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ヴァイッド・ハリルホジッチ監督、ようこそ日本へ!

前任者の八百長疑惑に揺れた日本代表監督人事問題が、ようやく落ち着きを見せました。新監督ヴァイッド・ハリルホジッチ氏の正式就任。12日の理事会での承認、そして翌13日には就任発表記者会見、そして今月の試合前に労働ビザ取得が間に合うだろうという見込み。スピード感ある対応で危機を乗り切った日本サッカー協会の手腕は見事だったのではないでしょうか。

最悪の場合、武田が軽い尻を上げて難局に挑まなければならないかもしれなかったところを、奥の手を切らずに済んだ。それはよかったような、残念なような複雑な心境です。今回のような手腕を見ていると、日本代表監督に武田を擁立する可能性は、限りなくゼロに近づいたと思われますから。(※現時点ですでにゼロだろう、という意見はいくら何でも失礼なので、武田に謝罪と賠償をお願いします)

日本社会では何となく黒船的な思想により、「遠い国からやってきた先生」をありがたがる傾向を感じます。素晴らしい魔法や、聞いたこともない知識を授けてくれる存在であるかのように。特にサッカー界などは、世界のトップよりは下だろうという自覚もあるので、「外国人監督」というのが非常に珍重されます。

しかし、究極的な理想で言えば、監督は同国出身で、同じ言葉を操り、同じ文化を共有する人物のほうがよいだろうと思います。ワールドカップに臨む強豪各国が自国出身のスター指導者を迎えることにもそれは表れていますし、実際に優勝国は常に自国出身監督であるという事実もあります。

通訳を介したコミュニケーションによるロスだったり、そもそも抱く双方の価値観のズレなど、埋めなければいけない溝もあります。そして、何よりも「信頼」「尊敬」といった部分での不都合もあります。ハリルホジッチ氏も就任会見で「時間が必要」で「信頼」をしてほしい旨、繰り返しました。正直、イイ監督だろうとは思っていても、まだ他人行儀な間柄。八百長疑惑でも持ち上がれば「てめーコノヤロークビだ」と速攻で手の平を返す程度にしか、日本とハリルホジッチ氏はつながっていません。

たとえば、もしそれが武田だったなら。あぁ……武田の場合、八百長疑惑なんか持ち上がったら、警察が動く前にタマゴとか投げられそうなので例が悪いですね……。キングカズだったなら、八百長疑惑が持ち上がろうが、少々の負けが重なろうが、時間を与えるくらいの信頼はあるだろうと思います。本人が積み上げてきた信頼が、日本社会の中にすでにあるわけですから。(※武田が積み上げてきたのは悪評だけだもんな!、という意見はいくら何でも失礼なので、武田に脳天直下土下座をお願いします)

そんな究極理想形がますます遠ざかったのが、今回のハリルホジッチ氏就任だと思います。ワールドカップベスト16、フランスでの年間最優秀監督受賞という実績や、アルジェリア代表で見せた魅力的な試合ぶりは識者からのウケもよく、イイ監督を招いたという感触があります。それを八百長疑惑というアクシデントからわずかな日数で実現にこじつけてしまった。つまり、今後も何かアクシデントがあっても、このぐらい納得感ある監督を連れてこれるだけの手腕が日本サッカー界にはあるということです。

「岡田監督」が誕生したのは、その前任のオシム氏が病気で倒れるという不測の事態による緊急避難的なものでした。パッとお願いできる人材への依頼で急場を凌いだのです。しかし、今は八百長疑惑のような不測の事態があっても、少々の時間があれば外国からイイ監督を招くだけの実務能力が備わっている。「何かあれば俺がいくわ」という武田の心遣いを必要としないほどになっている。

今後、日本が究極理想形を追うためには、指導者の海外進出が欠かせなくなった。もともとそうである現実を、今回の人事問題で改めて目の前に突きつけられたような気がします。欧州で実績を残した人のほうがやっぱりスゴそうですから。連れてこれるなら実績ある人のほうがいいですから。ヨソでワールドカップベスト16を経験したり、ヨソで最優秀監督賞を受賞したりするような人のほうが。

とりあえず武田には今すぐパラグアイとかに飛んでいただき、少年サッカーから地道な指導を開始してもらいたいもの。少しずつ戦う舞台を上げていき、コパ・リベルタドーレス制覇を経て代表監督に就任し、ワールドカップ予選を突破し、本大会でベスト16に入ることを求めたいところ。これぐらいの結果を出してこないと、日本サッカー協会も声がかけづらいですからね。「武田を監督にするならいないほうがマシ」「国民として恥ずかしいです」「ほかに誰かいるだろ」と突き上げられますからね。そして、実際にほかの誰かを呼んでこれそうですしね。

ということで、武田JAPAN発足の可能性の縮小をヒシヒシと感じつつ、13日のハリルホジッチ氏就任会見をチェックしていきましょう。


◆結局、何JAPANと呼んだらいいかは決まらず!案出しが遅すぎるんじゃ!


