武藤は慶大卒業式から大分へ…「これからはサッカーに専念」と気を引き締める

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文=青山知雄

 FC東京の日本代表FW武藤嘉紀が23日、代表合宿初日と重なりながら、横浜市内で行われた慶應義塾大学の卒業式に出席。同大体育会に所属していない団体または個人を表彰する『小泉体育奨励賞』を受賞し、「いろいろな人と話したかったけど、賞を受けてそのまま退出してしまった」と、その足で代表合宿が行われる大分へ向かった。

 覚悟のハードスケジュールだった。前夜はアウェーのヴィッセル神戸戦にフル出場して1得点をマークし、その帰路で神戸から東京に戻る航空機が80分遅延するトラブルに見舞われたが、23日は午前中に大学の卒業式へ出席してから大分へ。チームメートの森重真人や権田修一と別れて一人で大分空港へ到着し、「大学へ行ったことは決して遠回りではなかったと思いますし、勉強とサッカーをどちらも一生懸命できたことは自分にとってもプラスになる。ここからはサッカー一筋でやっていくだけなので、気を引き締め直して、しっかりやっていかなければ」と4年間の大学生活に自らしっかりと区切りをつけた。

 日本代表ではヴァイッド・ハリルホジッチ新監督の就任で新しいポジション争いがスタートする。特に武藤とポジションが重なるアタッカー陣は、乾貴士(フランクフルト/ドイツ)らこれまでのメンバーに加えて、宇佐美貴史(ガンバ大阪)や永井謙佑(名古屋グランパス)らが招集されるなど強烈なライバルが揃う。武藤自身も「新しい体制でイチからのアピール合戦になる。チームのために勝ちたいのはもちろんですけど、個人的にもアピールできるようにしたい。攻守においてハードワークする部分は絶対的に求められるし、そこで自分の良さをアピールできれば」と定位置争いに強い意欲を見せる。

 昨シーズン開幕前、慶應義塾大在学中ながらFC東京とプロ契約を結び、一気に日本代表の主力選手へと駆け上がった。今シーズンは「得点王」を目標に掲げ、すでに3試合3得点を記録している。そこにはもはやルーキーイヤーの初々しさはなく、責任感と自覚を持ったエースの風格すら漂う。FC東京U−18からトップ昇格せず、自分で選んだ進学という自らの歩みを「遠回りではなかった」と改めて振り返る武藤。「サッカーに専念できる」と新たな一歩を踏み出した若武者が、自慢のドリブル突破と高い守備意識、そして球際の強さでハリルホジッチ新監督へのアピールを誓う。