3月27日にAFC U-23選手権2016予選(リオ五輪アジア1次予選)初戦を迎える手倉森誠監督率いるU-22日本代表。最前線でゴールを狙うストライカーのFW鈴木武蔵(新潟)、背番号10を背負い攻撃をけん引するMF中島翔哉(FC東京)、最終ラインの要として君臨するDF岩波拓也(神戸)と、同チームの主軸を担う3選手の鼎談が実現した。前編となる今回は、世代別代表で長年ともにプレーしてきた間柄だからこそ知る、ピッチ内外でのお互いのことを語り合った。

――世代別代表で長くプレーしている3選手ですが、プライベートでも仲が良いのですか。

岩波「僕はチームメイトの誰とでも話しますし、もちろん武蔵と翔哉とも仲が良いですね。ただ、普通に話はしますけれど、ユース代表のときみたいに部屋に集まって何かするというのは減りましたね」

中島「食事のときに話す感じだよね」

岩波「普段は仲が良いですけれど、プロになったことで、練習後はそれぞれの過ごし方があるという感じです」

――U-22日本代表の中で、ピッチ外で自分はどういう立ち位置にいると思いますか。

岩波「僕はあまり年齢を気にしないので、誰にでも何でも言えるタイプです。U-22日本代表のチームメイトは結構静かなタイプが多いので、盛り上げる意味もあって、食事のときでも誰彼構わずいじりまくっています」

鈴木「拓は本当に年齢が関係ないくらい、周りをいじってるよね」

岩波「それで、皆の良さを出してあげています」

鈴木「上から目線(笑)。僕は拓からも、翔哉からもいじられますね。結構、ハードないじりもされていますよ(笑)。翔哉はプライベートでもストイックだよね。11年にメキシコで行われたU-17W杯のときに、よく翔哉の部屋に行っていましたが、いつも小さなボールでサッカーをしていて、同部屋の選手と1対1をしているんですよ。それが印象的ですね」

中島「サッカーのことを考えていることが多いから。もっと、うまくなりたいし、やることがまだまだたくさんある。だから、あまり休んでいないです」

岩波「…いや、休みは大事だと思うよ(笑)」

鈴木「僕もオフをもらったら、オフはとりあえず休むようにしてる(笑)」

岩波「この間のU-22ミャンマー代表戦(3月11日○9-0)の前も、部屋に何人かで集まっていたら、隣の壁から『ドンドン』という音が聞こえてきて、翔哉がまたボールを蹴ってるんやろうなと思っていました」

中島「ボールを蹴っていたね(笑)」

岩波「それ、普通にうるさいので、やめてほしいです(笑)」

――お互いを紹介してもらえますか。

岩波「武蔵は皆から人気がありますね。誰からも好かれるタイプで、キャラもすごく良いし、皆からとにかくいじられる人気者です」

中島「いつも人が集まっていますね。明るいし、うらやましいです」

鈴木「楽しくいるのが好きだから、ありがたいです。さっきも言いましたが、翔哉はストイック。それとオフのときに何をしているのかが謎ですね」

岩波「翔哉のプライベートには僕らが入れない(笑)。本当に、何をしているのか分からない。とりあえずサッカーをしているんだろうなという印象はありますが、普段遊んでいるのかと逆に心配になります」

中島「休むときはちゃんと休んでいるけれど、まったく遊んでいないかな」

鈴木「拓は先輩後輩関係なくグイグイ行けるのがいいところだよね。先輩からしたら急にグイグイ来られたら嫌な人もいるだろうけど、それでも拓はそれを笑いに変えてくれるので、そこで笑いが起きます」

岩波「2歳上くらいまでなら、同学年だと思っているので(笑)」

――次はピッチ上に話を移し、鈴木選手と中島選手から見て、対戦相手になったときの岩波選手の嫌だと感じる部分を教えて下さい。

鈴木「拓はビルドアップが本当にうまいと思います。それと、プレーの予測もすごくうまく、最終ラインの裏へのボールへの反応が早いんですよ。対戦相手としてはすごく嫌な選手ですね」

中島「ヘディングが強いし、ゴール前で体を張ってのシュートブロックもうまい。あとはパスがうまいので、僕らが守備をするときに面倒な相手です(笑)。本当に嫌なところにパスを通してくるんですよ」

――U-22日本代表としてプレーするとき、岩波選手がボールを持ったときにはどういう動きを意識していますか。

中島「武蔵の動きによっても違いますが、相手ディフェンスの前でボールを受けることが多いので、そこのスペースを探してフリーになれるように心掛けています。フリーになれば、浮いたボールでもグラウンダーのボールでも通してくれるので、すごくやりやすいです」

鈴木「拓は真っ直ぐのボールも曲げるボールも蹴れるので、どこに走っても良いボールをもらえるという信頼感があるよね」

――U-22ミャンマー代表戦でも岩波選手から2人にロングボールが入っていましたが、後ろから2人の動きは意識していますか。

岩波「武蔵は足が速いのでディフェンスの背後に走ってもらえれば、良いボールを出せるといつも試合前に話をしています。翔哉は間でボールを受けるのがすごくうまいので、いつもディフェンスの間にいるようにしてもらっています。だから、僕はボールを持ったら、最前線の武蔵はもちろんですが、翔哉の位置をいつも確認しています」

――岩波選手から見て2人の嫌な部分は?

岩波「武蔵は身体能力がすごく高いし、裏に抜ける動きがうまく、シュートも良いですよね。僕はスピードのあるタイプがあまり好きではないので、少しやりづらさはありますが、去年の神戸と新潟の対戦では両方とも武蔵を完封しているので、まだまだ怖くないかなと(笑)」

鈴木「まだまだですね(笑)」

岩波「僕くらいなら軽くかわせる、もっと怖い選手になってほしいですね(笑)。翔哉はシュートの意識がすごく高いし、自分がボールを受けたらドリブルやパスで確実にゴールまで行ける力があります。対戦相手としてだったら絶対につぶさないといけないし、一番強くプレスに行くべき場所だと思います。攻撃の起点になれるので、絶対に誰かしらがマークにつかないといけない選手です」

中島「普段、こういう話をしないよね(笑)」

岩波「しないね(笑)。でも、皆の特長は良いところも悪いところも理解しているから、それはこのチームの良い部分だと思っています」

――今回、中島選手が『climachill』、鈴木選手と岩波選手が『rengi』を着ています。『rengi』には姿勢制御バンドが搭載されていますが、着心地はいかがですか。

岩波「このウェアを着ると背筋がビシッとなるのがいいですね。僕は結構、猫背なのですが、それがすごく嫌なんですよ。周囲の人からも姿勢のことを言われるので、これを着れば猫背も直るかなと思います」

鈴木「肩が開くというか引っ張られる感じだよね。僕も猫背だから姿勢を意識しているけど、これを着ると姿勢が良くなります」

――姿勢が良くなると、良いプレーができるものですか。

岩波「姿勢が悪ければ、走るにしても最初の一歩目が遅くなると言われているので、なるべく姿勢を良くしようというのは意識しています。『rengi』を着ていると自然と顔も上がるし、視野も広くなると思います」

鈴木「僕も姿勢が悪いとどういうことに影響があるのかなと思っていたけど、実際に相手とぶつかったときにバランスを崩しやすいことがありました。プレーをするのに悪影響があったので、姿勢を直したいと思っていたし、『rengi』を着ていれば良い姿勢でのプレーが可能だと感じています」

※後編は明日(3月26日)掲載予定

(取材・文 折戸岳彦)