中島とともに4ゴールを決めた鈴木。泥臭く押し込んだゴールからヘディングシュートにボレーなど多彩な形でゴールを決めた。

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 大勝劇の口火を切ったのはエースの左足だった。
 
 8分、原川のエリア内からのシュートをGKがファンブル。こぼれ球にすかさず反応した鈴木が先制点をもたらすと、13分には細かいパスワークから中島の追加点をお膳立て。これでチームを勢いづかせるととともに、鈴木自身も波に乗った。

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「良いボールが来たので決めるだけだった。ヘディングは苦手なので決められて良かったです」と、左SB山中からの完璧なクロスを打点の高いヘディングシュートで決め2点目を奪うと、41分の3点目は足技で魅せた。中島、荒野とつながれたパスで左サイドを崩し、難しい角度から右足でゴール右上を射抜く。
 
51分には右SBの松原のクロスに左足で合わせて4点目。多彩な得点パターンでストライカーとして存在感を放った。
 
「いろんなパターンでゴールを決められたのは良かった」
と振り返った鈴木のゴールショーは、“エースの座は譲らない”と言わんばかりの強烈なアピールとなった。
 
3月27日から始まるリオ五輪1次予選に向けて、この試合で結果を残さなければならない理由があった。マレーシアで行なわれる大会から、欧州組の南野(ザルツブルク)、久保(ヤングボーイズ)が加わり、FW争いは熾烈を極める。チーム立ち上げから前線を牽引してきた身としては、エースの座を易々と手放すわけにはいかない。
 
「(南野と久保は)もちろんライバルなので、負けたくないという気持ちはあります。ただ、彼らもチームメイトなので、団結して戦っていきたい」
 
 ライバル意識を過剰なまでに表出させることはなかったが、内に秘めた想いは強いだろう。この試合での4得点は、激しいポジション争いに打ち勝つための布石にもなったはずだ。
 
 14年1月の「手倉森ジャパン」発足から通算11得点(全13試合中)となった。立ち上げ当初こそ結果を残せず苦しんだが、気が付けばチームトップスコアラーとなり、前線での地位を固めつつある。
 
「個人としてもチームとしても、まだミスが多い。そこをしっかり改善して五輪予選に臨んでいきたい」と試合後に語ったストライカーは、五輪予選での個人目標について訊かれると、「取れるだけゴールを取りたい」と続け、確かな自信を窺わせ会場を後にした。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)