ピクセルトラッキングは、決して珍しいものでもなければ禁じられているわけでもない。ただ、送られてきたメールを開いたときに、いまいる場所や使用しているデヴァイスを知らないうちに知られてしまうのは、気持ちのいいものではない。解決策のひとつとして、『Ugly Mail』という名のChrome用拡張機能を紹介しよう。

「「追跡」されているメールを特定する方法:『Ugly Mail』」の写真・リンク付きの記事はこちら

YeswareBananatagStreak。これら3社の企業名に覚えがなくとも、彼らのほうは、あなたのことをよく知っている。

どういうことか。あなたがあるクライアントから送られてきたメールを開いたとする。すると、いまいる場所、使用しているデヴァイス、リンクをクリックしたかどうかについて、知らないうちに(しかも同意しようがしまいが)、知られてしまっているのである。

こうした電子メール追跡は、想像以上に広がりをみせている。『Ugly Mail』というChromeの拡張版は、電子メールで“悪さをしている者”を知らせることができる。

Ugly Mailの製作者であるソニー・タリアガノフは、彼の友人が電子メール追跡サーヴィス『Streak』の話をしていたときに「ちょっとしたスクリプト」を書いてみようと思ったという。このサーヴィス向けのChrome拡張版は30万人以上のユーザーを獲得している。タリアガノフ氏はこの数字に仰天した。

「(Streakを使えば)ユーザーがいつ、どこで、どのようなデヴァイスを使って電子メールを閲覧したかを追跡できます」と、彼はわれわれに語ってくれた。「わたしもこれを試してみましたが、とても邪魔に感じました。だから誰がわたしの電子メールを実際に追跡しているかを見てみようと思ったのです」

Ugly Mailのアイデアが浮かんでから完成させるまでに、かかった時間はわずか数時間だったという。

それほど簡単にそれができた理由は、追跡手法が単純だから、だ。マーケター(や、その他“詮索”する者たち)は透明な1×1ピクセルの画像を電子メールにただ挿入するだけだ。電子メールが開封されると、その画像が情報の出所(時間、場所、使用デヴァイスなど)をサーヴァーにPING送信する。

こうした「ピクセルトラッキング」の手法は、長い歴史を経て確立された“慣行”であり、何ら違法ではない。例えばGoogleは、広告主向けにこのプロセスのためのサポートページを設けているほどだ。

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Ugly Mailの使い方はシンプルだ。インストールすると、Yesware、Bananatag、Streakが提供するサーヴィスによるトラッキング用ピクセルを含む電子メールを、特定する。特定されたメッセージに対して、受信トレイ内のメールタイトルの横に目の形をしたアイコンで表示され、メールをクリックすると送信元にアラートが送信される。タリアガノフ氏はわれわれに対し、Ugly MailはGmailアカウントやコンピューターからいかなるデータも蓄積、保存、転送しないと改めて強調した。

Ugly Mailをテストしたところ、実際に動作するようだ。しかし、限界もある。まず、Gmail用に設計されていること(Outlookユーザーには申し訳ない)、そしてChromeでしか利用できないことである。ただ、タリアガノフ氏によると、Firefox版・Safari版も準備しているという。

また、リサーチ好きなマーケターが多数いるなかにあって、Yesware、Bananatag、Streakの3社はピクセルトラッキングを提供している業者にすぎない。タリアガノフ氏によると、Ugly Mailは今後さらに多くの追跡サーヴィスを対象に加えるというが、その時期は明らにされていない。

ピクセルトラッキングをただ阻止するという対策以上のものをお望みであれば、『PixelBlock』という別のChrome用拡張機能を使えば、自動的に追跡を回避することができる。これは、Ugly Mailが現状をユーザーに知らせるという受動的な対応をしているのとは対照的である。

ピクセルトラッキングがいますぐになくなってしまうことはないだろう。そしてUgly Mailはこれを回避するには完璧な方法ではない。しかしわたしたちがマーケティング的陰謀に晒されているなかにあって、Ugly Mailは希望の光を提供してくれている。

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