歴史に名を残す名投資家のエッセンスに日本の株式市場の特性を組み込んだ点も話題となっている『伝説の名投資家12人に学ぶ 儲けの鉄則』(ダイヤモンド社)

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 日経平均株価が1万8900円を超え、今年に入って実に15年ぶりの高値を更新するなど順調に推移している。この上昇はどこまで続くのか? 指を咥えて見ているのも悔しいが、高値に飛びついて痛い思いをした経験があれば、躊躇するのも当然――未来を見通すことは誰にもできないが、過去から学ぶことならできる。

 歴史に名を残す投資の賢人たちであれば、こんな時にどう立ち回るのだろう? ベンジャミン・グレアム、フィリップ・フィッシャー、ウォーレン・バフェット、ピーター・リンチ、ウィリアム・オニール、ジム・ロジャーズ、ジョン・メイナード・ケインズ、ジョン・テンプルトン、ジョン・ネフ、是川銀蔵、マーティン・ツバイク、ジョージ・ソロスといった名投資家の、生い立ち・考え方・投資を学び、その英知を生かそうという本が話題になっている。

 『伝説の名投資家12人に学ぶ儲けの鉄則――日本株で勝つためにすべきこと、してはいけないこと』の著書・小泉秀希さんは、証券会社出身の株式ライターであり、個人投資家。2000年から雑誌『ダイヤモンドZAi』で名投資家を紹介する人気連載を担当する中で、自身の投資スタイルにも影響があったという。

ザイ・オンライン編集部(以下:編集部):この書籍の元になったのは、『ダイヤモンドZAi』が創刊した2000年から始まった連載で、根強い人気がありました。

小泉秀希(以下:小泉):やはり、投資で成功するための方法は成功者たちに学ぶのが早い。実際、自分にもそのような効果がありましたし、読者の人たちにも役立てていただけるのではないかと思いました。

 私はもともと証券会社に勤めていて、自分でも株式投資をしていました。1992〜98年頃で、仕手株の全盛期。ファンダメンタルもテクニカルもあったものじゃなく、多くの人はひたすら「あの筋が手掛けた」「この筋が仕掛けた」という情報を追っていました。

 株価数百円の株が、あっという間に10倍、20倍になるようなことが、ザラにあったんです。しかし、そういう時代に株をやっていた私自身が儲かっていたかと言うと、まったくの逆で、数々の失敗で何百万円も借金があるような状態でした。

編集部:その頃から名投資家達の本は読まれていたんですか?

小泉:読んではいましたが、実践はしていませんでした。「ああ、こういう人たちもいるんだな」という程度です。最初に読んだのはピーター・リンチの『ピーター・リンチの株で勝つ――アマの知恵でプロを出し抜け』(ダイヤモンド社)という本でした。

ピーター・リンチ

 1980年代に活躍した伝説的なファンドマネジャー。33歳のときに「マゼランファンド」の運用を開始し、わずか13年間で業界最小規模(0.2億ドル=約23億円)から世界最大規模(約100億ドル=約1兆2000億円)に育て上げた。

 リンチが得意とする戦略手法は「日常生活の中から10倍以上に大化けする株(テンバガー)を探す」というもの。奥さんや3人の娘さんと話をしたりショッピングモールで買い物をする中で、生活に身近な会社から次々に10倍株を見つけていった。リンチの銘柄チェックポイントは――

(1)成長余地はどれくらいあるか
(2)ヒット商品が業績にどれくらい貢献するか
(3)競争上の強みは何か
(4)業績
(5)PER

 これらをまとめた上で、その企業の成長ストーリーを理路整然と2分程度話せるかを確認する“2分間の訓練”を行い、「買う理由を明確に」することを徹底していた。

小泉:ちょうどその頃、ユニクロが原宿に首都圏初の都心型店舗をオープン(1998年11月)して、ものすごいブームになったんです。長い行列がそのまま店内に入り、行列のままレジを抜けるという混雑ぶりでした。ファーストリテイリング(9983)の株価も、そこから2年間で30倍(上昇時からは60倍)に急騰しており「あゝ、リンチの言っていたのはこれなんだ」と気づいたんです。

編集部 ご自身でもファーストリテイリングの株を?

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