強迫性障害を抱える人の中には、パンを素手で食べられない人もいるという

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「兵庫県淡路島の事件を見ていると、(5人を殺害した容疑者の40歳男性は)僕と経歴の似ている部分があります」

 そう明かすのは、地方の小さな街に住む30歳代後半のAさん。

 人目を避けるようにしてやってきたAさんとは、その地方では比較的大きなターミナルの近くにある、カラオケボックスで待ち合わせて面会した。

 Aさんは社会とつながりがないばかりか、家庭でも母親以外とは会話がなく、自浄作用のない「機能不全家族」に苦しむ。それでも「家族」という枠組みだけは維持している。

 小学生の頃に受けたいじめをきっかけに不登校になり、30年近く、実家で引きこもり状態が続いている。

 外出するのは、週に1度、日用品を買い出しに行くときくらい。食事は、親が作ったものをみんなで食べる。

 ずっと後になって、「強迫性障害(強迫神経症)」あるいは「うつ」と診断された。

 ひどいときには、半日ほど入浴し続けることもある。

 そんなAさんは、淡路島の事件の後、周囲の目を気にして、「自分のことが連想されてしまうのではないか」と脅える。

「ただ、僕が抱えている強迫性障害には、幻聴幻覚の症状はありませんし、他人に危害を加えられるという妄想がある病気ではありません。僕自身も家族、他人両方含め、犯罪をする気もまったくないです」

いじめ、両親・姉との不仲…
機能不全に陥った家族の実態

 不登校になったのは、小学校時代のいじめがきっかけだった。

「死ね」などと、クラスメートから罵られた。

 家族は把握していたが、何も助けてくれなかった。

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