この春に発売された新型テレビのリモコンには、今までの〈地上波〉〈BS〉〈CS〉に加えて、もう1つのボタンが付いている。

〈NETFLIX〉(ネットフリックス)

 今秋、映画やドラマなどをインターネットを介して配信する米ネットTV最大手「ネットフリックス」が日本でサービスを開始する。世界的に大ヒットしたオリジナルドラマの自主制作も手掛け、アメリカでは既存のテレビ局(地上波、衛星、ケーブル)よりも影響力のある「新興ネットTV」として認知されている。

 ネットを使った番組の配信なので、あくまで「放送」ではない。“今日の番組表”もない。そのかわりホーム画面には新旧のハリウッド映画や邦画、ドキュメンタリー番組やオリジナルドラマのラインナップがずらりと表示される。

 ドラマをチョイスすると、全15話が一気に見られるようになっている。これまでのように週1回、決まった時間にテレビの前に陣取ったり、録りためておいたりする必要はない。いつでも好きなだけ自分の都合でドラマや映画を堪能できる──。

 数か月後には現実となる光景だ。視聴者はこれまでのように、テレビ局から決められた時間に、決められた時間だけ視聴する「受け身視聴」を脱却し、ネット上に膨大にプールされたコンテンツから好きな番組をいつでも、いくらでも見ることができる「積極的視聴」の時代を迎えるのだ。

 すでに家電量販店にはリモコンにネットフリックスボタンが搭載された新型テレビが登場。東芝の「REGZA J10シリーズ」(2月発売)やパナソニックの「VIERA CS650シリーズ」(3月発売)のほか、他のメーカーも年内に対応機種を投入予定だ。今年は「新テレビ元年」と位置付けられている。

※週刊ポスト2015年3月27日号