『海のふた』 ©2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会

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よしもとばなな原作の映画『海のふた』が、2015年夏に東京・新宿の武蔵野館ほか全国で公開される。

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『海のふた』は、原マスミの同名楽曲にインスピレーションを受け、2003年11月から2004年5月まで読売新聞で連載されていたよしもとの小説。よしもとが毎年夏に家族で訪れていたという西伊豆の海辺が舞台になっている。

物語の主人公は、東京での生活に疲れ、地元の西伊豆にある小さな町に戻って糖蜜とみかん水だけがメニューのかき氷店を開いた女性・まり。一緒に暮らしていた祖母を亡くし、まりの実家に預けられる顔に火傷の傷を持つ「はじめちゃん」とまりのひと夏の交流や心の再生を描く。

都会で生活を送る中で、自分が変わらずに好きでいるものはかき氷だと気がついたことから地元へ戻るまりを演じるのは、菊池亜希子。はじめちゃん役を主演映画『シグナル〜月曜日のルカ〜』や、テレビドラマ『八重の桜』などで知られる三根梓が演じるほか、小林ユウキチ、天衣織女、鈴木慶一がキャストに名を連ねている。メガホンをとるのは、ドラマ『週刊真木よう子』、映画『花宵道中』などを手掛ける豊島圭介。また、まりが作るかき氷の監修を神奈川・鵠沼海岸のかき氷店「埜庵」の石附浩太郎が担当しているほか、挿入歌として原マスミ“海のふた”が使用されている。

菊池は、同作のオファーを受けた際の印象について「この物語が映画化されると聞いて、嬉しいのはもちろんだけどそれよりも、あまりにも肌の合うこの作品に自分が出演するという事実をストンと体全体で受け止めた感じです」とコメント。また、役づくりについては「私自身と『まり」は、共感という言葉ではおさまらない重なり方をしていました。心の奥の深い部分でしっかりと繋がっていたような気がします。まりが感じていることは、そのまま私が感じていることでした。だから、役づくりという作業は必要なかったです」と説明している。

三根は、顔と心に傷を負っているという役どころについて「自分の頭の中に、はじめ像はできていたのですが、それを体現しようとするとなかなかうまくいかず、すごく苦しかったし、悩みました。ですから自分ひとりで考えこむのをやめて、監督とたくさん話をするようにしたり、菊池さんのお芝居をしっかりみて、その時感じたものを大切にするようにしました。そう心がけているうちに少しずつはじめが自分の中におちていったように思います」と語っている。

豊島監督は、原作の映画化について「女の子ふたりの友情ともつかない不思議な関係の物語、夢をかなえることはキレイゴトだけではすまないんだよというテーマに惹かれました。映像化には非常にチャレンジングな題材なので燃えました」とコメント。また、菊池と三根に印象については「菊池さんは聡明でバランス感覚がいい印象ですが、その下にマグマのような激情が流れているような気がします。三根さんはマジメで不器用ですが、獣のようなどう猛さが溢れている人です」と明かしている。

■よしもとばななのコメント
私の第二のふるさと土肥が美しく撮られていて、いつも家族で歩いた場所ですばらしい人たちが真摯に演技をしている、それだけでもう幸せ!

■菊池亜希子のコメント
心から好きだと思えることがある。 
全てをなげうって、そのために生きる決意をする。
それは、決してやさしいことではない。きれいごとでは済ませられないこともいっぱいある。
それでも、そうやって生きると決める。

この映画は、女の子の夢物語なんかでは決してなく、日々の営みに対する讃歌のような映画です。
土地ときちんとつながること。
人ときちんと向き合うこと。
それが、生きるということ。

見たらきっと、体の中にある大切な何かがキンと響くはず。
かき氷を食べたときの、染みるけど愛おしいような、あの感じ。
是非、味わいにきてください。

■三根梓のコメント
心や、からだがふわっと軽くなるような、心地よくて優しい気持ちになれる映画です。そして、演じる、ということを改めてじっくり考えさせてもらい、挑戦した役ですので、是非たくさんの方に観ていただきたいです。

■豊島圭介監督のコメント
もともとアウトドアな人間ではないのですが、西伊豆の「海の力」みたいなものに当てられた瞬間がありました。菊池さん演じるまりが海に浮いているカットを見ながら、なぜだかもの凄く感動するという経験をしました。映画にそれが映っているといいなあと思います。