ブラジル・ワールドカップでハリルホジッチ監督が率いるアルジェリアと対戦した韓国は、あえなく完敗。その手腕への評価が高まり、次期監督候補に推す声も挙がった。(C)Getty Images

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 日本代表の新監督にヴァイッド・ハリルホジッチ氏が就任したニュースは、韓国でも大きく報じられている。交渉の段階からその動向はつぶさに伝えられてきたが、日本協会の公式発表を受けて各種メディアが一斉に報道。スポーツ新聞や一般紙のWEBサイトはもちろん、KBS、SBSといったTV各局でも取り上げられた。
 
 特に目立つのが、「韓国を泣かせたハリルホジッチ監督、日本代表監督に」(スポーツ新聞『スポーツソウル』)、「ホン・ミョンボ号を泣かせたハリルホジッチ、日本の司令塔に」(スポーツ新聞『イルガン・スポーツ』)といった見出しだ。
 
 昨年のブラジル・ワールドカップで韓国は、ハリルホジッチ監督が率いるアルジェリアとグループリーグ2戦目で対戦。一部メディアが“フランスのイミテーション”と見下すほど戦前から「勝てる相手」と見込んでいたが、初戦から先発を5人も入れ替えるなど入念な策を練ってきた相手に2-4と完敗。煮え湯を飲まされたのだ。
 
 この敗戦後、韓国内ではハリルホジッチ監督の手腕を高く評価する声が上がり、ファンや一部メディアではワールドカップ後に、次期韓国代表監督候補に推す意見も出ていた。そんな因縁の人物が日本の新しい監督に就任しただけに、平静を装ってはいられない。大手ポータルサイト『NAVER』のスポーツニュースのコメント数ランキングでは、3月13日正午時点で総合3位にランクインしたほどだ。
 一方で、ハリルホジッチ監督の招聘に警鐘を鳴らす意見もあった。「“偏屈男” ハリルホジッチ、日本の賭博は成功するか」(『スポータル・コリア』)と題された記事では、こう綴られている。
 
「懸念されるのは、彼の偏屈な性格だ。頑固な性格で外部からの干渉を嫌うため、近年指揮するチーム内での不仲説が絶えず、実際これまで多くのクラブや代表チームを率いてきたが4年以上定着したことがない」
 
 さらに、ワールドカップでは「堅守速攻」でアルジェリアを躍進させたことから、こうも記している。
 
「技術とパスワークを活かした日本のスタイルは、ハリルホジッチが標榜するものではない。彼が目指す戦い方に上手くマッチできないようなら、2018年のロシア・ワールドカップを見据える日本にとっては、不安要素になりかねない」
 
 いずれにせよ、ハリルホジッチ監督が日本代表をどう変えるのかに、韓国の人々が注目しているのは間違いない。「日本サッカーの司令塔を引き受けたハリルホジッチ、8月に韓国と対戦」(『聯合ニュース』)、「シュティーリケ監督とハリルホジッチ監督の知略戦が予想される」(『エクススポーツ』)など、今夏に中国で開催される東アジアカップに触れた報道も見られた。
 
 宿命のライバル・日本を、因縁のハリルホジッチ監督が率いる――。13日の就任会見を経て、韓国内でも新生日本代表への関心はさらに高まりそうだ。
 
文:慎 武宏(スポーツライター)