来日わずか1週間でカラーを打ち出せないのは仕方ないが、あえて発表したバックアップメンバーの位置付けは理解できない。写真:菅原達郎(サッカーダイジェスト写真部)

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 ハリルホジッチ新監督の初陣となる3月27日のチュニジア戦、31日のウズベキスタン戦に臨む日本代表メンバーが発表されたね。
 
 2試合しか組まれていないのに31人のメンバーと12人のバックアップメンバー、計43名の名前が読み上げられたのには驚かされたけど、顔ぶれは予想どおり。1月のアジアカップや昨年のブラジル・ワールドカップに出場したメンバーが中心だった。

【日本代表】ハリルホジッチ新体制初招集メンバー[MF&FW]|3.27チュニジア戦&3.31ウズベキスタン戦

 ハリルホジッチ監督が来日してから、わずか1週間しか経っていない。その間、視察できたのは、わずか2試合だったわけだから、日本協会の技術委員会が作成したリストをベースに、自分が見た2試合で気に入った選手――永井やバックアップメンバーの川又、米本、谷口、車屋がそれだろう――を加えたということだろう。
 
 アギーレ監督の初陣もドタバタだったけど、今回はさらに時間がないから、この2試合は強化というより、ハリルホジッチ監督と選手たちの「顔合わせ」という意味合いが強い。
 
 それは、怪我で試合に出られないことが分かっている内田、長友、今野らを招集したことからもうかがえる。まずは顔を合わせ、コミュニケーションを取ることがなににも増して重要だということだろうね。
 
 とはいえ、多くの選手に自分の考えを伝えたいという気持ちは分からなくもないけれど、怪我している選手は治療に専念させてあげられないものだろうか。
 
 特に、シャルケの内田とインテルの長友は、試合に出場しないのに帰国することになり、負担が大きい。ミーティングや練習の様子を撮影して送るという手もあったはずで、所属クラブが帰国をよく許してくれたものだ。
 
 また、「バックアップメンバー」の位置付けが理解できない。別に30人でも、40人でも全員が日本代表でもいいんじゃないかな。
 
 そのバックアップメンバーに、フロンターレの大卒ルーキーである車屋が選ばれている。彼は視察した数少ない試合のなかでハリルホジッチ監督が興味を持った選手ということだろうけど、シーズンが開幕したばかりの時期にあえてルーキーを呼ぶわけだから、長い目でしっかり見てあげてほしいものだ。
 
 くれぐれも、アギーレ監督の時の初陣に招集された皆川や坂井のように、「呼びました、ダメでした、もう呼びません」というような扱いはしないであげてほしいね。
 
 今回は、ハリルホジッチ監督独自のカラーに基づいた選手選考ではなかったけれど、何度も言うように、時間がなかったのだから、仕方がない。
 
 本当に彼のカラーが見えるのは次の機会、6月のワールドカップ予選からだろう。その時は、今回のメンバーから削って23人にするというのではなく、自分の目で一から選手を選んでほしい。
 それと、次は厳しい選手選考をお願いしたい。
 
 例えば、川島や大迫、柿谷のように試合に出られていなかったり、活躍できていなかったりする選手は、ヨーロッパのクラブに所属していても絶対に呼ばないとか、アジア予選を戦うわけだから、ACLで惨敗しているクラブからは呼ばない、とかね。
 
 ここまで3連敗のレッズから、西川、槙野、興梠の3人、同じく3連敗のアントラーズから昌子と柴崎のふたり、1分2敗のガンバから東口、今野、藤春、宇佐美、大森(バックアップメンバー)の5人が選ばれていて、2勝1分のレイソルからはバックアップメンバーとして鈴木しか選ばれていない。工藤はなぜ、選ばれていないんだろう。
 
 ACL組にハッパをかける意味でも、それぐらいシビアな選考があってもいいと思うよ。
 
 いずれにしても、アジアカップでの惨敗を受け、アギーレ前監督はメンバーの入れ替え、世代交代を推し進めようとしていたはずだ。しかし、解任され、代表チームの中心には、いまだにブラジル・ワールドカップとアジアカップで結果を出せなかった選手たちがいる。
 
 チュニジア戦とウズベキスタン戦での「顔合わせ」を経て、ハリルホジッチ監督がメンバー選考に独自のカラーをどう出していくのか、楽しみにしたいね。