相次ぐ攻撃陣の離脱で存在価値を高めたい宇佐美、永井、川又

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文=元川悦子

 23日から大分市内で本格始動しているヴァイッド・ハリルホジッチ新監督率いる新生・日本代表。合宿3日目の25日は大迫勇也(ケルン)が左足首負傷、乾貴士(フランクフルト)が体調不良と攻撃陣が揃って欠席。今回は総勢27人で17時半から2時間弱の非公開練習を実施した。

 前日同様、センターサークルに全員が集まって5分間の青空ミーティングを行ってから練習がスタート。ランニングからウォーミングアップに移ったところで報道陣が締め出された。24日は守備の戦術確認に重きを置いた指揮官だが、この日は攻撃面にフォーカスした模様。2014年ブラジル・ワールドカップや今年1月のアジアカップ(オーストラリア)でも、日本代表はボール支配をする割に相手を脅威に陥れる決定的な攻撃の形をあまり作れていなかった。この大きな課題を踏まえて、この日はタテに速い仕掛けを確認する時間が長かったようだ。

 ハリルホジッチ監督は今回のシリーズに向けて9人のFWを招集していた。だが、小林悠(川崎)の負傷辞退を皮切りに、興梠慎三(浦和)が首痛で2日目に離脱。さらには大迫、乾も練習を回避するなど、FW陣の人材不足が顕著になってきた。川又堅碁(名古屋)が追加招集されたことで、27日のチュニジア戦(大分)に出場できそうなのは、本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(マインツ)、武藤嘉紀(FC東京)、宇佐美貴史(G大阪)、永井謙佑(名古屋)と川又の6人ということになる。このうちハビエル・アギーレ監督時代にはいなかった永井や川又、宇佐美はいずれもスピードに特徴を持つ選手。彼らを生かしながら、日本代表がスピーディーな攻めを増やす可能性は大いにありそうだ。

 永井は「代表で生き残るために自分のストロングポイントを出すことが大事。それはタテの速さ」と自分の武器をズバリ語っていた。宇佐美は「自分のストロングポイントがどれか1つというわけでもないですし、それ以外にもいろいろとこなせる部分は多いと思っているので、全体的によさを出していきながらやれればいいかな」とオールラウンドな能力でポジションをつかんでいきたいと話していた。川又にしても身体能力には絶対の自信がある選手。「今年は昨年果たせなかった代表定着のために勝負を賭けたい」と前々から強調していただけに、フィジカル面の優位性を前面に押し出していくはずだ。「奪った後のボールを速くタテにつけるのは非常に有効。永井のことはもちろん知っているし、堅碁のことはこれから知らなきゃいけないですけど、スピードがある選手が揃っているので、そこを使いながらの速攻はありますね。もちろん遅攻も織り交ぜながらいろんなバリエーションを出していきたい」と最終ラインからパス出し役を担う吉田麻也(サウサンプトン)もスピーディーな展開をより意識していくという。

 ハリルホジッチ監督もその形をより多く求めているのは間違いない。新たに抜擢したフレッシュなFW陣がその担い手になってくれれば、日本代表も活性化されるはず。彼らにとっても今回の2連戦は存在価値を高める絶好のチャンスだ。