国内の投資信託市場だが、2015年1月は、NISA(少額投資非課税制度)が2年目を迎え、今年分の非課税枠が追加設定されたことで、新規資金が流入した模様。その結果、1月末の純資産残高は64兆7237億円と過去最高水準となっている。NISAを睨んだ新商品の動向について楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子氏が解説する。

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 NISAの存在が、投資信託市場の拡大に大きく寄与しているが、その影響で、新しいカテゴリーのファンドへの注目が高まっている。「可変型バランスファンド」と呼べるタイプである。

 そもそもバランスファンドとは、1本のファンドでさまざまな金融商品に投資をするもの。基本的には、あらかじめ設定された資産配分どおりに金融商品が組み入れられる。それに対して、可変型バランスファンドは、投資家の目的とリスク許容度に合わせて、柔軟に投資先や資産配分を調整するのである。

 その可変型バランスファンド中で、特に関心が集まっているのが、下方リスクをコントロールするタイプのもの。リターンをある程度犠牲にしても、リスクを減らすことを主眼としており、一般的なバランスファンドよりも、ローリスク&ローリターンとなる。単純に言うと、“なるべく値下がりしないような”運用方針をとるファンドだ。

 こうしたファンドへの注目度が高まった背景には、NISAのスタートによって、リスク商品での資産運用が初めてという個人投資家が増加したことが挙げられるだろう。従来のファンド購入層よりも、さらに保守的な運用を選好すると捉えられており、そうした新しい投資家層に向くと見られている。

 具体的なファンドとしては、『投資のソムリエ』『クルーズコントロール』といったファンドが該当。いずれも、国内債券の組み入れ比率を高めているのが特徴となっている。ただし、資産配分が運用中に見直される分、販売手数料および信託報酬は高めとなっている。

※マネーポスト2015年春号