ニッポン放送の煙山光紀アナウンサー(写真左)と、洗川雄司アナウンサー(右)。今日7日のJリーグ開幕戦は煙山アナが実況を、洗川アナがピッチレポーターを務める。

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ニッポン放送サッカーパーソナリティ煙山光紀アナウンサーと洗川雄司アナウンサーに聞く、どうなる?日本サッカー2015。後編は今日3月7日に開幕するJリーグの見どころ、注目チームとリーグとしての課題について。
(前編はこちらから)

《大混戦のJリーグは監督にも注目!》

─── 今年のJリーグの見どころという部分で、注目チームはどこになるでしょうか?

煙山 今年も変わらず大混戦! ガンバ大阪、浦和。そして川崎、鹿島、名古屋、FC東京、柏、神戸ぐらいまで優勝のチャンスがあるんじゃないかと思っているんですけども。

洗川 個人的には鹿島に注目しています。結構、若い選手が出てきているので。

煙山 そうですよね。去年のヤングプレーヤー賞を獲得したカイオといい、昌子(源)、植田(直通)。うん、鹿島、注目ですね。

洗川 ちょっと前までは、Jの中でも年齢層が高い印象のチームで、世代交代大丈夫? という声もあったんですが。今年のチーム状況とはズレるかもしれませんが、昨季限りで引退した柳沢敦がコーチとして古巣・鹿島に戻り、中田浩二もチームスタッフとして残ることになった。新人が次から次に出てきてOBも活躍する……フロントの軸がしっかりしているというか、さすがはアントラーズという気もします。

煙山 サッカーの方向性というか伝統がちゃんと続いている、唯一のチームかもしれないですよね。代表にも見倣って欲しい(笑)。

洗川 あと、妙に気になっているチームがもう3チームあります。FC東京と名古屋と広島。FC東京は、前田遼一の獲得という、ある意味で一番目立つ移籍を成功させています。そこに加えて、左の太田(宏介)が好調です。ずっと継続していいサッカーをしてきて、もういい加減、中位よりも上に来ていいんじゃないかなぁと。

煙山 FC東京は代表勢も多いですからね。僕、実はFC東京のSOCIOなんですよ、東京ガス時代から。会員ナンバー7番!

洗川 おぉぉ。

煙山 そんなSOCIO会員から言わせてもらうと、前田遼一は確かに補強だけど、まだまだ足りない。もっと補強してよ! と。2ステージ制になって、せっかく勝負をかけていいシーズンなのに、すごくもったいない。SOCIOとしては歯がゆいです……あ、もちろん実況のときは公平ですけど(笑)。

洗川 その意味でも、名古屋にスロベニア代表のノヴァコヴィッチが加入したというのは注目したい点です。

煙山 そうですよね。僕も名古屋には注目しています。特に、西野朗監督。西野監督といえば、今のガンバ大阪の原型を作って、一時期は「次の日本代表監督も」といわれていた人物。まだまだ終わって欲しくない。ノヴァコヴィッチという得点が取れる選手をとったわけだから、あとは監督の手腕が大きい。もう一花咲かせて、もう一回日本代表監督を目指すくらいの意地を見せて欲しいですね。

洗川 監督という目線で言うと、広島にも注目したいです。あれだけ毎年のように他チームに選手を抜かれても、次から次に若い人材が出てくる。そこは、森保監督の手腕も大きいでしょうし、チームの伝統でもあります。ある意味で、日本人のスターを生んでくれそうな土壌があるのかな、という気がします。

煙山 僕は広島を優勝争いから外してしまったんですけど、逆にいえば、広島が優勝したらこんなに痛快なことはないですよ。そうなったら、森保さんも日本代表監督候補に浮上してもいいと思います。

《ガンバ大阪と浦和の差はどこにあった?》

洗川 去年3冠を達成したガンバをどう見ていますか?

