卓球石川佳純。1月の全日本選手権ではシングルス、ダブルス、ミックスダブルス全てで優勝し、54年ぶりの3冠を成し遂げた日本女子卓球界のエースだ。

だが、世界に目を向ければ中国勢の壁が立ちはだかる。世界ランキング1位の丁寧、同2位の劉詩ウェン、同3位の李暁霞である。現在、世界ランキング4位の石川が今後五輪をはじめとする世界の舞台で金メダルを手にするには中国勢打倒が必須になってくる。

16日、テレビ朝日「報道ステーション」では、スポーツキャスター・松岡修造氏が石川の特訓に密着、その模様が放送された。

長身かつパワーで上回る中国勢に対抗するため、男子の代表練習に参加している石川は「昔は中国選手と対戦しても宇宙人だって思うようなレベル。男子の選手とやるともっと宇宙人って思うようなボールがくる」と苦笑い。それでも収穫は大きく、「試合をしたときに自分が先手をとって戦おうという意識が前よりも強くなりました。相手に一発強いボールを打たれたら反応もできないくらい速いので」と自身の戦い方を見直すきっかけにもなったという。

そんな石川が1年以上かけて取り組んでいるのが、フリックというレシーブだ。相手のサーブに対し速い回転や無回転のボールを返すことで、ミスのリスクは増えるもののすぐさま攻撃へと転じることができる。

練習でもひたすら反復し、「できるまで終わらないので、できるようになるしかない」という石川は、実際にフリックを出すことができた試合を振り返って「これだけ練習してきたんだからできるっていう自信がありました。前だったら負けてたら“どうしよう、このプレー効かない”ってなってたところを自分の持っているものは全部引き出しから出して戦おうというふうな考えができるようになりました」と話し、技術面のみならず精神面での成長もうかがわせた。

すると、話を聞いていた松岡氏は石川に突然謝罪した。2012年のロンドン五輪におけるシングルス3位決定戦でフェン・ティアンウェイにストレート負けを喫した直後、松岡氏は「本気で応援しているから本音で言うね。本当にチャンスがあった試合だった。(過去)相手に勝ってるんだから。佳純ちゃんがここで取れなかったのは何が足りなかった?」などと高圧的に質問をぶつけ、敗戦直後の石川を固まらせてしまったからだ。

この時のことについて石川は「その時の正直な気持ちは“無理だよ。今の私じゃ絶対に勝てないよ”って思ったんですけど、今考えたらもっと頑張らないとダメだよって自分も思います。世界で1番強く、1番になりたいって思ったことでもっと強くなって勝てるように実力をつけたい」と笑顔を見せ、ここでもまた強くなった気持ちの変化を感じさせた。