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5日発売の『週刊新潮』は、上村遼太くんを殺害した容疑で逮捕された少年Aの実名と顔写真を記事に掲載した。少年事件の実名報道は少年法では禁じられており、日本弁護士連合会は遺憾の声明を発表した。

「少年法は、罪を犯した少年の保護と更生を目的としています。更生の見込みがあれば、言い渡された刑期の範囲内で出所できます。少年の出所後のプライバシーを守るためにも、実名報道を禁じているのです」(社会部記者)

Aは遼太くん殺害について『彼が、友人たちに慕われていることがムカついた』などと、動機にを話し始めているという。山口宏弁護士に、Aの量刑についての見通しを聞いた。

「従来の少年事件の裁判の判例でいけば、リーダー格のAの量刑は、懲役8年あたりになることが予想されます」

Aには、その凄惨な犯行から厳罰を求める声もあがっている。しかし、前出の社会部記者は、Aは少年法に守られているため、厳しく処罰することは難しいと指摘する。

「少年は、少年法に則って裁かれることが定められているのです。たとえ残虐な犯行であっても、それを理由に量刑を重くすることはできないのです」

13年10月、18歳の女子高生が殺された東京・三鷹ストーカー事件の被告は当時21歳。成人していたため少年法は適用されなかった。Aが成人していれば、この事件と同等の20年以上の懲役刑が待っているはずだったが……。山口弁護士が解説する。

「三鷹の事件では交際相手をナイフでめった刺しにして殺害し、一審では懲役22年の判決を受けました。三鷹のストーカー事件などと比べれば、Aに少年法が適用されることで、“量刑が成人の半分以下になる”のは甘すぎという声はそのとおりだと思います」(山口弁護士)

少年Aが遼太くんを殺害した“鬼畜の償い”は「懲役8年」。Aには更生の可能性があるとはいえ、あまりにも短すぎる“贖罪の期間”に怒りを禁じえない――。