13日の夕方から行なわれた就任会見。その模様はインターネットを通じて生中継されました。かつてなら文字通り「記者会見」となり、その模様をあとから書き起こしテキストで知るのがせいぜいだったものが、今では自分の目で確認できる。そして、見ている人が多いので書き起こしをするヒマ人も多くなり、何やかんやで動画よりも書き起こしテキストを見てしまうという不思議な現象も発生しています。

↓まぁこのように動画が全部見られるとしても、テキストで読んだ方が早いですからね!


52分33秒も見てられるか、という率直な声!

出でよ、誰かが頑張った書き起こしテキスト!

↓よしあったな!リンク先でひととおりのテキストをご確認ください!

あらゆる記者会見で全文テキストと動画をセット出してくれれば、シェアしてワチャワチャ楽しむのもラクなんですけどね!

言った言わないで揉めることもないですし!

会見場は報道陣でごった返しています。そこにフラッシュを浴びながら入場してくる新監督。前後には、日本サッカー協会会長の大仁氏、技術委員会の霜田氏、そして通訳氏を連れだっています。コミュニケーションはフランス語が基本となるとのこと。ここに来てのフランス語ですか。ドイツ語ならもう少しわかる選手も多いのですが。通訳氏はスキンヘッドにヒゲという湘南乃風のファンみたいなコワモテですし、声もそんな感じ。何よりハリルホジッチ氏がデカくて、目つきが鋭い。翻訳された言葉の鋭さ以前に「この人、今めっちゃ厳しいこと言ってるんだろうな」という感じがピリピリと伝わってきます。

「やべーな」「何言ってるかわかんないけどめっちゃ怒ってなかった?」「ダバディが勝手に自分の怒り乗せてない?」などのロストイントランスレーションインロッカールームも心配になってきます。やはり「人間翻訳アプリ」こと川島永嗣さんの招集は、今後も不可欠なようですね。「実際問題何て言ってたの?」の確認のためにも。

ハリルホジッチ氏は用意された「キリン アルカリイオンの水」に早速手をつけると、それをグビグビと飲み始めます。「あ、飲むんだ」という率直な驚き。半分飾り的な意味合いかと思っていた僕も、「めっちゃしゃべる気だな」「唇を潤してる」「説教長そう」と緊張感を高めます。会見の後半では、完全に飾りの意味で置いてある一番搾りに手をつけやしないかという心配とともに。

そしていよいよ始まった新監督の会見。「コンニチハ」と日本語で切り出した新監督は、この2週間で日本サッカー協会がコンタクトしてきたと語り、就任までの即断即決ぶりを明かします。「大きなことを成し遂げたい」「ほかにもオファーがあったが日本を選んだ」「何故なら、日本には私と同じメンタリティ、厳しさ、規律、敬意、真面目さがあるからだ」とつづけます。その間も表情を崩すことはなく、鋭い目で記者たちを見回すハリルホジッチ氏。新年度の担任の教師が「俺は厳しいぞ。ビシビシ行くぞ」と言っているときと同じ顔です。短い短文ごとに通訳に翻訳をうながすなど、半端ない「説教長そう」感で僕も身震いする想いです。

↓ひぇぇぇぇぇ…僕の「怖そうな人」レーダーがビンビン反応する…!

鉄砲で撃たれても心折れない人らしいしな!

腕組みして次々に繰り出させれる強い言葉!

アギーレさんはニッコニコしながら「僕は怖くないよぉ(※本当は怖い)」をやってたのに比べると、隠す気もない怖さ!

