ひと駅コラム「それ、気になってました」(15)

 3月2日に発表された男子テニス世界ランキングで、錦織圭選手は自身最高の4位に上がった。錦織選手の獲得ポイントは5415で、3位のラファエル・ナダル選手に260ポイント差まで迫っている。

 そもそも男子テニスの世界ランキングは、どういった仕組みで決められているのか。

 まず、世界ランキングには"エントリーランキング"と"チャンピオンズレース"の2種類あり、世界ランキングと言われるものは基本的に"エントリーランキング"を使用している。過去52週間(約1年間)に出場した大会の中で、好成績を収めた上位18大会のポイントを合計して、ランキングが出されるが、毎週更新されるので、頻繁に順位が変動する。

 そして、ランキング対象の大会は6段階に分けられており、ポイントが高い順に、グランドスラム(優勝者は2000ポイント獲得)、ATPマスターズ1000(優勝者は1000ポイント獲得)、ATP500シリーズ、ATP250シリーズ、チャレンジャーズ、フューチャーズとなっている。

 このほかポイントが得られる大会として、昨年末に錦織選手も出場した、その年の上位8選手だけが出場できるATPワールドツアー・ファイナルがある。この大会に出場した選手のみ、19大会でポイントが計算される。

 しかし、ポイントを維持するのは非常に難しい。例えば全豪オープンで優勝して2000ポイントを獲得しても、1年後の全豪オープンで前年の全豪オープンのポイントは消えるため、そこでまた結果を残さないと、ポイントは減少してしまう。

 この1年間の躍進で世界ランキング4位まで上り詰めた錦織選手だが、これからはこのポイントを死守しながら、さらに上位を目指すという難しい挑戦が待っている。

スポルティーバ●文 text by Sportiva