指導時間はかなり少なかったが、独自色を出して初戦勝利を収めたハリルホジッチ監督。「素晴らしい試合をした」とまず選手たちを褒め称えた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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――試合の率直な感想をお願いします。
 
「今日の試合に関して、非常に満足しています。選手たちは本当に良い試合をしてくれました。良いリズムで試合を進め、そしてアグレッシブさもかなりありました。

【日本代表|PHOTOギャラリー】日本 2-0 チュニジア
 
 我々のプレーはかなり速かったと思います。時々ちょっと速すぎた場面もあり、特に前半はパスが上手く調整できていないところもありました。ちょっとグラウンドが滑りやすくて、かなりボールも走っていました。ただ、選手たちを褒めたいと思っています。
 
 スタートから勇気とやる気を見せてくれました。2点を奪い、もっと取れる可能性もありました。この勝利は私にとって本当に大事なものです。合宿でともに過ごし、合理的な変化を起こしてきました。
 
 ただ、すぐにすべてに満足するわけではありません。この道はまだまだ続きます。2試合目の準備もしなければなりません。次の試合は違うメンバーで臨もうと思っています。多くの選手に(出場の)機会を与えたいです」
 
――今日の起用法の狙いを教えて下さい。
 
「皆さんにお伝えしたとおり、機会をまず設けたかった。本田や香川、内田のクオリティはすでに知っています。なので、他の選手に機会を与えました。最初から出たメンバーを含めて、やる気とアグレッシブさを見せてくれました。良い雰囲気を作れたと思っています。そして、良い競争も生み出せたと思っています。
 
 我々のクオリティというのは、組織的に戦うということです。日本代表はこのやり方で戦うのが良いと思います。そうすれば相手に対して、多くの問題を起こせるでしょう。今日対戦したチュニジアは素晴らしいチームでしたが、我々のほうが勝っていたと思いますし、(今後も)向上していくはずです。
 
 次の試合ですが、まだ十分に知らない選手にもプレー機会を与えたいと思っています。映像で観ただけでは満足していません。6月に公式戦(ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選)がありますから、それに向けて、日本代表に入れる充分な資質を持った選手を見つけなければいけないので、直接見て、多くのことを発見したいのです」
 
――「球際の強さ」を練習やミーティングなどで要求していました。今日の試合を見て、どう感じましたか? また、攻撃面で改善すべき点を挙げてください。
 
「ハイレベルのフットボールではご存知のとおり、アグレッシブさと球際の強さが要求されます。今回の合宿でも、その点を集中してやっていきました。このチームに求めたいのは、戦いに対して、メンタリティとか勇気をさらに高いレベルに持っていってほしいということです。
 
 向上させたい点はたくさんあります。ボールを奪った後のゲーム支配にはまだ満足していません。奪ってから最初のパスがまだ十分な精度になっていません。奪った後に、まだまだ短いパスを使いすぎかなと。もっと長いパスで狙いたいなと思っています。今回はスピードを求めましたが、テクニックも少し欠けているかな、と。ただ、グラウンドがかなり滑りやすくて、パスがとても速くなっていました。
 
 選手たちは我々が要求したことを忠実にやろうとしてくれましたし、その姿勢をキープしてほしいと思います。彼らには『本当に素晴らしい試合をした』と言いたいです。もう一度皆さんに言いますけども、対戦相手はFIFAランキング25位です。それを考えたうえで、選手をもっと褒めてあげてください。この勝利を褒めてあげてほしいですし、見せたクオリティも褒めてあげてください。
 
 ただ、もっと得点が欲しかったです。バーにも当たりましたし、ポストにも当たりました。宇佐美らも素晴らしく、本当に素晴らしい組織プレーがありました。最後のフィニッシュのところが足りなかったかなと思っています」
――選手を交代せずに後半をスタートさせました。どんな指示を送ったのでしょうか?
 
