歴史に名を残す名投資家のエッセンスを日本株投資に活かす方法が満載の『伝説の名投資家12人に学ぶ儲けの鉄則』(ダイヤモンド社)

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投資家であり『伝説の名投資家12人に学ぶ儲けの鉄則――日本株で勝つためにすべきこと、してはいけないこと』の著書・小泉秀希さんに、ご自身の投資遍歴と本に登場する名投資家の生きざまや投資法についてうかがっています。4回目の今回はいよいよ「投資の神様」ウォーレン・バフェットです。その投資法とバフェット目線で選んだ日本株について語っていただきます。


*第1回 「名投資家のコラムを書いてから僕の投資成績は劇的に改善しました」『儲けの鉄則』著者に聞く、株で儲けるために最も重要な原則とは? はこちら

*第2回「株の価値には、資産面(PBR)と収益面(PER)から見た2つの側面がある」PBRとPERを日本株投資に活かす方法とは? はこちら

*第3回「5人の伴侶を選ぶつもり」で銘柄を選べ!? 投資の神様ウォーレン・バフェットの師匠、フィリップ・フィッシャーの投資哲学とは? はこちら

ザイ・オンライン編集部(以下、編集部) いよいよ“投資の神様”ウォーレン・バフェットの登場ですね。ベンジャミン・グレアムの「割安株投資」とフィリップ・フィッシャーの「成長株投資」、二人の投資の良いところを融合したのが、バフェット流の投資ということでした。

小泉秀希(以下、小泉) バフェットにについては文献資料も多く、今回の本でも最もページを割いて取り上げています。バフェットは、グレアムが人生二度目の経済的破綻に見舞われ、フィッシャーが証券アナリストとしてのキャリアを歩んだ直後に起こった「ウォール街大暴落」(1929年)の翌年、1930年に生まれました。

ウォーレン・バフェット(1930〜)

アルバイトで作った資金からスタートして一代で5兆円もの個人資産を築いた、史上最強と言われる投資家。筆頭株主でありCEO(最高経営責任者)も務めるバークシャー・ハサウェイ社を通じてさまざまな投資や買収を行っている。84歳になった今も第一線で活躍しており、その一挙手一投足に世界の金融関係者が注目している。


 少年の頃から計算が得意で商売に興味を持ち、アルバイトや簡単な商売をしてお小遣いを稼ぐような行動派の子供だったそうです。そして19歳の時にグレアムの『賢明なる投資家』を読んで本格的に投資にのめり込み、直接教わるためコロンビア大学のビジネススクールで学びます。卒業後は、証券会社勤務を経てグレアムの投資会社に入り彼のそばでみっちりと割安株投資のノウハウを深めていきます。

 1965年にバークシャー・ハサウェイ社を買収してからは同社の経営と、ファンドを解散した1969年以降は同社を通じての資金運用に集中しています。今年はバフェットがバークシャー社の経営権を握ってからちょうど50年になりますが、もし最初の年に同社の株を「1ドル」買っていたら、現在の評価額は7000ドルになっています。

編集部 なんと50年で資産7000倍ですか! すごすぎて目がくらみそうです。

小泉 バフェットの何がスゴイか言うと、運用成績が安定していることです。投資資金が数兆円になるまでは年20〜50%、平均して30%のパフォーマンスを出していました。運用資金がさらに大きくなってからはさすがにパフォーマンスは低下しましたが、それでも毎年平均10数%は続いています。50年間で運用成績が年間ベースでマイナスになったのは、たった2回だけだそうです。

編集部 年間の運用成績30%なら、個人投資家でも割といますよね。それどころか相場がいいときは300%くらいにしちゃう人もゴロゴロいます。

小泉 相場がいい時なら、そういうケースもあるでしょう。しかし、安定してそれだけのパフォーマンスを継続することがどれほどすごいことか。ちなみに年平均30%のペースで資産が増えると、10年で14倍、20年で200倍、30年で2600倍、40年で3万6000倍……となっていきます。

 しかも、世界中が狂乱したITバブルのときに、バフェットは「自分の理解できない事業には投資しない」とハイテク株には手を出さず、投資法は終始一貫ブレませんでした。そこが「投資の神様」と称されるゆえんです。

編集部 バフェットはどんな銘柄選びをしているんですか?

小泉 簡単に言うと「今後何十年も安定成長を続けそうな超優良企業を見つけ」「適正価格よりも大幅に割安な株価で買う」ということです。バフェットは投資人生の初期においてはグレアム流の割安株投資を中心に行っていましたが、徐々にフィッシャー流の成長株投資に軸足を移していきました。

 バフェットがこれまでに投資してきたのは、コカ・コーラ、アメリカン・エキスプレス、ジレット(現P&G)、ナイキ、ジョンソン&ジョンソン、マクドナルド、ヤム・ブランズ(「ケンタッキー・フライドチキン」や「ピザハット」の会社)、クラフトフーズ(「ナビスコ」や「オレオ」の会社)、ウォルト・ディズニー、アンハイザー・ブッシュ(ビールの「バドワイザー」の会社)、ハーシー・フーズ(チョコレートの「ハーシーズ」の会社)などです。

編集部 どれも知ってる会社ばかりです。

小泉 そうでしょう。誰でも知っている会社で、事業内容がわかりやすく、かつそれぞれの分野で「特権的な強み」を持っています。「特権的な強み」というのは、新規参入が難しいか、価格支配力があるか、その強みが何十年も続きそうか、需要の拡大余地があるか――などです。

 特権的な強みがあるかどうかは、財務的な数字で判断することも大切です。バフェットが選んだ特権的な強みを持つ企業を見分けるポイントは「過去10年安定して成長しており、その間の利益2倍程度になっている」「ROE15%以上」「売上高営業利益率10%以上」「有利子負債は5年分の純利益で返済できる」という点が挙げられます。

 バフェットもそうですが、伝説の投資家達が「割安」と「成長性」についてどういう考えを持っていたか、具体的にどんな基準で見ていたかについては、今回の著書『伝説の名投資家12人に学ぶ儲けの鉄則――日本株で勝つためにすべきこと、してはいけないこと』で、かなり踏み込んで書きました。

編集部 そういう銘柄をバフェットはいつも大底で大量に買っているのですか?

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