こわい!(青玉) [ 石崎洋司 ]

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感想(2件)



日本代表への夢や理想、あるいは自分の哲学を語る前に、まず新監督が切り出したのはメディアへの牽制でした。「ジャーナリストととも一緒に戦っていきたい」「少し時間がほしいし、辛抱強く我慢してほしい」「プロフェッショナルな関係を築き、互いにリスペクトしよう」という言葉の端々からは、「お前たちは仲間か?敵か?」という圧力を感じます。

過去の動画などを見ても、報道陣を相手にホワイトボードでサッカー戦術指南を始めたりもしていたハリルホジッチ氏。おそらくはメディアという内なる敵とも戦ってきたのでしょう。オシム氏が「教え」のスタイルでやってきたことを、今度は「説教」のスタイルでやっていく。そんな未来が見えるかのようです。日本のメディアにも自覚が求められそうですね。

そして会見は質疑応答に移ります。どんなサッカーをすれば世界のトップと戦えるのかという質問には、「日本代表にはクオリティはあるが自信がない。私は負けることは大嫌いだ。とにかく勝つんだ!」と応じ、具体策よりもまず「絶対勝つ」という心意気の部分を指摘します。負けたときには病気になったこともあるとのことですので、闘志を失った選手は病院か自宅かどちらかに放り込まれそうです。

別の質問でも「できるだけ早く自信を取り戻させる」「選手の何人かは自信を失っている」「2、3年前はもっといい選手だった」「勇気づけることが必要だ」と語っており、戦術家としてだけでなく、強烈なモチベーターとしても自身の手腕に自負を持っている様子。うむ、壊れやすいドルトム香川さんのメンタルを、上手に厳しく育んでほしいものです。めっちゃ厳しい可能性も含めて、香川さんに「ワレモノ注意」のシールを貼っておくべきかどうかは、今後コチラでも要検討ですね。

↓サッカー関連の質問についての回答はザックリこんな感じでした!
●メンバー選考の方針は?
要旨:「まだ選手知らないからね」
要旨:「いろいろ見て、会って、考える」
要旨:「Jリーグも見るし、ビデオも見る」
結論⇒「ということで今聞かれても答えはない」

●自身のサッカー哲学は?
要旨:「ボールを持っているとき、持っていないとき」
要旨:「いずれの場合でも全員の努力が必要だ」
要旨:「私自身は、攻撃が大好きなのでどんどん前に行きたい」
要旨:「スピードを上げ、少ないタッチで」
要旨:「ペナルティエリア内にもどんどん人数が入っていく」
要旨:「ただし、我々は日本だ」
要旨:「日本代表らしい戦い方をする」
要旨:「大事なのは勝利することだ」
結論⇒「ということで私の哲学を聞いても意味はない」

●具体的にどれぐらいまでいけると思うか?
要旨:「アジアはまだ欧州・南米のレベルにはないだろう」
要旨:「日本は数年前のレベル、世界ランク20位ぐらいまでいきたい」
要旨:「ただし時間が必要だし、いい雰囲気が必要だ」
要旨:「みなさんの我慢が必要だ」
結論⇒「ということで君らも頑張れよ」

めっちゃ丁寧に答えているようで、実は何も答えていないという歴戦の猛者!

さすが世界の荒波を乗り切ってきただけのことはある!

↓今日はまだ見せられないけど、やるべきことを書いてきたノートもあるらしいぞ!


ってオイ!いきなりノート持ってきたぞ!

「勝手にノートをつけてくる」タイプはアヤしいという先入観が日本にはあるけど、まさに閻魔帳って感じだな!

「本田圭佑の夢ノート」を持ってくるとかの媚びギャグも一切ない!

「ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ」とか書いてありそうで怖いぜ!

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感想(1件)



言いたいことはガツンと言うが、言いたくないことは言わない。短い会見だけでも、これは一筋縄ではいかない相手だなと察することができます。面白い発言はあるかもしれませんが、都合のいい発言はしてくれない予感が。まさに「我慢」こそがキーワード。どこまで信じることができるか、どこまで我慢することができるか。負けても悪びれず、時間と信頼を要求されてもなおついていけるのか。お気に入りの選手を外されてもついていけるのか。監督からも先回りして指摘されたように、見る側・伝える側の振る舞いもまた、重要な強化策のひとつだと言えるでしょう。

その姿勢がハッキリと見えたのは、恒例の「●●JAPAN」問題。日本側メディアもバカのひとつ覚えでこの質問をしているわけではありません。相手がどれだけ都合いい人材かを見極めるために、あえてこの質問をぶつけるのです。もちろん質問を担当するのは美人アナ。美人が聞けばOKなのかどうか。どれぐらい都合よく対応してくれるのか、メディア側はハリルホジッチ氏の心のドアをノックし、反応をうかがってみたのです。そして、そこでハッキリと示された氏の対応は…

↓「希望の愛称はありますか?」「ありがとうと言われたいね」という質問者の意図ガン無視の塩対応!
――こんにちはTBSテレビ古谷です。これまで日本代表の監督というのは国民に非常に愛されてきて、愛称で、お名前で「ナニナニJAPAN」と呼ばれることが多かったんですが、ザッケローニ監督であればザックJAPAN、アギーレ監督はアギーレJAPAN、ハリルホジッチ監督は何とお呼びすればよいでしょうか?

