『あ・ら・ぱ・あ・ぷ 顔面溶解女のおたけび』原題『ALAPAAP』1986年/フィリピン/95分監督:タタ・エステバン出演:ウィリアム・マルティネス、マーク・ギル、タニア・ゴメスほか

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「あ・ら・ぱ・あ・ぷ」って何? 文字間の「・」も謎だ。これまでも『夜霧のジョギジョギモンスター』とか変なタイトルの作品をたくさん紹介してきたが、今回のも意味わかんねえなあ......と思っていたら、『ジョギジョギモンスター』と同じソニービデオのマニアックなレーベル「EXCITING」シリーズだった(納得)。

「あらぱあぷ」を調べてみると、フィリピン映画だけにタガログ語の「ALAPAAP」(雲の上、雲と天国の間)のようだ。キャッチコピーは「今、解き放たれる禁断のゴーストストーリー!」。このビデオが発売された1987年は、香港のスピルバーグことツイ・ハーク製作による『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』がヒットした年。だからビデオジャケットにある髪が風になびく女は、そのポスターのパクリだ。いろいろと謎が解けてきたが、最大の謎はジャケの下半分に出ている「顔面溶解女」らしきバケモノ。どんな雄叫びを上げて人を襲うのか、じっくり見てやろうではないか。

病室のベッドに横たわる映研部の大学生ジェイク(入院の理由は現時点で不明)は、見舞いに来ている母親に「友達、映画......全部、麻薬の原因よ。悪い友達と手を切りなさい」と説教を食らっている。そんな入院生活に嫌気が差したジェイクは病院を抜け出し、映研仲間らとペットの大型犬ジャバーを連れて自主映画の撮影に向かう。一行を乗せた車は、山間部に建つ古宿に到着。宿主に「娘は2か月前、旅行者にレイプされ殺された」と聞かされ、初日から暗い気分のメンバー達。

その日の深夜、寝ていたジェイクは仲間のドナルドの彼女ベッツィに起こされる。戸惑うジェイクのアレをベッツィがパクッ! だが彼女が顔を上げると、それは死んだ宿主の娘パエグの顔だった。そしてジェイクの部屋の前で2人の嬌声を聞いてしまうドナルド(あちゃ〜)。でも室内に踏み込めず、部屋に戻って泣くチキンなドナルドの前で、置物の木像が血の涙を流し始める。翌日ドナルドは「オバケが出た」「ベッツィがジェイクの所へ夜這いに」と兄デイブに訴えるが全く信じてもらえず、エレキテル連合のような顔をしたパック中のベッツィも「ヤクのせいね」と一刀両断。

森では、ジェイクも昨晩のことを「ヤクのせいか?」と考え込んでいる。すると、誰かがジェイクを呼ぶので声がする方へ行ってみると、滝壺にはオッパイ丸出しのパエグが。2人は滝壺でやり始め、そこへデイブとドナルドの兄弟がロケハンにやって来る。ドナルドは女がベッツィではないのでひと安心し、2人の行為を悪戯心で撮影開始。その夜、撮った映像をジェイクに見せに行く兄弟。だが再生すると、3人の顔が凍り付く。そこにはジェイクしか映っていなかった。ここは怖い場面だが、全裸で滝に打たれてオナニーしている変態にしか見えないジェイクに笑える。

やがて霧が立ち込め、ジョン・カーペンター監督『ザ・フォッグ』(80年)風に霧が宿内に侵入。霧と共に父親の部屋に現れるパエグの幽霊。どうやら自分を殺した犯人が未だ捕まらないので成仏できないというのだ。「あいつらが犯人の代わりに償うのよ」とムチャブリ言う娘の幽霊に「無関係の人を巻き込むのはやめなさい」と至極正論で説得する父親だが、パエグの霊力で苦しみ出し倒れてしまう。

一方バスルームでは、デイブとその彼女のクリスがセックス。終わるとデイブはウンコ。シャワーを浴びたクリスがドライヤーで髪を乾かしていると、突如彼女の顔面にドライヤーの風口が向く。「アチチ」とクリスの悲鳴に、尻をよく拭かずに(バッチイ)デイブがシャワー室に入ろうとするがドアは開かない。熱風はクリスの顔面左半分だけに集中し、表皮が焼けただれていく。恋人の悲痛な雄叫びに、ガチャガチャとドアを開けようと必死のデイブだが、ドアノブだけがスポーン! やがて声も出なくなったクリスは口から泡を吹き、顔の左側の皮膚が溶けていく。これが「顔面溶解女」か!

まあ、ここがクライマックスであることは確かで、最後はパエグの霊力で互いが殺し合い、1人生き残ったジェイクが気付けば病院のベッドの上。周りには仲間達とジャバー(え? フィリピンの病院って犬OK?)がいる。デイブ「ジェイク、だから麻薬はやめろって言ったろ?」。夢オチというか、ジェイクはヤク中で入院していたのだ。ついでに、そこにいたナースが実はパエグだった! イヒヒヒ......という、取って付けたような有りがちラストで完!