チュニジア戦は永井、宇佐美らフレッシュな先発? 若手積極活用でタテに速いサッカーを

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文=元川悦子

 ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督の初陣となるチュニジア戦(大分)が迫ってきた。23日から事前合宿に入っていた新生・日本代表は試合前日の26日夕方、決戦の地となる大分スポーツ公園総合競技場で17時半から公式練習を行った。

 体調不良で前日のトレーニングを欠席した乾貴士(フランクフルト)はこの日もホテルで静養となったが、左足首負傷の大迫勇也(ケルン)は復帰。総勢28人の選手たちが約1時間20分の練習をメディア公開の中、アグレッシブに取り組んだ。

 通常より長い約8分間の青空ミーティングを経て、ランニング、ヴォーミングアップという流れでトレーニングが進んでいくのは24、25日と全く同じだった。その後はタテに速い攻撃を意識したパスワークの確認、ハーフコートに4つのミニゴールを置いた12対12+4人のGKというゲーム形式のメニューが盛り込まれた。

 この練習では24人のフィールドプレーヤーが2組に分けられた。赤ビブス組は酒井宏樹(ハノーファー)、昌子源(鹿島)、槙野智章(浦和レッズ)、酒井高徳(シュトゥットガルト)が最終ラインを形成。水本裕貴(サンフレッチェ広島)、今野泰幸(ガンバ大阪)、山口蛍(セレッソ大阪)がバランスを取りながらボランチの位置に陣取った。右FWには永井謙佑(名古屋グランパス)、左MFには宇佐美貴史(G大阪)、トップ下の位置には香川真司(ドルトムント)が入り、FWは岡崎慎司(マインツ)と大迫勇也(ケルン)の2人がスペースを埋めながらプレーする形を取った。

 一方の白組は内田篤人(シャルケ)、吉田麻也(サウサンプトン)、森重真人、太田宏介(ともにFC東京)が最終ラインに並び、中盤は青山敏弘(広島)、藤春廣輝(G大阪)、長谷部誠(フランクフルト)、柴崎岳(鹿島アントラーズ)がバランスを見ながらプレー。前線は右FWに本田圭佑(ミラン)、左MFに武藤嘉紀(FC東京)、トップ下に清武弘嗣(ハノーファー)、トップに川又堅碁(名古屋)という攻撃陣が陣取った。チュニジア戦のスタメンがこの組み合わせ通りというわけではないだろうが、新体制で選手個々が起用されるポジションや方向性はほぼ明らかになったと言っていい。

 ハリルホジッチ新監督は「明日は新しい選手、これまで沢山プレーしていない選手をプレーさせたい」と記者会見で語っており、永井、宇佐美、昌子らフレッシュな面々が数多く入っていた赤ビブス組がチュニジア戦スタメンのベースになる可能性は少なからずある。宇佐美は「コンディションは大丈夫。監督からつねに国を背負って戦える選手のメンタリティでいてほしいと言われた」と念願の代表デビューに向けてモチベーションを高めていた。

 永井も25日の練習後に「守備からリズムを作るタイプですし、そこから取ってチャンスになることも多いし、全然守備するのは、追っかけて相手があたふたするのも好きだし」と笑顔で語るなど、絶対的な武器であるスピードを前面に押し出す考えだ。昌子にしても、1月のアジアカップで出場なしに終わった後「サッカーは出ないと面白くないですし、ただ見て、祈って、勝つか負けるかっていうよりは、やっぱ自分が出て勝敗を体験したいですし、そう考えるとすごい苦い思いが残った」と内に秘めた悔しさを吐露しており、初キャップに賭ける思いはひときわ強いはずだ。

 こうした新戦力が新指揮官の言うタテへのスピード、球際や寄せの激しさを印象付けられれば、日本代表も前向きな変化を見せるはず。宇佐美に関しては走力や守備力で劣る分、周りにいるであろう岡崎や香川、山口らのサポートを受ける場面が増えそうだが、その分、攻撃面で怪物ぶりを遺憾なく見せつければ第一歩としてはOKではないか。

 宇佐美、永井らFW陣7人はゲーム終了後、ハリルホジッチ監督から直々にシュート練習のアドバイスを受けていた。その成果をゴールという結果で示してくれれば最高だ。そういうポジティブな新チームの船出を強く期待したい。