったってしょうがない、ただ叩かれるだけだ」ということで、やっていないと、知らないうちに自分が変わってしまって、本当に大きな問題が起きているのに、気が付かないということがあるんですよと。これは私も、すごく今自分に言い聞かせていつも、生きているんですけれども。これは、みんなが考えていただきたいことだな、というふうに思っています。いろいろね、ちょっと申し訳ない、口論みたいになっちゃって。申し訳ないんですけれども、私が言いたかったのは、みんながやっっぱり、言いたいことはそのまま言おうと。自然に言おうと。もちろん、違う意見のかたは違う意見をどんどん言っていただいていいし、古館さんだって、私の考えがおかしいと思えば、どんどん「おかしい」と言っていただいてまったく何の問題もないんですけれども。何か言ったことについて、いろいろ圧力をかけたり、官邸から電話をかけてなんだかんだと言ったりとかですね、そういうことはやめていただきたいなと。そういうふうに思っただけです。

古舘:それでは、一旦、コマーシャルを挟みます。

番組終了直前に古舘氏が視聴者に謝罪し古賀氏へ反論「承服できない点もございました」


この後、番組は天気予報、スポーツコーナーへと続き、最後に古舘氏が株と為替の市況を紹介した。その直後に古館氏は、古賀氏からの指摘について再度、口を開いた。

古舘:それから今日、番組の中でですね、お隣の古賀さんとの私のトークの中で、ニュースとは直接関係のない話も出ました。もちろん、古賀さん自身のお考えというものは尊重をし続けるつもりでございますが、私としては一部、一部にですね、承服できない点もございました。とにかく、来週以降もですね、この番組は、そして私は、真剣に真摯にニュースに向き合っていきたいというふうに考えております。これに関しては一切、揺らがないつもりで、真剣に皆様方と向き合っていきたいと思います。(古賀氏の方を向いて)古賀さん、これだけは言わせていただきました。時間がなくて申し訳ありません。一方的に私がしゃべってしまいました。それでは、また来週以降、お目にかかりたいと思います。

番組の最後で、古館氏は古賀氏への反論とも取れる持論を語り、締めくくった。そこでは、古賀氏に発言の機会はなかった。

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