忙しいと、トイレに立つのも忘れてしまいがち。気を付けたいところ。

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立ち上がった瞬間、ちょっと気が遠くなる感覚がする…そんな「立ちくらみ」の症状、ありませんか? 実は立ちくらみには意外な原因があるとのこと。総合診療のスペシャリスト・國松淳和先生に聞きました。

「ふらっとする、頭がぼーっとする、血の気が引く。こうした症状は表現の仕方も多彩なので、医者にかかっても聞き流されてしまいがちです。でも、病気を疑う前にまず考えたいのは、条件がいくつか揃うと生じる“立ちくらみ”の可能性。どんなシーンで症状が起こっているか再確認を」(國松先生)

立ちくらみは交感神経と副交感神経の自律神経のスイッチングが鈍くなっているときに起こることが多いという。たとえば、下のような3つのケースがその代表例。心当たりがある人は、日々のセルフケアで対処を。

■SCENE(1) 長時間トイレを我慢

膀胱を広げて尿を溜めるときには交感神経が、溜まった尿を一気に出すときに副交感神経が興奮する。その切り替え時に立ちくらみが。仕事が忙しすぎて、長時間トイレを我慢した後は注意。

■SCENE(2) お酒を飲んだ後に立ち上がる

アルコールは自律神経の働きを鈍らせる。さらに長時間座った姿勢から急に立ち上がることで、静脈の血流が滞り、脳に一瞬血液が送られなくなる。結果的に脳貧血のような状態に。

■SCENE(3) 炭水化物を一気に食べる

副交感神経が過剰になって一過性で血圧を保つのが難しくなるからという説と、脳からセロトニンという「安らぎ」をもたらす物質が出すぎて眠気が強くなるからという説がある。

これらを防ぐために、次のことに注意してみて。

【1】尿や便を必要以上にカラダに溜めない

トイレを我慢しない。便秘をしないような食生活を心がける。とにかく膀胱や腸に排泄物を溜め込んで、急激に排泄しないように。

【2】セカセカせずにスローライフを心がける

朝、ガバッとベッドから起き上がってすぐに行動を起こす。こうしたときにも脳貧血の状態になりやすい。何事もスローな動作で。

【3】食事もゆったりと。早食いは禁物

食べすぎや飲みすぎ、早食いも立ちくらみの原因に。特に、ご飯や麺などの炭水化物の一気食いは避けること。

イラスト・田中麻里子

※『anan』2015年3月25日号より 《anan編集部》