イギョラ杯を制した流通経済大柏、「心・技・体」の充実が光る

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 19日に開幕した国際親善ユース大会「イギョラ杯」は21日、予選リーグで首位通過を果たした藤枝明誠、日大藤沢、FC東京U−18、流通経済大柏の4チームで決勝トーナメントが開催された。

 東京朝鮮グラウンドにて行われた準決勝はまず、藤枝明誠と日大藤沢が対戦した。前半は互いに決め手を欠いてスコアレスで終えたものの、後半は点の取り合いに発展。日大藤沢が相手のミス絡みから2点を先行すると、藤枝明誠もFW遠野大弥が終盤に2ゴールを挙げ、試合はPK戦に突入する。PK戦では日大藤沢のGK小菅陸が大活躍。藤枝明誠のキック2本をストップし、日大藤沢が決勝に駒を進めた。

 準決勝のもう1試合は、今季よりプレミアリーグEASTに参戦するFC東京U−18と、今冬の高校選手権でベスト4に入った流通経済大柏が激突。序盤からFC東京U−18が高い個人技でボールを支配し、流通経済大柏を自陣に押し込む展開となる。しかし、後半の途中からFC東京U−18の運動量が落ち始めると、流通経済大柏がここぞとばかりに反撃。54分には途中出場のFW木村稜斗が均衡を破り、結局これが決勝点。タフでしたたかな試合運びを見せた流通経済大柏が日大藤沢の相手に名乗りを上げた。

 3位決定戦と決勝の舞台は、味の素フィールド西が丘に移された。

 まずは、準決勝で惜敗した藤枝明誠とFC東京U−18の3位決定戦が行われた。試合は開始6分、藤枝明誠がCKの混戦からMF名和大聖が押し込み、幸先良く先制する。しかし、FC東京U−18も徐々にペースをつかみ、21分には左サイドからのクロスをMF城ヶ瀧友輝が頭で合わせ同点に追いつく。

 両者ともに大幅にメンバーを入れ替えた後半は、先に藤枝明誠がゴールチャンスを創出。54分、相手守備陣の裏に抜け出した途中出場のFW遠野大弥がGKとの一対一を制し、勝ち越しゴールをゲット。準決勝で2得点を挙げたストライカーが、再びチームを勢い付かせる。

 その後は藤枝明誠がFC東京U−18に対して前半のように攻撃の形を作らせず、2−1で勝利。強豪が集まる大会の中で、3位という好成績を残した。

 決勝のカードは日大藤沢と流通経済大柏。ともに今冬の高校選手権で4強入りを果たした実力校同士の対戦だけあって、決勝らしい“堅い試合”になると予想されたが、立ち上がりから意外な展開を迎えることとなった。

 開始2分、流通経済大柏のFW木村稜斗がこぼれ球を抜け目なく押し込むと、その2分後には再び木村が追加点をマーク。準決勝のFC東京U−18戦で決勝点を奪ったラッキーボーイが、早くも2点のリードをもたらす。

 日大藤沢も期待のFW住吉ジェラニレショーンにボールを集めるが、流通経済大柏のDF浜野駿吾を中心とする強固な守備陣を攻略できず、攻撃の糸口を見いだせない。

 逆に30分には、流通経済大柏のFW木村稜斗がまたもや相手守備陣の裏に抜け出し、難しい角度からのシュートをゴールマウスに収め、ハットトリックを達成。本人曰く「勢いに乗ると固め取りできるタイプ」と分析するとおり、その真骨頂を遺憾なく発揮する。

 3点をリードする流通経済柏は後半に入っても、気を緩めることはない。素早い出足で日大藤沢の攻撃の芽を摘み取るだけでなく、攻撃面でもさらに追加点を狙いにいくハングリーな姿勢を見せ付ける。

 決勝で本田監督に代わって流通経済大柏を指揮した齋藤礼音コーチはこう語る。「本田(裕一郎)監督は普段からメンタルの強さや人間性を重要視していますので、それがピッチでの結果にもつながると信じています」。さらに同コーチは、「前提として『勝負には絶対に勝たなくてはならない』という本田監督の揺るぎないコンセプトがチームに浸透しているんです」と続けた。

 3日間で5試合をこなす過密日程の中、一度も気持ちを切らすことなく、ハイパフォーマンスを保ち、最後まで足を止めなかった流通経済大柏。「心・技・体」を兼ね備えた千葉の強豪校は日大藤沢に3−0の完勝を収め、最高の形で第25回イギョラ杯を締めくくった。