新「dtab」登場だが、初代の魅力を感じない理由とは?「だれでも手が届くタブレットを忘れてしまった」

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2月23日、NTTドコモは新しいタブレット「dtab d-01G(Huawei製)」を発表した。2月26日(木)より発売となる。

約2年前に発売された初代「dtab」とは違い、今回のモデルはLTE対応となっており、好きな場所で好きなコンテンツを楽しめるように進化した。ほかにも多くの進化点がある。

しかし、同時に残念な点も見受けられるようになってしまった。というのが正直な感想でもある。
それでは、なにが残念なのか、説明してみよう。

●ディスプレイは少し小さく性能は大幅に向上した2代目
初代dtabが登場したのは2013年の3月。10インチ大画面かつ、Android4.1を搭載した汎用性の高いWi-Fiタブレットだった。ドコモとしては珍しい、Wi-Fi専用モデルとして、通信契約の必要ない物品販売されるタブレットとしても注目された。

対して今回発売される「dtab d-01G」は、ややこぶりな画面となる8インチディスプレイを搭載。Android OSは4.4を採用するほか、新たにLTE通信にも対応した。

ざっくりと、両モデルの違いを比較してみよう。

「dtab」→「dtab d-01G」への進化ポイント

OS Android 4.1→4.4
ディスプレイサイズ 10.1インチ→8インチ(少し小型化した)
メインカメラ 300万画素→500万画素オートフォーカス
CPU クアッドコア1.2GHz→クアッドコア1.6GHz
本体保存容量 8GB→16GB
SIM対応 ×→○

以上のようになっている。

特にディスプレイは、初代dtabのときとは違い、視野角の広いIPSディスプレイを採用しているため、複数人で見ても画面が白っぽくなりにくい。

しかしながら、変わらない点もある。特に、多く搭載するほど動作が安定しやすくなるRAM(動作メモリ)は、2年ぶりに登場した「dtab d-01G」でも初代と同じ1GBのままだ。
最近のコンテンツはリッチ化がより進んでいる。できればより安定した動作が期待できる2GBは欲しかったのだが…

●値段が高くなってしまった「dtab」は、何がしたいのか?
2013年に登場した初代dtabは、それはもう革新的なモデルだった。
薄型大画面、高性能なクアッドコアCPUを搭載しつつも、9,975円(一定期間dビデオ契約必要)で販売されたのだ。
さらに、MHL接続によりテレビへの画面出力や、Google Play対応で好きなアプリをインストールできるなど、誰にでも手が届く値段と、高い汎用性のタブレットとして人気があった。

まさに初代「dtab」の目的は、ドコモの提供するコンテンツサービス「dビデオ」「dアニメ」などといったdマーケットのコンテンツを誰にでも手軽に使ってもらおうというものだ。
タブレットを安価に提供し、有料コンテンツを体験、契約してもらおうというものになる。

それでは、今回発売する「dtab d-01G」はどうだろう。
本体価格は、32,400円(税込)となっている。
月々1,350円(24回払い)か、一括での契約となる。さらに、LTE対応ということでドコモとの通信プラン契約が必要となっている。1台目にドコモスマホを契約しており、2台目に「dtab d-01G」を契約する場合は、実質月々1,950円(税抜・24カ月契約)で維持することができる。したがって、毎月おおよそ2,000円の負担でタブレットを持つことができる。

ただし、初代dtabは一定の条件こそあるものの、1万円未満の低価格で持つことができた。そして通信契約というしばりも必要ではなかった。
2代目の「dtab d-01G」は通信契約が必要なうえ、今となっては、特別に安いとは言い切れない価格のモデルとなってしまったのだ。
これでは、最近人気の格安SIMが使えるSIMフリータブレットとそう差はなく、ドコモの契約数を伸ばすためだけのモデルともなりかねない。

●「dtab d-01G」のベースはMedia Pad M1 8.0か
今回発売される「dtab d-01G」にはベースモデルが存在する。
CPUの構成や本体サイズ、ディスプレイサイズから、昨年夏に発売されたSIMフリータブレットの「Media Pad M1 8.0」がベースとなっているようだ。

しかしながら、「Media Pad M1 8.0」が本体保存容量8GBに対して、「dtab d-01G」は16GBと保存容量が増えているほか、LTE/3Gの利用できる通信周波数帯も変更されているなど、ドコモ向けに改善されている。

たしかに機能は「dtab d-01G」は向上しているが、同じような8インチLTE対応タブレットを手頃に使いたいのであれば、SIMフリーで価格も28,000円程度(2月23日現在)まで下がった「Media Pad M1 8.0」とMVNOの格安SIMを組み合わせたほうが良さそうだ。

「dtab d-01G」はタブレットとしての性能や機能は悪くないため、ドコモにはぜひとも初代dtabのようなユーザーメリットのあるキャンペーンを行って欲しいものだ。

docomo dtab d-01G製品紹介|NTTドコモ
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布施 繁樹