4大メジャーに次ぐ規模で行なわれている世界選手権シリーズ(WGC=年間4大会)の第2戦、キャデラック選手権(3月5日〜8日)がフロリダ州のドラルで開催された。世界ランキング1位のロリー・マキロイ(北アイルランド)や、5位のアダム・スコット(オーストラリア※大会後、世界ランキング4位に浮上)ら大物も顔をそろえる中、注目の松山英樹は、4日間通算2オーバー、23位タイに終わった。

 ほとんどのホールで大きな池が待ち構え、フェアウェーやグリーン周りのやっかいなところにバンカーが点在。そのうえ、グリーンは超高速。米ツアー屈指の難コースに、松山も初日から苦しめられた。10番スタートから、12番パー5でバーディーを奪って先行するも、14番で3パットのボギーを叩くと、そこから一気に6連続ボギー。4オーバー、59位タイと出遅れた。

「ゴルフの内容はそんなに悪くはなかった。ショットが曲がったことでボギーになった感じもしなかったし、パットが極端に悪かったわけでもなかった。自分でもよくわからないうちに、6コも(連続でボギーを)打ってしまった」

 難しい位置にピンが切られた2日目、3日目は、全体的にスコアが伸びなかった。結果、松山も両日とも「72」のイーブンパーでフィニッシュした。それでも、他の選手がスコアを落とした分、3日目を終えて、順位は40位タイまで上がった。

「初日に比べると、この2日間(2日目、3日目)のほうが、ストレスが溜まるラウンドでした。ある程度フェアウェーをとらえて、グリーンにも乗っているのに、スコアがなかなか伸びなかった。パットもいい感じで打てているんですけど......。惜しいパットもいっぱいありながら、入らなかったな、というイメージです。我慢比べの大会? そうですね。我慢できていなかったら、(自分も)ロリーみたいにクラブを(池に)投げている(笑。※)」
※2日目の前半8番ホール(パー5)、ロリー・マキロイがセカンドショットをミスして池ポチャ。直後に持っていた3番アイアンを左の池に放り投げた。

 強風に見舞われた最終日。難しいコンディションの中、多くの選手がスコアを落としたが、松山は5バーディー、3ボギーの「70」と、今大会始めてアンダーパーをマーク。後半の11番、13番と、バンカーから2度のチップインバーディーを決めて勢いに乗った。

「(ゴルフの出来は)4日間でいちばん悪かった。ショット、パットともにあまり良くなかったけど、(バンカーから)2回チップイン。16番、18番でも、難しいバンカーからうまくリカバリーできた。そこら辺がすごく良かった。結局、アンダーパーで回れたのは、2度のチップインのおかげ。ただ、そうしたことは常に続けられるわけじゃない。それぞれ、あんなバンカーに入れてしまうことが問題。もっと内容がともなって、結果も出せるようなゴルフができないといけない。難しいコースで、自分のプレイができないもどかしさがある」

 難コースに翻弄された4日間だった。ゆえに、連日松山からは不満の声が漏れた。しかし一方で、今季これまでの松山に比べると、前向きな発言も目立った。年明けから「フィーリングが合わない」とこぼしてきたショットやパットについても、回復の兆しが見え始めているようだ。

「(初日は)ちょっとしたことでボギーが重なって、取り返しのつかないスコアになってしまったけど、その中でいいショットも、いいパットもあった。また、トップとの差がこれだけ開いてしまうと(14打差)、気持ちが切れてしまいそうになるけど、今日は切れずに(自分が)やるべきことができた。10オーバーくらいいってもおかしくなかったけど、よく踏ん張れたかな、と思う。

 2日目は、ショットの感触もよくなって、チャンスもあった。(ボールが)ピンに向かって飛んでいくようになってきたので、うまく距離感をコントロールできるようになれば、さらに多くのチャンスを作れるようになると思う。

 3日目には、パットのフィーリングも良くなった。決まらないのは、グリーンのスピードとラインの読みが合っていないのかな、と。結局、それがうまくいかないのは、このコースとの相性の問題かな? と思いますけど。だから、パットが決まらないことは、あまり気にしない。自分としては、このストロークを続けていければいいな、と思っています。

 最終日の内容はよくなかったですけど、悪いなりにうまく(スコアを)まとめることができた。ショットは、方向性を出せるようになったので、すごく明るい兆しが出てきたな、と思っています。パットも、この4日間でうまくできたものを崩さないようにしていきたい。いずれにしても、(最近は)いい状態で試合を終われているので、これを次の試合でも生かせるようにしていきたい。それが、課題ですね」

 23位タイに終わった今大会。結果に関しては満足できるものではないだろう。だが、最大目標となるメジャー第1弾のマスターズ(4月9日〜12日/ジョージア州)がおよそ1カ月後に迫ってきた今、ずっと悩まされてきたショットやパットが上向きなのは明るい材料だ。大舞台での飛躍へ、夢が膨らむ。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva