3月27日にAFC U-23選手権予選(リオ五輪アジア1次予選)初戦を迎える手倉森誠監督率いるU-22日本代表。最前線でゴールを狙うストライカーのFW鈴木武蔵(新潟)、背番号10を背負い攻撃をけん引するMF中島翔哉(FC東京)、最終ラインの要として君臨するDF岩波拓也(神戸)と、同チームの主軸を担う3選手の鼎談が実現した。後編となる今回は、6大会連続での出場を目指す、リオ五輪への熱い思いを語り合った。

――3月11日に行われたU-22ミャンマー代表戦(○9-0)では鈴木選手と中島選手が4点ずつ、そして岩波選手が1点と3選手ともゴールを記録しました。試合を振り返っての感想はいかがですか。

岩波「点が入ることはもちろん良かったですし、勝てたこともすごく良かったです。ただ、自分たちはあの相手に勝つためにサッカーをしているわけではありません。もっとレベルの高い相手と対戦することを考えるとミスが多かったし、もっと完璧な試合ができないといけないと感じました。反省すべき部分も多かったですが、ああいう試合では前線の選手がたくさん点を取って目立つべきだし、そういう意味では武蔵と翔哉が4点ずつ取ってくれて、これから始まるU-23選手権予選にいい形で入れるのかなと思います」

鈴木「得点シーンはいろいろな形からゴールを奪えたので良かったと思いますが、僕を含めてミスが多かったですね。自分たち的にはもっとできた、もっと相手を圧倒できたという印象があります」

中島「たしかにミスが普段よりも多かったよね。ああやってポンポン点が入ってしまうと難しい部分もあるけれど、それでも自分たちで試合をもっとコントロールしなければいけなかった。U-23選手権予選でもそういう展開が増えるかもしれないので、そこに向けて皆で話し合いながら修正していかないといけないと感じています」

――鈴木選手と中島選手は4点ずつを記録しましたが、試合中に「自分も負けられない」「あいつより多くゴールを取りたい」という気持ちになるものですか。

中島「それは、まったくないです」

鈴木「試合中にそういう意識はないよね」

中島「ライバル意識はありますが、武蔵の良さを自分が活かさなければいけないですし、武蔵の良さを活かすことで自分が活きることにつながるので、どうすればお互いがプレーしやすいのかを意識しています。人を活かすプレーはあまり得意ではありませんが、そういうプレーをもっと増やしていかないといけないと思っています」

――代表選手の気持ちは代表に入らないと感じられないものですが、代表選手としてプレーできる喜びを教えて下さい。

中島「日本を代表するのは特別なことです。そして、よりサッカーを楽しめる材料になると思っています。代表戦はとても楽しみだし、相手のレベルが上がれば上がるほど、楽しみは増えていくと思っています」

鈴木「代表はものすごく期待されていると感じるし、その期待が大きい分、試合に勝ったときの、そしてゴールを決めたときの喜びは言葉にならないくらいのものですね」

岩波「リーグ戦があり、代表戦があり、そしてすぐにリーグ戦がありと、周りから見るとハードスケジュールと思われることもありますが、それをこなすことも代表に呼ばれなければできないことです。A代表の海外組の選手も代表戦を戦った後、日本から帰ってすぐに試合をする選手もいるので、ハードスケジュールをこなすことが、代表に入っていることを感じられる部分でもあります。試合をいっぱいこなすことで、もっともっと自分がうまくなれるとも思っているので、これからも代表に呼ばれ続けたいですね」

――日本はアトランタ五輪から5大会連続で五輪出場を果たしています。連続で出場していることにプレッシャーを感じることはありますか。

鈴木「それは、もちろんあります。5大会連続で出場していることで、『本大会に出場して当たり前』と周囲は思っているはずです。だからこそ、当然のように期待するだろうし、自分たちも必ず出場しなければいけない大会だと思っています」

中島「プレッシャーは多少ありますが、そのプレッシャーも含めてしっかりと楽しめればと思っています。自分はそういうスタンスの方が、いいプレーができるので。もちろん日本代表は特別な場所ですが、自分の能力を発揮するには、いつもどおりに楽しむという心構えも大事だと思っています」

岩波「2人が話したように、プレッシャーはありますし、今までホームアンドアウェイでやっていた予選が、一つの場所で集中開催されることで難しさもあると思います。ただ、難しい部分もあるとは思いますが、良い形で予選を突破して本大会に行きたい気持ちの方が強いですね」

――27日からはU-23選手権予選が始まります。改めてリオ五輪への思いを教えてください。

鈴木「新潟でプロ1年目のときに、チームメイトだった鈴木大輔くん(現柏)がロンドン五輪の舞台に立っていて、ものすごく輝いて見えました。すごい雰囲気の中でプレーしていたし、すごい相手と対戦していたので、自分もその舞台に立ちたいと強く思うようになりました。その舞台を経験した大輔くんが、一回り大きくなって帰ってきたのを感じているので、自分も必ずその舞台に立ちたいです」

中島「出場できたら、自分にとってプラスしかないと思っています。対戦相手のレベルも高いですし、高いレベルの試合を経験しなければ得られないものもあります。ゲームスピードの速さや海外選手の能力などを体感することで、得られるものが必ずあるはずです。サッカー選手なら誰でもその舞台に立ちたいですし、そこで活躍できれば注目も浴びると思います。自分は将来、海外でプレーしたいので、五輪で活躍すれば新しい道が開けてくると分かっています。だからこそ、まずは一次予選を勝ち抜いて、必ず本大会に出場したいです」

岩波「11年にメキシコで行われたU-17W杯に出場して、すごく良い経験ができました。マリノスに加入したアデミウソンも出場していましたが、彼のようなトップクラスの選手と対戦できることは大きな経験になるし、逆に12年のU-19選手権でベスト8で敗れて13年のU-20W杯に出場できなかったのは、自分のキャリアにおいても、ものすごくもったいなかったことだと感じています。世界のレベルを体感することで自分の経験値もすごく上がりますからね。アジアのレベルは上がっていると思いますが、必ず予選を突破して本大会に出場したい。そして、前回のロンドン五輪の4位を上回るためには、リオ五輪でメダルを取るしかないと思っています」

――マレーシアで行われるU-23選手権予選は猛暑の中での試合が予想されます。中島選手が着ている「climachill」は、背中上部に配置されているアイスドットが冷感をもたらすようですが着心地はいかかですか。

中島「首筋がひんやりしているので、暑いときには良さそうですね。暑い時期は芝の照り返しがあり全身が熱く感じますが、首を冷やすだけでも全然動きが違ってきます。今までは水を掛けて冷やしていましたが、このウェアは水がなくても首を冷やしてくれるので、水を掛ける手間が省けていいですね」

――見た目の印象はどうですか。

「人それぞれ好みはあると思いますが、自分はトレーニングをするのに派手なカラーは必要ないかなと思っていて、シンプルな方がいいですね。だから黒を基調とした、このウェアは好きです。黒だと熱を吸収しそうですが、首から背中全体を冷やしてくれるclimachillのおかげで気にならないと思います」

(取材・文 折戸岳彦)