交渉役を務めた霜田技術委員長(左)は、「守秘義務があるので」とハリルホジッチ氏との契約期間を明かさなかった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 3月12日にJFA理事会が開かれ、正式にハリルホジッチの日本代表監督就任が承認されたね。14時から始まった理事会の冒頭で、真っ先に決まったようだ。しかも、その直後にハリルホジッチに連絡を入れて、本人はすでにフランス時間夕方の便で日本に向かったという。まったく、呆れた“手際の良さ”だよ。
 
 霜田技術委員長がハリルホジッチの名前を明かした5日の時点で、すでに就任が決まっていたんだよ。理事会で反対意見が出ないと分かっているから、こんなに周到な準備ができたんだ。なんのための理事会か、分からないよね。意見も出さずに承認するだけなら、わざわざ理事会なんて開かなければいい。まさにお飾り機関だよ。
 
 会見では霜田委員長がスタッフ陣も発表したようだけど、この人選も疑問だ。コーチとフィジカルコーチはハリルホジッチのリクエストに応えているのに、GKコーチはアギーレ体制からの留任なんだ。ハリルホジッチが、よく承諾したものだよ。前任者が選んだコーチが留任するなんて、普通ならありえない人事だ。予算の都合なのかと疑われても仕方がないよね。
 
 しかも、霜田委員長によれば、ハリルホジッチとの契約期間や年俸は、「守秘義務だから明かせない」そうだ。またワールドカップまで丸投げなんてことはないだろうけど、仮にそうだとしたら突っ込まれるのが怖いのかもしれない。「ザッケローニ時代のミスを繰り返すのか」とね。
 
 もし、丸投げじゃないなら、ハリルホジッチと話を付けて発表すればいい。雇い主は日本協会なんだから、それくらいできるでしょ。監督に気を遣っているのならお門違いだ。協会がなにより優先すべきなのは、日本のファンへの説明だからね。
 
 まあ、先週も言ったけど、誰が代表監督になっても日本は変わらないよ。協会の体制が変わらない限り、4年サイクルで同じことを繰り返すだけだ。
 
 ハリルホジッチへの期待をあえて挙げるとすれば、ピッチ内よりもピッチ外かな。彼は気骨のある人物のようだから、協会の不条理な体制を糾弾してほしい。
 
 例えば、マッチメイクだ。次の国内2連戦の相手は、チュニジアとウズベキスタンでしょ? 相手がレギュラーならまだしも、アウェーの日本にどれだけ本気のメンバーが来るのか分かったものじゃない。アジアカップでダウンしたイメージを取り戻すには格好の相手という感じで、やっぱり興行の色が濃いんだ。
 
 こういう“無駄”な興行試合を減らすだけでも、日本代表の強化はずっとマシになる。ハリルホジッチの人脈を活かしてヨーロッパやアフリカの強豪とマッチメイクするとか、そこまで踏み込んでくれたら評価できるよね。