休眠中の彗星着陸機 Philae、今週にも復活の可能性。太陽へ接近で発電量増加

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 史上初めて彗星への着陸を成功させた ESA の彗星着陸機 Philae が、もしかすると今週にもふたたび活動を開始するかもしれません。昨年11月、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸した Philae はその着陸地点の地形の問題で太陽電池による発電ができず、初期観測データを送信した直後にハイバネーションモードに入っていました。現在、彗星は太陽に近づきつつあります。光の強さは11月のときと比べて2倍にまで増加しており、Philae が再起動するのに充分な発電量が得られる時期に差し掛かってきました。このため ESA は3月12日から開始している Rosetta による彗星への接近探査で Philae からの信号受信を試みます。   10年の歳月をかけ、ESA の彗星探査機 Rosetta がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着したのは昨年11月のことでした。そして世界が見守るなか Rosetta を離れた着陸機 Philae は彗星へと降下し、彗星の地表へと降り立ちました。しかし着地の際に機体固定用アンカーが射出できなかったため、バウンドしてしまった Philae が地面に落ち着いたのは切り立った岩場。そこは1日のほとんどが日陰の場所でした。太陽電池による発電が期待できなくなったため、ESA は搭載バッテリーの電力があるうちに予定していた初期観測を実行しました。そして Philae はデータを送信し終えたところでバッテリーが尽き、ハイバネーションモードへと移行。しばし"冬眠"することとなりました。   現在、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は近日点に接近中。太陽に近づけばそれだけ日差しの強さや周囲温度が Philae の再起動条件に近づきます。Philae が起動するのに必要な電力量は19W、機体中心温度は-45℃以上です。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周回しながら探査を継続している Rosetta は、日本時間3月12日から20日にかけて実施中の接近探査で Philae との通信をオンにし、信号の受信を試みています。もし Philae が再起動を果たし通信可能な状態になれば、やり残した本格的な彗星表面の探査も再開できるかもしれません。 なお、ESAは「もし20日までに Philae からの信号を受信できなくても、次回の接近探査でふたたび通信を試みる」としています。  Philae が着地したと思われる場所