ヴァイッド:「(軽く笑う)」

ハリル:「まだ日本についたばかりですので、日本で過去何があったのかというのはよくわかってないです」

ホジッチ:「ただ私たちココに来て本当に早く仕事がしたいという気持ちでいっぱいです」

ヴァイッド:「すでに大仁会長、霜田技術委員長は我々を信頼してくれていますし、もちろん代表の監督は間違いを犯すこともありますが、ただ私がここに来たのはみなさんを仕事がしたいということです」

ハリル:「みなさんの助けが必要です」

ホジッチ:「私はここに来ましたけれども、この日本の今のデリケートな現状よりも、さらにもっとデリケートな状況で働いたこともあります」

ヴァイッド:「もちろんグラウンド上でもデリケートな状況はありましたし、グラウンド外でももちろん過去にはありました。だけどもそれを向上させることをやってきました」

ハリル:「先ほども申し上げたんですけれども、本当に日本には日本代表を好きなサポーターがいます。みなさんがイビチャ・オシムさんとここで仕事をしたことも知っています。彼は私にフットボールの情熱を伝えてくれました」

ホジッチ:「日本の国民のみなさんが、フットボールに情熱があって仕事熱心なことも聞いています。それに対して私は幸せですし、それから私はここで何かを成し遂げることができたらさらに幸せですし、代表監督として一番嬉しく思うのは、あるときに誰かが来て『ありがとう』と言われることです

ヴァイッド:「これはブラジルのワールドカップのあとに起きたことなんですけれども、アルジェリアである人が来て(『ありがとう』と言われた)。アルジェリアと日本を比べるわけではないんですけれども、アルジェリアは代表レベルで結果を残してきたわけではなかったんですね、メダルを獲ったりとかはなかった国でした」

ハリル:「彼らがやはり私に対してすごくリスペクトしてくれた、ワールドカップのあとですけれどもすごくリスペクトしてくれた。日本代表でもそのようなことが起きてほしいと思いますけれども、アルジェリアに行くと道ですれ違っても、みなさん本当に幸せな顔をしていて」

ホジッチ:「私はここに来て、みなさんにメダルを届けたいと思っていますけれども、その責任は私にあると思っています」

要旨:「それオシムにも同じこと聞いたの?」
要旨:「いいから早く仕事したいんだよね」
要旨:「みんな仕事しようよ、サッカーの仕事」
要旨:「何て呼ばれたいとか、どうでもいいんだよね」
要旨:「私はね、勝ちたいんだよ」
要旨:「そして『ありがとう』って言われたいの」
要旨:「呼び方とかじゃなくて、勝って喜びを分かち合いたいの」
要旨:「愛称って愛が先に立つものでしょ?」
要旨:「愛が生まれたら自然に何かが出てくるんじゃないの?」
要旨:「そういう未来を一緒に迎えたいね」
要旨:「頑張ります」

塩神様だwwwwwwwwwwwwww

メディアが久々にピリピリする難物の登場やwwwww

オシムみたいに遠まわしな嫌味ではなくド直球の説教が飛んできそうwwww

愛していると言ってくれ BOXセット

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感想(2件)



何ということでしょう。確かに、外国の方には理解不能な文化かもしれませんが、完全にいなされてスルーされてしまいました。コワモテのアギーレ氏でさえ「アギィルルェ」と面白く反応してくれたというのに。大変な難物、学校で一番怖い先生が担任についた感じで、背筋も凍ります。

しかし、ハッキリ言って、期待感はあります。この難物との激突で、閉塞した日本代表の空気も変わりそうな気がします。いつもの顔ぶれが結局最強なのかという停滞感を打ち払ってくれるのではないかと。そのためにも、まずはファン・メディアが一体となって支えていきたいもの。

就任の経緯や時間を見ても、早々に結果を要求するなど無理な話です。現時点で、ハリルホジッチ氏への愛着は何もないわけですが、そこは「貸し」として応援していきたいもの。貸しを返済し、さらに払い戻しがドンとくる未来を信じて。そのとき心からあふれ出る言葉こそが「●●JAPAN」の答えなのかもしれません。どんな言葉がそこに入るのか、今から楽しみですね。3年後「ありがとうJAPAN」が誕生していたなら、それが一番いいことですからね。

「ありがとう」がハマるまでは、適当に「ホルリJAPAN」とかでいきますね!