スマートフォンなどで授業が受けられる

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子どもたちの学習意欲の低さが問題になっている。リクルートマーケティングパートナーズの調査によると、子どもが勉強をやる気がなく、悩んだ経験がある母親は86%にのぼる。

そうしたなか、子どもを惹きつけることに注力したデジタル教材が民間企業から登場し始めた。21世紀を生きる子どもの将来を考えたとき、ICT(情報通信技術)による学習はどのようなメリットがあるのか。

パソコンやタブレットで勉強を楽しく

「紙では表現の難しい天体や図形の問題などが、デジタルだと伝えやすくなります。歴史などストーリーのあるものを動画でドラマチックに伝えることもできます。また、ゲーミフィケ―ションの要素を入れるなど、子供たちが楽しく学習できるように各社が工夫をしています」

NPO法人CANVASの理事長で、慶應義塾大学准教授の石戸奈々子さんはこう説明する。民間企業によるICT教育サービスが次々に登場し、パソコンやスマートフォン、タブレットを使って、問題を解いたり動画の授業を受けたりすることが可能になった。

本来は一体だった「学び」と「遊び」がいつの間にか分離し、勉強が苦しいものになっていたが、「楽しさ」を取り戻せるという。また、学習における保護者の関わり方も変化すると石戸さんは指摘する。

「子どものつまずいている箇所が情報として保護者に届くようになりました。今まで保護者には見えなかった部分がわかるようになり、その子の状況に適したきめ細やかなアドバイスができるので、より学びたいという気持ちを起こせるのではないでしょうか」

子供のやる気にさせる仕掛け

リクルートマーケティングパートナーズが小中学生向けに2015年3月2日から提供を始めた「勉強サプリ」は、そうしたサービスのひとつ。11年から同社が高校生向けに提供している「受験サプリ」(有料/無料合わせて累計会員数138万人)で得たノウハウを活用している。子どもの学習ログデータが保護者に自動送付されるほか、子どもをやる気にさせる具体的な褒め方までアドバイスしてくれる。

中学英語は、「世界一わかりやすい」シリーズで多数の著書がある"カリスマ講師"関正生さんが担当するなど「一流講師」を揃えるほか、オリジナルキャラクターの育成機能を搭載。問題を解いて獲得したポイントでアバターの着せ替えやペットの育成ができるなど、ゲーミフィケ―ションを取り入れた。月額980円(税抜)で専用のデバイスは不要だ。

東京都杉並区立和田中学校の元校長である藤原和博氏による「よのなか科」や、IT教育を手掛けるライフイズテックによるプログラミングの授業も用意されている。

石戸さんは保護者向けに「あなたの子どもが大人になった世界」を伝えるコンテンツを共同開発した。時代が変われば身に着けるべきスキルや学び方も変わり、教育は詰め込み・暗記型から、思考・創造・表現型に変化しなければならないと伝えている。 

「デジタル革命という1000年に一度ともいえる大革命が起きています。正解が複数ある、もしくは誰も正解が分からない複雑な社会が到来しています。どのような学びを子どもたちに提供するべきなのか、大人たちが真剣に考えなければいけない時期なのではないでしょうか」