――最近では「失恋ショコラティエ」「ディア・シスター」と、セリフが多く、セリフで感情を表す役が続いていましたが、「風に立つライオン」は2作に比べるとかなりセリフが少ないですよね。

石原:そうなんです。台本や原作を読んだだけでは理解しがたい感情みたいなものもあってケニアに行くまで悩んだりもしていたんです。私は結構頭で考えがちなタイプで、準備を事前にちゃんとしたいと思っていて、特に今回は「映画だし、スワヒリ語もあるし、医療もあるし、アフリカだし…って(笑)」。
でも(三池)監督が「現場に行けばわかるから」とおっしゃって。実際に行ってみたら、本当にわかりました(笑)。悩んでいたことすら忘れちゃうくらい。
セリフをなくした部分もあったんです。実際に現場に立ったら「どうやって言えばいいんだろう」と思う所があって。監督に相談したら「表情で見せて」と言われてOKをもらったんです。
和歌子は言葉にしなくても伝わる空気を持っている子だし、温かさだけで癒される、微笑んでいるだけで救われる、そういう子だなと思ったからセリフを過多にする必要もなく、説明をすることもなく、和歌子が“ただそこにいる”だけで何かが伝われば一番いいなと思って演じていました。


「無償の愛の大事さを感じました。慈しみを持った女性になりたい」


――今回の役を演じたことで、これからの役のアプローチとか変わってきそうですか?


石原:役への影響はわからないですけど、私自身は「無償の愛」の大事さ、素晴らしさを和歌子を演じたことで本当に感じました。慈しみを持った女性になりたいですね。和歌子ってすごくかっこいいなと思うんです。自立もしているし、強いし、なのに温かいし、優しいし、すごく憧れる。
和歌子のように意志があれば絶対に行動に移せるんですよね。人間って不自由に見えて意外と自由。日本にいるからどうとか、ここにいるからダメなんだとか、人のせいにしないと生きていけないこともあるかもしれないけど、実際はそうじゃないってことをこの作品から知ることができると思います。私もこの映画のおかげで「強く生きよう」と思うことができたから、女性の方に和歌子のそういう部分を感じてもらえたらいいなと思います。


「一人でいるのもいいけど、安らぐ人達と一緒にいることで深呼吸を」


――最後に、「Peachy」とは「ゴキゲン」という意味の英語のスラングなんですが今、石原さんのゴキゲン・Happyの源になっているものはありますか?

石原:久しぶりに自転車に乗るようになりましたね。
ドラマの撮影で足を出すこともあって、怪我しちゃいけないから控えていたんですけど。今はオフの日なんかに都内とかをよく走っています。友達と自転車で待ち合わせして、カフェに行ったり買い物したり。毎日仕事でいろんな人に会っているので人疲れしちゃうこともあるんですけど、そんな時は一番安らぐ人達と一緒にいることで深呼吸している感じですね。

――人疲れを解消するために人に会うんですか? 1人になるとかではなく?

石原:1人でいるのもいいんですけど、でも私は人にやっぱり救われていますね。



映画「風に立つライオン」は、3月14日(土)全国ロードショー!
「風に立つライオン」公式サイト:http://kaze-lion.com/


撮影:椿孝
取材・文:木村友美

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