始動初日から独自のカラーを打ち出しているハリルホジッチ監督。厳格な指導スタイルは、日本代表の選手たちにとって刺激になっているようだ。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 ハリルホジッチ新体制となった日本代表は、チュニジア戦(27日/大分)、ウズベキスタン戦(31日/東京)の2連戦に向けて、3月23日から大分市内で合宿をスタート。新監督は初練習から独自色を打ち出し、既存の枠にとらわれない手法でチーム改革に着手している。

【日本代表PHOTO】ハリルホジッチ新体制が始動!
 
 始動初日、注目の初練習は約25分のランニングだけで切り上げた。大半の選手が前日の22日に所属クラブで試合に出場したとはいえ、異例の短さだった。
 
 1周約350メートルのピッチを11周走るメニューで、指揮官自身が最初は先頭に立ってチームを引っ張った。5周目で集団から脱落したが、選手より1周少ない10周を走ってフィニッシュ。一体感を重視するため、このランニングにはコーチ陣、通訳らスタッフも参加させた。
 
 練習前には全員を集めて訓示を行ない、「あなたたちは、まだまだ強くなれる。そのためにやることは沢山ある」と鼓舞。「普段は友だちのようでいいが、やることはしっかりやろう。どんどん話し合っていこう」と対話の重要性を訴えた。
 
 2日目は冒頭15分間を除き非公開にして、守備の戦術練習を実施した。練習前にはメニューが記されたノートと照らし合わせながら、メジャーを使い、計100個近くもあるマーカー、コーンの距離を数センチ単位までチェック。選手の距離感を身体に覚え込ませるため、各選手にロープを持たせて一定の距離を保ったまま移動させるユニークな手法も取り入れた。
 
 練習前のミーティングでは、昨夏のワールドカップや1月のアジアカップなど日本代表の失点シーンを集めた約10分間の映像を流した。指揮官は相手のボールホルダーに寄せる距離が遠いことや、ゴール前で簡単にマークを外していることなど、失点場面に共通するミスを羅列してダメ出しを連発。長谷部は「短い期間で僕たちの問題点を、しっかりと捉えていることに正直驚いた」と感心しきりだった。
 
 3日目は攻撃の練習を行なった。速攻、3人目の動きをテーマに、ボールを奪ってからシュートまでの形を何度も繰り返している。
 
 練習前のミーティングでは、現代サッカーではパスの本数が少ない速攻からの得点の確率が高いというデータを提示。「日本の弱い部分は、カウンターが少ないこと。試合を決める最後のスペースで攻守ともに物足りない」と指摘した。
 
 ピッチ外にもメスを入れた。
 
 食事はザッケローニ体制下などでは指定時間内に済ませれば良かったが、ハリルホジッチ監督は朝食は午前9時、昼食は午後1時から全員が揃って食べ、テーブルも従来の円卓から全員の顔が見える長机に変更。気分転換の散歩は例外として認めるが、基本的に外出禁止にするなど、徹底管理する方針を打ち出した。
 
 合宿中はチーム、ポジション別などのグループ、個人などに分けて、連日ミーティングを実施。槙野は「非常に細かいが、指示は分かりやすい」と説明した。緻密で厳しいが、3日間の練習を終えた時点では、選手、スタッフの評判は上々。”東欧の魔術師”と称される手腕を垣間見せている。