2015年に入って4戦連続予選落ち。今年の5試合目となった「ザ・ホンダクラシック」では予選を通過して25位タイに入ったものの、翌週の「プエルトリコ・オープン」では73位タイと最下位付近でのフィニッシュ。2012年に2位に入る活躍を見せた得意コースながら過去4年でワーストの結果となった。苦しい年明けとなった石川遼は、今懸命にアメリカで戦う自分の心と向き合っている。
石川遼、浮上ならず73位も…今後につながる“気づき”
 フィールドの厚い米ツアーでは1打のミスが大きなダメージとなって自らに返ってくる。2013年に始まった石川の米ツアー本格参戦はそのあまりにも違う環境になじむことから始まった。本格参戦初年度は日本ツアーでのように“優勝”だけを目指して戦った。しかし、日本でなら取り返せていた攻めの代償は米ツアーは逆に何倍にもなって石川に降りかかった。予選落ちを繰り返した結果レギュラーシーズン中でのフルシード確保はならず、下部ツアーとの入れ替え戦に回った。
 入れ替え戦から這い上がって迎えた2013-14シーズン。明らかに石川のプレーは変わった。シード確保を第一目標に掲げ、丁寧なプレーで予選通過を重ねていく。ギリギリで予選を通りながらも、決勝ラウンドを戦い終わってみれば上位に近い位置でフィニッシュする。そんな石川の姿を見慣れたころには、シード獲得ラインを大きく上回る位置でシーズンを終えていた。苦しみを知ったからこその進化だった。
 そして迎えた2014-15シーズン。目標に掲げたのは「狙う」という言葉だった。優勝を“狙う”、ショットの落としどころを“狙う”、ピンを“狙う”様々な狙うということにフォーカスしてシーズンをスタートさせた。ここまでは決して“狙った”通りの結果が出ているとは言えないが、石川はプエルトリコ・オープン終了後に改めて自分の目標を口にした。
 「(やりたいことは)僕の言葉では“本筋”と言いたい。本筋一本でトライしていくということ。たとえば、どこのコースでも誰もが池には入れたくないけれど、池があるのは知っているし考えている。でも打つときになったらそこは見えていない。自分がやることしか見えていない。それが本筋だと思う」。
 迷うことなく本筋だけを狙う。しかし、米ツアーの難コースは簡単にそれを許さない。ピンが厳しい、池が多く絡む、ラフが深い…そうした要素を考え出すと守りに入りたくなるのもまた事実で「例えば、フェアウェイに打ちたいけど、右にある池にいきたくないなっていう求めるものが複数あるとどっちもできなくなる」。自分のスイングにフォーカスするという“本筋”を見失った時に“狙い”がブレていく。それは技術面だけでなく心の戦いでもある。
 「日本で10代でやっていた時、周りから見たら開き直っている感じで、両サイドOBで狭いホールなのにドライバーでマン振りしていくっていうのが僕のスタンスだった。そこにトライしていくっていうことしか考えてない。ある意味本筋。それがアメリカでそういう1打のミスが簡単に予選落ちにつなるというのを思い知らされた。ミスしちゃいけない、バーディを狙わないでやっていったほうがいいんじゃないかって思ったこともあった」。米ツアーの戦いに慣れていく一方で、“らしさ”を失っていた。
 石川は続ける。「でも、それを別に悪いとは思わない。攻め方は変わっても大事なのは常に本筋にトライしているかということ。先週(ホンダクラシック)は池があれだけ絡んでるコースで4日間通して5回ぐらい池にいれてるけど結局25位で終わっている。先週は本筋しか狙っていなかった。そこが僕の行きたい場所、求めてる場所かなという感じがする。もっとトライしたい。今はいくらできなくてもトライしていく。もっと強くそう思いたいし、それが必要だと思う」。
 石川はある時ボソっとこうこぼしたことがある。「僕、セべになりたいんすよ」。その時の雑談の意味合いは、あのセべリアーノ・バレステロスのように、どこに曲げてもリカバリーしてバーディを獲っていくようなプレーを見せたいといったような内容だったが、強い気持ちで本筋を狙ってトライしていくという言葉は、どこかあのレジェンドに重なる部分もないだろうか。もちろんセべになんてなれないけれど、強い言葉の中ににじんだ石川の覚悟。今すぐ結果につながらなくても、本筋へのトライをしっかり見届けたい。
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