カリフォルニア州リビエラCC(パー71)で行なわれたノーザントラストオープン(2月19日〜22日)で、オフウィーク明けの松山英樹が奮闘。最終日に「67」の好スコアをマークして、トップと1打差の通算5アンダー、4位タイでフィニッシュした。今季4度目のトップ5入りを果たし、トッププロとしての貫録を示した松山。賞金ランキングは8位に、フェデックスポイントランキングも9位に浮上した。

「アイアンショットがちょっとずつよくなってきて、その分、(最終日は)チャンスが多くなった。(ボギーだった)8番と14番のプレイをもう一度やり直したい、という思いはありますけど、最後は(17番、18番と連続バーディーで)いい感じで終われてよかったな、と思う。また練習して、次、がんばりたい」

 2週前のファーマーズインシュランスオープン(2月5日〜8日/カリフォルニア州)では予選落ちを喫した松山。それでも、2日目にはドライバーショットの調子が戻り、松山本人はいい手応えを感じていた。それが、AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ(2月12日〜15日/カリフォルニア州)を休んでいた期間に、ショット、パットともに再び不振に陥ってしまったという。おかげで、試合前日のプロアマ戦後の、松山のコメントは歯切れが悪かった。

「練習での手応え? あれば(練習を)終えていないですよ。(感触がよくないのは)ショット、パット、アプローチ、全部ですね。(オフの間に)うまくいかなくなってきたものを、なんとか立て直していきたい感じです」

 不安を抱えたまま臨んだ初日、10番スタートの松山は幸先よくバーディーを奪ったものの、続く11番でボギー、14番でもボギーとして、なかなか波に乗れなかった。それでも、後半の1番パー5で奪ったイーグルが利いて、「70」をマーク。1アンダー、暫定17位と、まずまずの出足を見せたが、松山は不満の色を隠さなかった。

「何もよくなかったですね。1番はいいショット、いいパットが打てましたけど、他のホールは自分が納得できたショットというのは、ほとんどなかった。そこは、今の(自分の)調子がそのまま出ている感じかな、と思う。何より、ドライバーショットがよくなかった。セカンドショットにしても、自分が想定しているよりも、左右どちらかにズレてしまっている。修正するのは、ちょっと大変かな、と思っています」

 2日目は、午後から風が吹き始め、グリーンが乾いて硬くなる中、より厳しいプレイを強いられた。結果、松山はスコアをひとつ落として、通算イーブンパー。順位は26位タイに下がった。

「風が吹いて難しいセッティングになっていましたが、それ以上に、自分のパッティング、ショットが、昨日よりもまた悪くなった。ショットはぜんぜんダメ。よくなりそうで、よくならない。パットは、距離感は合ってきているけど、ラインに乗せるのがうまくできていない。不安を感じながら打って、ショートしがちになっている。でも、この内容で予選を突破できたのはよかった。イライラしないで、よく踏ん張れたと思う」

 一転、3日目はショットもパットも復調。前半で3つのバーディーを奪って、後半11番のパー5でもバーディーを決めると、松山は4位まで順位を上げた。が、そこで"上"が見えた途端、12番から3連続ボギー。結局、3日間通算1アンダー、19位タイにとどまった。

「ショットがよくなった感覚はなかったんですけど、そこそこフェアウェーには行っていたし、セカンドもグリーンをとらえていた。2日目までに比べたら、チャンスは多かった。それを、11番までは決めることができた。でも、スコアを伸ばしてきたことで、もっともっと伸ばしたいという欲が、(セカンドで)いい場所から打てているのでさらに伸ばしたいという欲が、(自分の中で)生まれてしまった。それで(12番では)ミスショットが出たんだと思う。欲を出したばかりに(グリーンの)右に外した。次のホールもそんな感じだった。あそこでチャンスにつけられないのが、(調子が悪い)自分の現状を表しているのかな、と思う」

 3日目に復調の兆しを見せた松山は、最終日にはショット、パットともにさらによくなっていた。それぞれがうまく噛み合って、スタートからバーディーを重ねた。最終的には、上位陣がスコアを落として、あと1打伸ばしていればプレーオフ参戦という状況まで持ち込んだ。

「今週は、ダブルボギーを打っていないと思うんですけど、こういう難しいコースでは、そんなふうに(悪くてもボギーに収めて)ミスで傷口を広げないことが大事。そういう部分では、すごくがんばれたのかな、と思う。状態が悪い中で結果を出せたことが自信になる? 同じ状況でもう一回ラウンドしろ、と言われても、たぶんこのスコア(通算5アンダー)は出せない。そういう意味では、自信にはなっていない。それでも、後々こういう経験が生きればいいな、と思います。あのときはこうだったなと思い出しながらプレイできて、結果が出せれば、自分の中でも自信になっていくのだと思う」

 松山にとっては、苦しい大会だった。自らが納得できるショットやパットが打てず、試合中も試行錯誤の連続だった。にもかかわらず、結果は4位タイ。ゴルフというスポーツにおいて完璧を求めることは難しいことだが、もし思いどおりのショットやパットが打てるようになって、それが本番で噛み合ったとき、松山はどんな強さを見せてくれるのか。その姿が近い将来見られることを期待したい。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva