空飛ぶ車 AeroMobil は2017年に一般販売。予価は「最低」数千万円以上

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前世紀から延々と開発を続ける「空飛ぶ車」AeroMobil が、2017年から一般向け販売を開始することが分かりました。

AeroMobil は折りたたみ式の翼を備え、自動車として車道を走ることも、道路から短距離で離着陸もできる軽飛行機。

1990年からコンセプトデザインと試作を繰り返してきましたが、2013年にようやく初飛行を果たし、2014年10月には将来の市販版に近いというバージョン3.0を公開しています。

開発するスロバキアの AeroMobil社 CEO Juraj Vaculik氏 がイベントSXSWで語ったところによれば、AeroMobil 市販版の発売は2017年になる見込み。

当初は高級スポーツカーを複数台所有したり、趣味で自家用機を飛ばすような富裕層をターゲットに限定台数のみを生産してブランドの確立を狙う計画です。そのため、価格は「少なくとも数十万ユーロ以上」。日本円にして数千万円以上。

主な仕様は自動車モードの最高速度160km/時、飛行モードで200km/時。自動車モードの全幅2240mm、飛行モードの翼幅 8320mm。全長6000mm。離陸距離 300m以下、着陸100m以下。パイロット込み2人乗り、離陸時重量 600kg以下など。

エンジンは Rotax 912、燃料は自動車用のガソリン。航続距離は飛行機として700km(15リッター/時)、自動車モードのほうが長く875km (8リッター/100km)。Garmin製のGPSと2軸自動航行に対応します。

デザインは古き良き未来の「空飛ぶ自動車」というよりも、「対向車を真っ二つにせず車道を走れる飛行機」といった風情です。

とはいえ大金持ち相手の変な軽飛行機以上の用途や存在意義についてもちゃんと考慮しており、現在は飛行場の数から「自動車で飛行場へ、飛行場からまた自動車で目的地へ」になってしまい効率が悪い短距離のフライト(特に400マイル / 約640km以下)用や、普及すれば地上の交通渋滞を緩和できることを挙げています。

AeroMobil は舗装路だけでなく芝の上でも離着陸できるため、郊外の高速道路の脇などに滑走路を設定さえすれば、従来の空港設備がなくとも短距離フライトができ、パイロットがそのまま最終目的地にドライブするといった利用イメージです。

珍妙な乗物が必ずといってよいほど突き当る法的規制についても、Vaculik 氏によれば欧州当局との関係は良好。自動車と軽飛行機で両方が必要となる安全認証でも、開発資金でも強い支援を受けていると語っています。

再来年に発売する高価な「空のロードスター」以降は、もっと安価で実用的な仕様の「大衆向け」空飛ぶ飛行機を開発する予定。こちらはハイブリッド化し、四人乗りで航続距離も二倍になるほか、完全な自動操縦機能を備える見込み。

地上の自動運転車ですら法的な扱いは各国でようやく試験の許可が降りたか降りないかといった段階のため、技術的にも法的にも、「誰でも乗れる空飛ぶクルマ」 または「自家用に超軽量動力機を持っているような人ならば手を出せる変わり種ハイブリッド機」発売はもう少し先の話になりそうです。