内閣府が3月9日に発表した2014年10〜12月期のGDP(国内総生産)の2次速報値は、物価変動の影響を除いた実質成長率で、前期比0.4%増、年率換算で1.5%増となった。1次速報値(2月16日発表)の前期比0.6%増、年率2.2%増から大きく下方修正された。

 安倍政権発足以降、GDPの下方修正は珍しくない。1次速報値と2次速報値を見ると、直近の2014年4〜6月期、7〜9月期、10〜12月期は3期連続でいずれも下方修正されている。

 なぜ下方修正がこれほど起きるのか。経済学者の田代秀敏氏(RFSマネジメント・チーフエコノミスト)はこう指摘する。

「安倍政権発足後、下方修正が相次いでいることには、エコノミストたちからも疑問の声があがっています。

 GDP発表の内容を分析すると、下方修正は企業の設備投資が予定ほど伸びなかったことが大きな理由といえます。企業が当初予定していた設備投資を実際にはやらなかったわけです。これは企業がアベノミクスに期待していなかったことを物語っています」

 企業がアベノミクスを見限っているもう一つの証拠が「在庫の急減」だ。在庫が減ると、GDPにはマイナスの影響をもたらす。在庫が減っているのは、企業が景気の先行きを悲観して「消費の減少幅以上に生産を絞っている」からだ。田代氏が続ける。

「あくまで憶測ですが、下方修正が多く出ているのは、担当する内閣府の官僚が政治家に発したメッセージとも感じます。

 アベノミクスをこのまま進めれば、景気が回復しなくても金利や物価は上がる。2月に内閣府が発表した『中長期の経済財政に関する試算』によれば、2020年に名目長期金利が4.0%になるとしている。そうなれば国債価格が大きく下落し、日本の財政も金融機関も破綻する恐れがある。それを下方修正の連続という形で警告していると思えるのです」

※週刊ポスト2015年3月27日号