「本田と香川が入ったことでゲームの空気が変わりました。彼らはクオリティの高さを見せてくれました。(香川が)ドルトムントでプレーしているのは偶然じゃないということです。日本代表のキーとなる選手だと思っています。
 
 もちろん彼らにも厳しい要求をしました。もっと高いレベルに行けると思っているからです。この試合では素晴らしいパフォーマンスでした。ふたりが自分の能力をすべて出せば、ゲームが変わるというのを見せてくれたと思います。
 
 テクニックだけじゃなく、ディシプリン、それから丁寧さ、勇気、ディフェンスのアグレッシブさ、そういったところも見せてくれました。チーム全員がこれを見せなければいけないと思っています」
 
――監督が攻守で要求したことを何パーセントくらい達成できたのでしょうか?
 
「ディフェンス面は、ミーティングで話したことも踏まえてかなりトレーニングをしました。各選手に非常に正確なアドバイスをしました。特にどこを説明したかというと、前に行きながらの守備です。
 
 下がりながらのプレスではなくて、合理的な変化、アプローチをしました。今までは引き過ぎたんじゃないかな、と。今度はリスクを負いながら、前に行きながら守備をしようと話したのです。おそらく今日は、相手が危険なシチュエーションをあまり作れなかったんじゃないでしょうか。
 
 ゲームを理解するというところもかなり要求しました。各自のゾーンの役割があって、そこで相手選手に近付いて行けと要求しました。相手選手がターンをするような状況を作るな、そういう指示をしました。毎日毎日、このアドバイスをしました。とにかく、アプローチしろと。
 
 今日はボールを奪うところでは全員が参加できました。ただし、奪った後に少し難しいことをしようとしたところはありますけども、3回のトレーニングしかしていませんから、何パーセントだったのかを言うのは難しいです。合理的な変化をいろいろなところで起こせたと思っています。本当に大きな一歩を歩み出しました。このチームはもっと伸びると思っています。
 
 3日間練習しただけの最初の試合ですので、もうちょっと待って下さい。時間をかけてやっていきたいと思います。このチームは能力があります。今日は良いレベルの試合を見せてくれました」
 
――長谷部キャプテンについて。それから次の試合のメンバーについても教えてください。
 
「長谷部(がキャプテンを務めたこと)は論理的だと思っています。彼は多くの試合を代表でこなし、経験もあります。ただしキャプテンが決まったわけではありません。キャプテンになる資格がある者を指名したいと思っています。それは、ベンチにいようが模範になれる人物。そして、試合のなかで私の右腕となってくれる人ですね。
 
 この決断、キャプテンを誰にするかというのは時間が必要です。おそらく何人かの選手が、ここのキャプテンになってくれるんじゃないかなと思っています。私にとっては、これは大きな問題ではありません。
 
 次の試合のことですが、また新しい選手がプレーします。と言っても、勝利を手にしたい。おそらくほぼ全員がチャンスを握れるかなと思っています。まだ2試合目で誰をプレーさせるかは決めていませんが、出番のなかったほとんどの人がプレーするでしょう。
 
 もちろん、そうするリスクはあると思います。ただ、様々な情報が欲しいので、この考え方、モチベーションをキープしたい。そうすれば、新しい日本代表が生まれると思っています。
 
 新しい野心をさらに持って、そして、さらに勇気を持って進みますが、まだ始まったばかりです。(これから先に)失望があるかもしれません。しかし、私は皆さんに道を見せました。これを受け入れてほしいと思っています。それが日本代表にとって、そして日本の国民の皆さんにとって、良い道になると思っています。
 
 世界ではなにがハイレベルかを私は知っています。そこまで持って行きたいと思っています。この選手たちと仕事をするのが、本当に嬉しいです。ホテルの中での行動、それからグラウンド上での行動を見て、素晴らしい選手たちだと思っています。彼らのことを信頼しています。私は後ろから彼らを勇気づけたいと思います。そして、これからも厳しく要求していきます」