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東北大学と富士通研究所は2月27日、スーパーコンピュータで実行可能な高解像度の津波モデルを共同で開発したと発表した。

同研究では、東北大学災害科学国際研究所が高解像度計算のためにモデルの整備を行い、富士通研究所が高効率の並列化手法を実現した。同成果は2月24日付け(現地時間)の米地球物理学会の論文誌「Geophysical Research Letters」オンライン版に掲載された。

東日本大震災では、地震発生から3分後に出された津波の高さの予報値が過小評価となり、リアルタイムでの推定法に大きな課題が残った。また、波高だけでなく浸水範囲などの情報の必要しも指摘されていた。津波の浸水シミュレーションは現在では広く用いられ、防災において実務上重要ようなツールとなっている。しかし、計算に時間がかかり、リアルタイムでの解析は一般に行われていなかった。

両者が開発した津波モデルでは、地震発生時に、沖合での津波の波形や陸地での地殻変動の観測データを用いて推測される、津波の根源となる海面変動を入力することで、短時間で津波の浸水状況を予測することが可能となる。例えば、東日本大震災では地震発生の1時間後に津波が仙台市に浸水し始めたが、同技術により最短約10分でおおよその浸水域を推定することができる。

また、震災の際に実際に見られた、仙台東部道路の盛り土が津波をせき止める様子や道路下の通路を津波が通り抜ける様子も再現することに成功。高解像度のリアルタイム解析を通じて、具体的な災害のイメージを事前に人々に伝えることで、より適切な避難行動につながることが期待される。