人事評価システム・運用支援を専門とする株式会社あしたのチームでは、人事に関するインターネット調査を実施した。前回、中小企業における人事の実態を把握するため、従業員300名未満の会社で、人事採用・評価に携わっている会社経営者・役員もしくは人事担当者(有効回答数400人)、そして実際に評価を受ける側の従業員(有効回答数400人)の男女20歳〜69歳に対して、人事に関するアンケート調査を行なった。調査の結果、評価者の7割以上が「人事評価や制度の見直しが必要だと思う」と回答していることがわかった。

■評価者目線での人事評価制度の実態

人事に関するインターネット調査

◎満足度について
 人事評価について部下が満足しているかどうかという質問にたいし、評価者は「満足している」と回答した人が全体で、6.3%とわずかとなった。「やや満足している」と回答した38.8%を合わせると45.1%と半数に満たない結果となっている。

人事に関するインターネット調査

 前回、行った調査から、人事評価を導入・検討する立場の経営者・人事担当者、実際に評価を下す評価者の思っている従業員の満足度は、実際に評価を受ける従業員の満足度と大きな差が表れている。
 人事評価に関して部下から不満の声が「ある」と回答した人が64.3%と半数を超える結果となった。しかし、前回調査と並べてみると、従業員は上司に対し人事評価に対する不満を伝えたことが「ない」と回答した人が74.3%となっている。

 部下としては不満を言うことが逆に自分の評価が下がることを懸念しているのか、上司は部下の不満を汲み取ろうとした結果の表れか、どちらにせよ上司と部下との間に認識の違いが大きく開いていることが明らかになった。

◎評価の悩み

人事に関するインターネット調査
 人事評価を行う際に悩んだり、困ったりすることが「ある」と回答した人は74.8%となった。多くの人が人事評価の際に悩んだり、困ったりしている事が明らかになった。前回調査では、会社経営者・人事担当者は人事評価の際に悩んだり、困ったりすることが「ある」と回答した人は64.8%となった。従業員と共に従事し、評価される側でもある中間管理職の評価者は、経営者・人事担当者よりも更に悩んだり困ったりしていることがわかった。

人事に関するインターネット調査

 人事評価を行う際に、実際、どのようなことで悩んだり、困ったりするのかを聞くと、最も多い回答は「目標設定があいまいなため、評価を下しづらい」52.5%となった。半数以上の方が悩んでいることが明らかに。

 次いで、「評価基準があいまいなためフィードバックを的確に行えない」が43.1%、「評価と報酬の関連性がもてていないと感じている」が38.8%となった。評価を行う前段階である目標設定の時点で問題が生じているようだ。

◎人事評価制度の見直し
あなたの会社では、人事評価の見直しが必要だと思うかと聞いた結果。

【必要があると思う】と回答した人の理由
・もっと給与に反映しないと。上がり幅が厳しい(男性 27歳)
・不満が多い。公平性に欠ける(男性 28歳)
・頑張っている人を正しく評価したい(女性 30歳)
・部下へのフィードバックがしっかりされてない(男性 31歳)
・評価内容と本人の評価のギャップがあり、その差がわかりにくい(男性 38歳)
・人事評価はあるが、それが給与査定にあまり反映されずに結果的には年功序列の空気も残されている(男性 40歳)
・人事評価の仕組みが分かりづらく、しかも評価が偏っているから(女性 41歳)
・評価のやり方と組織の仕事の特性があっていないと感じる(男性 42歳)
・制度はあるが役員の先入観だけで最終評価が決定されており、人事評価制度が完全に形骸化されている(男性 43歳)
・今一つ客観性に欠けていると思われる。成果に対しての数値化が不十分に思われるため(男性 45歳)
・社長の好みや考えだけで、役職査定が決まっていくような会社だから(男性 45歳)
・制度を作ったのが10年前で、時代も変わってきているので、新しいものも取り込んでいくべきだと思う(男性 47歳)
・基準がないため、何人かを評価する際に年齢や性別も含めて悩むことが毎回あるので、判断の手助けになるものは私には必要です(女性 49歳)
・会社の規模も小さいので適正な評価制度が確立されていない(男性 49歳)
・毎年少しずつブラッシュアップないしは、実態に合った内容にする必要があると思うから(男性 52歳)
・抽象的な評価内容があり、評価者によって解釈が異なる場合がある。また昇格に関する職能要件も煮詰まっておらず、管理者の力量不足が目立つ(男性 59歳)

【不必要だと思う】と回答した人の理由】
・現状で問題を感じることはないから(男性 29歳)
・見直しをしても変わらない(男性 32歳)
・他の案がない(男性 34歳)
・どのように見直しても不満はあるもの。ある程度、トップダウンで指示があった方がよいから(男性 38歳)
・基本、不満の声が上がったら話し合うようにしているのでそれまでは良いと思っている(男性 38歳)
・見直しに時間がかかるので(男性 41歳)
・あまり大きな影響はないから(女性 41歳)
・人数が少ないので今のままで問題ない(男性 43歳)
・会社の規則だから(男性 45歳)
・今で十分(男性 46歳)
・不満をもっているのは一部の部下だから(男性 51歳)
・ある程度の不満はやむを得ないと思う(男性 54歳)
・私が決められる問題ではないので(男性 56歳)

◎今後の課題について

人事に関するインターネット調査
 人事評価を行う上で課題として感じている事をお聞きしたところ、最も多くの人が、課題に感じると回答したのは「給料や報酬の決定方法」で合計88.6%の方が課題に感じていることがわかった。次いで「部下の評価の結果に対する合意」77.3%、「フィードバックや部下を評価する時間が取れない」71.3%、「部下との関係性で贔屓が出てしまう」62.5%となっている。しかし、どの項目も半数以上の方が課題と感じていると回答した結果となっている。人事評価を行う評価者は複数のことに対し課題と感じているようだ。

■調査方法
・調査方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
・アイリサーチ登録モニターのうち、従業員300名未満の会社で、人事評価をする立場である男女20歳〜69歳を対象に実施
・有効回答数:400人
・調査実施日:2014年11月12日〜2014年11月14日