犬や猫には“発情期”がある。交尾をして子孫を残そうとする欲求が高まる限定的な期間のことだ。
 「ところが人間は、当然ながら年がら年中、発情期です。性欲は常にある状態で、交尾もいつでも可能なんです」
 と語るのは『脳で感じるSEX入門』の著者である、ドクター林氏だ。

 確かにそのとおり、我々はいつも性欲を持っている。しかしなぜ、ずっと人間が発情中なのか知らない方も多いだろう。
 「発情期は犬であれ、猫であれ、男性ホルモンの一つであるテストステロンが多く分泌されます。これは闘争心を煽るホルモンで、性欲も強くするんです」

 このテストステロンが、犬猫の場合、時期によって分泌量が異なるのだ。ところが人間は違う。
 「とくに人間の男性は、一定的にテストステロンの分泌が多いのです。だから、寝ても覚めてもムラムラしてしまう。ちなみに女性は変動型で、生理前から排卵期にかけてテストステロンの分泌が増えます。つまり、それ以外の時は、発情しにくい状況というわけです」

 さて、ここで問題だ。
 ほぼ一定的にテストステロンが高い分泌量を誇る男性なら、「最近、性欲があまりない」という悩みなど、出ないはずだ。それなのに、多くの中高年男性が性欲減退を感じている。
 「その答えは簡単です。本来、“死ぬまで現役”でいられるはずの男性であれ、ストレスを抱えたり運動不足になったりすると、テストステロンの分泌量が下がってくるのです。言い換えれば、性欲減退を解消するには、テストステロンを分泌を増やすのが一番なのです」
 つまり、テストステロンの分泌を高めて発情状態に持っていくのだ。

 その方法は色々ある。一つはやはり、体を動かすこと。特に筋力アップを狙うウエートトレーニングは、モロに男性ホルモンの分泌を向上させてくれるという。
 「筋トレで筋肉が疲労すると、脳が体を修繕しようとして、大量のテストステロンを放出させるのです。だから、日頃から筋トレをやっているスポーツ選手は性欲が旺盛なのです」

 とはいえ、運動嫌いの方は筋トレなんてしたくないだろう。そういう場合、1日1回は「興奮」するようにすべきだという。
 「テストステロンは格闘技やサッカーの試合を観戦したりして、“熱くなる時”も分泌されるんです。バイク好きの方は、バイクを乗れば自然と興奮が高まる。実はこれで十分、テストステロンの分泌は増えてくれるんです」

 自分にとって、興奮する材料を見つけるべきなのだ。
 「もっといえば、社内に可愛い女性がいて、その子とのセックスを妄想して、興奮するだけでもOK。もちろん、AVでも構いません。とにかく1日1回は、そういう時間を作るべきです」

 我々、人間の男性はもともと、ほかの生き物よりテストステロンの分泌が多い。年中、発情状態に持ち込むことは、そう難しくないことなのだ。
 「一番ダメなのは、平穏に暮らそうとすることです(笑)。男性は何歳になろうとも、刺激と興奮を求め続けていれば死ぬまで現役でいられるのです」

 中高年男性こそ、熱くなれる趣味を持つべきなのだ。

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。