−−今回のシングル『ありがとう』は別の方が作曲されていて、カップリングの『シャボン玉みたいに』は作詞も作曲も新山さんが担当されてますが、作曲よりは作詞に対するこだわりの方が強いですか?

新山:昔から言葉を書くのがすごく好きで、中学の頃も日記を毎日書いて、最後にポエムのようなものを書いてました。今も詞を書く時は、その時々の自分の素直な気持ちをどれだけシンプルに言葉に書けるかで、すごく悩んだり。自分で曲を作る時も、最初に言葉を書いてから、メロディが出てくるという順番が多かったり。作曲も大事なんですけど、どちらかと言うと、作詞の方が想いは強いかもしれないです。

−−歌詞を書く前は、どんなことを書いていたんですか?

新山:ひたすら箇条書きで、その場で出てくる単語を書いてみたり。好きな本や漫画を読んだり、そういう時にちょっとヒントをもらえたりするので。自分が今すごく考えていることがあるんだけど、なかなか上手く言葉に表せない時とか、本や漫画の主人公の台詞とかがすごく重なる時に、それを基に自分なりに書いてみたり。

−−歌詞には実体験や自分自身を投影するのと、自分ではないキャラクターをイメージするのとでは、どちらが多いですか?

新山:大体は自分の中から出てくる、自分の姿がほとんどで。時々、ショートストーリーを考えて、主人公の気持ちになって書いてみたりするけど、最終的には、「あっ、これは今の自分と同じだ」って重なるので。結局は、その時々のそのままの自分に繋がっていると思います。

−−『ありがとう』は、新山さんの親友をイメージして書かれたそうですが、どんな方ですか?

新山:幼稚園から小、中、高とずっと一緒で。今、その友人は進学していて、私は音楽一本なので、あまり会わなくなりました。

−−人見知りな性格もあり、人付き合いは“広く浅く”よりは“深く狭く”かと想像するのですが、仲良くなる人は自分と共通点が多いのか、自分には無いものを求めるのか、どちらですか?

新山:周りから見ると正反対の友だちが多いように見えるかも知れないんですけど、すごく共通する根本的な部分はみんなあって。人付き合いがちょっと苦手だったり、なかなか周りに溶け込めなかったり、そういう所は結構同じ。その親友とは、趣味とか、好きな物と嫌いな物とか全部、真反対なんですけど、そういう所だけは全く同じという。

−−卒業して学生時代の友人と会わなくなる一方で、例えば同世代のアーティストに刺激を受ける機会などありましたか?

新山:年末年始にテレビの収録で、同い年の大原櫻子さんと初めてお会いして。今まで年上のアーティストの方とご一緒することが多かったので、すごく安心感があったんですけど、大原櫻子さんは歌も女優もやっていて。自分は歌一本でやっているので、多分その間にあるものは全く違うと思うんですけど、立ち方と言うか、生き方といったら大袈裟かもしれないけど、常に真っ直ぐ見てる目が格好良くて、同い年なのにすごく大人っぽい雰囲気も漂っていて、素敵だなと思いました。