地球にやさしくしなくちゃいけないエコなご時世ですが、今回は映画界とプロレス界の「リサイクル」について、B級SF『禁断の惑星エグザビア』(1982)をお題にほんのり掘り下げてみたいと思います。

 製作は低予算映画の帝王ロジャー・コーマン先生ですから、リサイクルはお手の物。宇宙版『アラビアのロレンス』で企画を立ち上げるも、製作費の都合で『エイリア○』もどきに切り替え、冒頭の宇宙戦闘シーンは同氏の手掛けた『宇宙の7人』(ジェームズ・キャメロンも特撮スタッフとして参加)から流用し、ほぼ全てのセット・小道具を別作品から流用するという見事なリサイクル術!

 惑星エグザビアの研究所で生み出された突然変異生物「検体20」。その謎生物が巻き起こした事件の捜査のために、宇宙保安官マイク(相棒はストームトルーパーもどきのロボ)が派遣されます。事件の発端に女性研究員の失踪が絡んでいることが明らかになると同時に、所員から最初の犠牲者が出てしまう......というのがあらすじ。

 序盤から死体に寄生した生物がキシャーッと出て来る"本家"でも印象的なあのシーンを低品質にオマージュしたり、当時人気のSF映画の要素や、いわゆるデ・パルマカット(俯瞰アングル多発)が炸裂。
 「もう少し頑張れよ!」とか「それに一体なんの意図があるの!」と、観る側のツッコミ心を疼かせる残念な映像にはもう唸るしかありません。

 勿論コーマン作品に欠かせない美女のオッパイも完備。胸元バックリ透けパン制服姿のオネーサンが2人です。ありがたいですね。マイクがパツキン美女とベッドで一戦交える場面は、第二の犠牲者のシーンに繋がるんですが、BGM含め色々秀逸です(お前が演奏しとんのかい!的な)。

 そんな本作ですが、セットや小道具のリサイクル自体は本作に限ったことではなく、メジャースタジオ作品でも、撮影が終わった作品で使われたセットが別作品で再利用されるケースはままあるそうな(『ロビンフッド』から『ハリー・ポッター』、『グレムリン』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー1』etc.)。

 プロレス界でのリサイクルというと、WWEにおける「エントランステーマ(=入場)曲」の流用が有名ですが、こと小道具のケースといえば"本当のリサイクル"にもなっている、大日本プロレスにおける「蛍光灯リサイクル」でしょう。

 大日本プロレスでは、凶器や仕掛けに蛍光灯を使う試合(蛍光灯デスマッチなど)を頻繁に行っています。そこで使用するための、劣化して割れ易くなった中古蛍光灯(※)を業者から仕入れるだけでなく、ファンからの寄付を募っているそうで、"究極のエコ"の呼び声もあるとかないとか。

 そんな感じでとまあ「リサイクル」の面に焦点を当てましたが、82年の製作にしてはクリーチャーやゴアシーンはそこそこ頑張っているので、オッパイ目当てで観ればお釣りが来る感じの珍作となっております。

(文/シングウヤスアキ)

※ 新品の蛍光灯は固く、鋭利な割れ方をしますが、長期間利用で劣化した蛍光灯は細かく割れ易くなるため、比較的安全(無論、素人には十分危険ですが)なアイテムになるそうです。