煙山 僕、去年のこの座談会で「ガンバが優勝する」って言ってるんですよ(笑)。根拠は長谷川健太監督を評価しているからだったんですけど、ちゃんと結果を出してくれました。でも、今年はちょっと苦しいかなぁと思っています。まずはACLがあること。

洗川 早速2連敗してしまって苦しい状況ですが。

煙山 2つ目の理由は、今野(泰幸)がいきなり怪我をしてしまった。そして3つ目が宇佐美(貴史)は研究されてくるんじゃないかと。それでも、長谷川健太監督ならどこかのステージで優勝争いには絡んでくるとは思っているんですけど、苦しむシーズンになるのは間違いないでしょうね。さすがに3冠とかそういうのは厳しいと思っています。

洗川 やっぱり、去年はノーマークだった部分も大きいですからね。昨季、サッカーコメンテーターの金子達仁さんが中継で何度も触れていたことが「パトリックがはまった!」と。

煙山 宇佐美とパトリックがはまったのも間違いないんだけど、前提としては、健太監督のチーム作りがシーズンを通してブレなかったのが大きい。チーム戦術がちゃんとしていて、守備も安定していて、監督がブレないでいたら、浦和の方が失速してしまった。

洗川 確かに。

煙山 普通にやっていれば、浦和が優勝したと思うんです。でも、終盤の直接対決(第32節)で、浦和のペトロビッチ監督が自滅してしまった。もう完全に、監督の差で負けたな、という感じでした。

洗川 交代のカードを切るタイミングとか。

煙山 それこそ、宇佐美とパトリックというチーム躍進の象徴だった2人を変えて勝負に出たわけじゃないですか。

洗川 しかも、その代わった選手が得点を決めるという。

煙山 まさに神采配! 一方のペトロビッチは、その一戦で負けても優勝の可能性はガンバよりあるのに、スクランブル体制で臨んでしまった。特に、興梠(慎三)がまだ完調していないのに出してしまって、そこでまた怪我をさせちゃった。「別にここで負けても大丈夫だよ」と悠然と構えられれば良かったんですけど、「決戦だぁ」と浦和の方が気負ってしまった。あの時点ではそんなにビビる必要はなかったと思うんですよ。

洗川 マラソンで、追うほうと追われるほうの心理が出ちゃった感じですよね。

煙山 それどころか、負けてもまだ抜かれたわけじゃなかったんだから。「最終的にゴール(優勝)すればいいんだよ」という姿勢で臨めなかったのが指揮官としてどうだったのかなぁと。

洗川 その浦和は、今年どう見ますか?

煙山 1シーズンだったら危ないですけど、ファースト・セカンドとあるんだからどこかはタイトルをとるでしょう。むしろ、あの戦力でとれなかったらちょっと……ね。

洗川 浦和は今年も、なりふり構わず大補強をしました。

煙山 そうなんですけど、今のJリーグの場合、補強といっても自分たちの中で行ったり来たりしているばかりで。もちろんそれも、他チームの戦力を削るという意味では間違ってないんですが、もっとこうワクワクするような、昨季のセレッソみたいな「大物来たる!」みたいのが欲しかったなぁと。

洗川 ドメスティックな移籍だけじゃなくて。

煙山 それが、ACLでの日本勢の低迷にもつながっている気がするんですよ。もう歯がゆくて。

洗川 逆にいうと、セレッソには成功して欲しかった部分もありますよね。フォルラン獲得でも結果につながらなかったということで社長まで辞任する形になりましたけども、そうなることで他のクラブも含めて、大物移籍自体を恐れてほしくないなと思います。

煙山 そうですね。Jリーグの中だけで異動するんじゃなくて、移籍市場ではもっとチャレンジしてもらいたい。そうじゃないと、興行としても盛り上がりに欠けちゃいますから。3チームぐらいがフォルラン級の大補強をしてくれるとだいぶ違ったのになぁという気がしています。大補強を続けていかないと、本当の意味でJリーグにビッグチームが生まれないと思うんですよ。

