ストライカーは強調した。27日に行われるAFC U-23選手権予選(リオ五輪アジア一次予選)の初戦マカオ戦に向けて、前日練習を行ったU-22日本代表のFW浅野拓磨は、取材エリアで何度も同じ言葉を口にした。それが「チームのために」という言葉だった。

 前日練習は試合が行われるシャーアラム・スタジアムで実施されたため、浅野も「マレーシアに来てから、一番いいグラウンドですね」と笑顔を見せた。「スタジアムの雰囲気も分かったし、感覚もつかめたと思います」といい準備ができたと語ると、「今までの練習で使ってきたグラウンドよりもボールが走るので、自分たちの能力をより生かせるグラウンドだと思いますね」と日本にとってもピッチが味方になるだろうとしている。

 記者席で温度計が40度を指すなど、暑さは大きな敵となりそうだ。「マジでヤバいっす。本当に暑いっすね」と、浅野もあまりの暑さに苦笑したものの、「でも、暑い中でのゲームの進め方もありますし、逆に涼しくなってきたらどう戦うかというのを、チームとして考えながらやっていければいい」と話し、暑い中ではボールをしっかりつないで正確なプレーをしていこうと考えている。

 そして、そんな環境の中でも自分の良さを発揮していこうと意気込みを示した。「僕の特長でもあるスピードとかは、暑さに関係なく出していきたいし…」。そして、その後に続いた言葉が、「チームのためにプレーしたいと思います」という言葉だった。

 浅野は短い取材時間の間に、何度も「チームのために」という言葉を使っている。スピードを生かすのも、求められている得点を奪うのも、すべてはチームのため、そして勝利のためだ。中1日で行われる過酷な予選。浅野には暑さも吹き飛ばすようなプレーで、チームに勝利をもたらそうとする覚悟があった。

(取材・文 折戸岳彦)