株主総会といえば、昔は難しい顔をしたおじさんたちが大きな議場に集まっているイメージが強かったが、最近は優待と合わせて株主総会での「おもてなし」に力を入れる企業が増えている。

 携帯電話販売の代理店を運営するベルパーク(ジャスダック・9441)では女性社員を中心とした「株主総会お土産選定委員会」を設けて社員の出身地の「ご当地お菓子」を選考する。今年3月末の総会では新潟県で人気の焼き菓子と、東京メトロ一日乗車券を配布する予定だ。

 注目度の高さゆえの騒動もある。居酒屋チェーンを展開するコロワイド(東証1部・7616)の昨年の株主総会では、生チョコ発祥の店として知られる「シルスマリア」の焼き菓子とグループ店舗で使える3000円分の食事券がお土産として用意された。パシフィコ横浜の国立大ホールで行なわれたが、「会場はお土産目当ての個人株主でごった返し、お菓子がすぐになくなってしまった」(当日会場に行った株主)。

 同社の広報担当は、「お土産は後日発送して問題はなかった」とするが、同様の騒動は増えており、「株主から『お土産は1人一つなのか、議決権の数の分もらえるのか』という質問があり、総会の通知にわざわざ『1人一つ』と明記した」(食品業界IR担当者)という話まである。

 総会後のイベントも話題となる。芸能事務所のアミューズは所属タレントが株主限定ライブを行なう。

「2007年の総会後に福山雅治のライブがあって評判となり、翌年3月末の権利確定日前にはアミューズ所属のサザンオールスターズが『結成30周年を記念して総会に来る』と噂になり、株価がその2月だけで1割伸びた」(株主)

 同社に問い合わせが多数あり、「権利確定日の約2週間前に『イベントにサザンオールスターズ、桑田佳祐、福山雅治、ポルノグラフィティの出演予定はありません』という旨のリリースを出した」(同社広報・IR室)という。

 株主総会の特典で株価まで動く時代なのだ。

※週刊ポスト2015年3月20日号