《2ステージ制が有利になるのはどのチーム?》

─── 毎年この座談会では、煙山アナウンサーが「ビッグチーム、トップチームが2チームぐらい出てくれないと」という話題を振るのに、今年もやっぱり大混戦です。

煙山 そうです。大混戦も飽きました(笑)。ただ、今年から2ステージ制に変わりました。2ステージ制は大混戦が合っているやり方なので、今季どうなるかは楽しみですけどね。

洗川 先日、ガンバの長谷川監督にインタビューした際、2ステージ制はどうですか? と聞いてみました。「ACLも含めた過密日程でスタートは不安です。でも、もし1stがダメでも、2ndで気持ちを切り替えられるという意味では、いいレギュレーションなのかなとは思います」というコメントをいただきました。

煙山 ほうほう。

洗川 実際、去年のガンバ大阪の勝因を探る上でポイントだと思うのは、W杯の中断期間があったことですよね。その期間で現有戦力をもう一回見極めることができ、そこにパトリックが加入してきた。後半の快進撃を見ると、今年からの1st・2ndの2ステージ制にも当てはまる可能性はあるのかなぁと。当然それはガンバ以外のチームにも言えることだと思うんですけど。

煙山 そうですね。ちゃんと切り替えられる、計算ができる監督がいるチームと、あとはフロンターレあたりが2ステージ制はチャンスだと思うんですよ。

洗川 一瞬のアクセルを踏む感じ。

煙山 そう。1年っていうことになるとどうしても波があるチームなので毎年あとちょっとが届かないんですけど、17試合だったらいけるんじゃないかと。

洗川 2年前の例でいうと、大宮が前半戦は連勝記録を続けて首位を走り、反対に後半は新潟が勝ち点でトップだったんですよね。そんな風に、1st・2ndのどちらかで抜け出てくるチームはありそうですね。

煙山 前後期制だった1999年のケースを調べてみたら、チャンピオンシップを優勝したジュビロって年間の勝ち点が49しかなかった。これ、勝ち点だけでみれば年間6位の数字なんですよ。彼らは1stで優勝したあと、2ndを捨てたんですよ。もちろん、最初は両方狙っていただろうけど、怪我人が多かったこともあって最後は明らかに2ndを捨ててチャンピオンシップに備えていた。去年の浦和の例でいえば、興梠を無理に使う必要もないわけですよね。そういうチームマネジメントをちゃんとできるチームは有利なような気がします。

《開幕戦は本日14時キックオフ》

─── 最後に、今日7日の開幕戦、ラジオ中継の見どころを教えてください。

洗川 ガンバ大阪対FC東京の中継で、煙山アナウンサーが実況で、サッカーコメンテーターが金子達仁さん。私、洗川がピッチレポーターを務める予定になっています。ガンバはACLで連敗スタート。ゼロックス・スーパーカップは、先ほども名前の出た宇佐美とパトリックの2人が得点を決めて浦和に勝ったので、ACLの負けは引きずっていないと思うんですが、どんなスタートを切るのかに注目です。

煙山 ガンバは立ち位置としては横綱なわけですが、そのあたりどういう意識で戦えるか。受けて立っちゃうとマズイと思うんです。そこまでの力の差があるとは思わないので、アグレッシブにいけるかどうか。

洗川 真新しさは、FC東京のほうにありますからね。

煙山 前田の意地とかを見たいし、武藤嘉紀がもう一皮剥けて、ワンランク上の選手になれるかどうか。大事なのは「熱量」だと思います。去年3冠だったからとか、連戦続きだったからだとか、ACL負けちゃったとか、そんなのを振り払う熱量を持って開幕にぶつけられるかどうか。熱量をテーマにして放送をお届けしたいと思います。

◆ニッポン放送Jリーグラジオ 2015 年開幕戦
3月7日(土)14:00〜 万博記念競技場
ガンバ大阪 × FC東京
サッカーコメンテーター:スポーツライター・金子達仁         
サッカーパーソナリティ:ニッポン放送・煙山光紀アナウンサー
ピッチレポーター:ニッポン放送・洗川雄司アナウンサー

(オグマナオト)